08
お昼御飯を食べる為に1階にある食堂に降りて行くと、丁度おかみさんがテーブルに料理を並べているところだった。
「丁度よかった。今準備が出来たとこだよ」
「ありがとうございます」
テーブルの上には黒い塊が2つ、赤い物体、その横には白い塊が添えられている。その皿とは別の深皿には黄色と白、赤っぽいのが入った液体がある。
「今日は黒パンとベーコンと卵のスープ、ウルウル鳥のトマト煮、マッシュポテト添えだよ」
黒い塊⇒黒パン、黄色と白、赤っぽいのが入った液体⇒ベーコンと卵のスープ、赤い物体⇒ウルウル鳥のトマト煮、白い塊⇒マッシュポテトらしい。食欲を誘ういい匂いが漂っている。
椅子に座り添えられていたフォークを握り締める。ゴクリと喉が鳴った。
「いただきます!」
掛け声とともに俺は目の前に並べられた料理にフォークを突き立てたのだった。
~数十分後~
満たされた腹を撫でる。
美味かった。文句無しで美味かった。美味くてボリュームもあって大満足だ。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「そりゃあ良かった。出掛けるのかい?」
「はい。でもその前に宿泊期間を延長したいんです」
「今貰ってるのは10日分だったねえ。何日延ばしたいんだい?」
「えっと、20日お願い出来ますか?」
「大丈夫だよ。お金は予定より早く街を出る事になった時は残りの日数分はきっちり返すから安心おし」
「よかった。じゃあ3食食事付きで20日お願いします」
「あいよ。……20日分3食付きで銀貨5枚、小銀貨8枚だよ」
財布からお金を出して支払いを済ませる。これで残りは小金貨1枚、小銀貨1枚、銅貨3枚だ。
毎日最低でも小銀貨3枚は稼がないといけないな。あとは装備やアイテムも買わないといけないし、30日以内に1日銀貨5枚は稼げるように頑張ろう。
「ありがとうよ。気をつけるんだよ」
「はい。ありがとうございます」
宿を出て街の外に向かう。途中武器屋のセドリックさんに無事に宿を取れた事の報告と紹介してくれたお礼を伝えてから、街の外に出た。門の側には兵士が立ってるけど、外に出る時は何のチェックもないようだ。逆に街の中に入る時は、身分証を見せれば入れてもらえるらしい。
依頼品の薬草を探して歩きながら考えていると、依頼品らしき薬草を見つけた。生えている薬草(?)と貸してもらった見本とをじっくりと見比べていると、突然頭の中に四角い画面が現れた。
――――――――――
名前:名もなき雑草
効能:なし
備考:特にありません
――――――――――
………もしかしてこの薬草(?)の情報なのか?でもギルドで見た俺のスキルの中に鑑定が出来そうなスキルなかったよな。一応確認だけはしておくか。
「ステータスオープン」
――――――ステータス――――――
名前:龍宮 彰斗
年齢:15歳
性別:男
種族:人族(異世界人)
LV:1(冒険者ランク:G)
状態:普通(呪)
HP: 100
MP: 100
筋力: 100
体力: 100
耐性: 100
魔力: 100
魔耐: 100
敏捷: 100
魔法適性:火、土、雷、光
スキル
◇戦闘系スキル
剣術(Lv.3)
体術(Lv.2)
◇魔法スキル
火魔法(Lv.1)
土魔法(Lv.1)
雷魔法(Lv.1)
光魔法(Lv.1)
◇生産系スキル
料理(Lv.1)
◇特殊スキル
言語理解
呪いの魔眼(Lv.1)(New)
称号
異世界人
人違いされし者
呪われし者(New)
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・・・あっ!特殊スキルと称号にさっきは無かったのがある。呪いの魔眼と呪われし者、間違いなく腕輪の所為だな。呪いの魔眼っていうのが俺が掛かってる呪いなんだろうけどどんな呪いなんだ?
特殊スキル欄に表示されている呪いの魔眼をジッと見るとスキルの下に説明文が現れた。
―――――――呪いの魔眼(Lv.1)――――――
見えないモノが見えるようになる呪い。
・鑑定(初級)
レベルが上がると呪いの効果が強くなる。
最高レベルに達すると解呪不能となる。
最高レベルに達すると覗き魔の称号を得る
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見えないモノが見えるようになる呪い。鑑定(初級)って呪いなのか?むしろ異世界転移で欲しいスキルトップ10に入るスキルだと思うけんだけど…。
レベルが上がると呪いの効果が強くなるって更に詳細なステータスが見えるようになるって事だよな?この呪いなら解呪不能になっても全然困らないし、むしろ解呪したくないな。
それよりも問題は照合だ。もっと違うのないのかよ!魔眼を極めし者とかさ、覗き魔って誤解を生むような称号は流石にちょっと…。でもこの呪いを解呪するのはおしい。最高レベルになるのは当分先だろうしそれまでにどうするか決めよう。