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参福神:今年は丑年ですね。

気づけば丑年(=_=;)そしてやっと投稿・・・・・・あの続編も書きだめしたので近々投稿しだします。

「闘えますかって……あいつとかっ!?」



 指を指した方向にある、今は動きを止めるネズミと黒い何か。


「はい。まぁ、とりあえず闘うというか……ここから離れましょうか?」

「…おいおい、無茶言うなよ!? さすがにキツイぜ……」

 気の抜けた声に肩を落としつつ、今にも噛み付こうとするネズミに溜め息をひとつ。

「いえ、ご心配なく。私が力をお貸ししましょう」

「力って……お前がか?」 白い球体が俺の周りを回りだし、光がいっそう濃くなる。

「はい、後はあなた次第です……出来れば早めにお答えを。時間を止めていられるのも後数分ですから」

 気付けば光の柱が段々小さくなっているような気がする。

「……なんだよ…選択肢なんてねぇじゃねぇか」

「時は金なり。さぁ、ご決断を」

 顔の真ん前で制止した球体に俺は睨みながら言った。


「わあった、力を貸してくれ」


「……かしこまりました」 答えると同時に球体が輝きだし、一瞬で俺の胸に吸い込まれるように消えた。

「ぐっ!? ……い、いきなりかよっ!?」


 俺は胸を押さえると同時に、膝をつく。

(…熱い……胸がクソ熱い)胸から帯びる熱は身体に広がり目眩を起こし、心音が急速に加速していくのを感じる。

(くっ、なんだ……この沸き上がってくる感情は……)


―――いけるっ!


 光の柱が消失した刹那、目の前のネズミ達が一気に襲い掛かってくる。

 が、今の俺には一匹一匹のネズミの動きが手にとるように分かる。

「……らぁぁっ!」

 右足を踏み出し、地面に着く瞬間に掌ていを放つ。

 それは先頭のネズミに触れると同時に、後ろに集まるネズミさえも粉々に粉砕する。

 その中でかろうじて粉砕を免れたネズミは、一旦俺から離れ、飛散すると小さくうなる。


(!? ……なにっ!?)


 一番驚いたのは俺の方だ。

「今の……お……俺がやったのか?」

 自分の右手を見ると確かな感触。力強く、なにか核心をついたような感じが沸いてくる。


『何をしているんですか? 次が来ますよ?』


「? はぁっ!?」

 頭に直接響いてくる声。が、それに答える前にネズミが今度は扇状に広がり、襲い掛かってくる。

(くっ!)

 膝を折り一気に伸ばす。ただそれだけの回避。だが、次の瞬間俺の身体は四階建ての校舎の屋上が見える高さまで飛翔していた。


『ふむふむ。初めてにしては中々ですね。……さぁ、とりあえずあのネズミを蹴散らしたらここから離れましょう』


「な、何が起こってんだよ! クソッ!!」

 半ばやけくそ気味に身体をネズミの集団のど真ん中に落下させる。

「波掌!!(はしょう)」

 着地と同時に拳を地面に突き立てる。砂埃は一気に天に昇る盾となり、また銃弾さながらのスピードで飛散し、周りにいたネズミの身体を貫く。


『今です。後方にジャーンプ』


 気の抜けた声がしたが、かまってられない。砂埃がまう校庭から俺はもう一度飛翔し、脱出する。

「……夢じゃ……ねぇのかよ」


『はい、違います』


 一瞬の希望も、いやにさっぱりとした声に掻き消される。

 俺は一つため息をつきながら見慣れた町を空から眺めていた。

初めての空中散歩。

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