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2014年/短編まとめ

偏頭痛彼女

作者: 文崎 美生

ダメだ。


仕事が進まない。


目の前には大量の紙、紙、紙。


生徒会としての仕事が山ほどあるのだ。


休んでいる暇はない。


だというのに頭が重い。


ズキズキと鬱陶しい痛みが主張してくる。


ぐしゃりと手元の書類にシワがよる。


「会長?」


作業の手を止めて副会長が私の顔を覗き込んでくる。


視線を交わして「なんでもない」と告げ仕事に戻ろうとする。


が、痛みで全く進まない。


雨音が遠くに聞こえた。


今日の天気は雨。


一日中雨だ。


機嫌も悪くなる上に、偏頭痛までするこの天気。


実に不愉快だ。


ボールペンを放り出してカーテンを閉める。


シャッと軽快な音を立てて外の風景とこの部屋を遮断した。


つい、出そうになってしまうため息を殺して肩を落とす。


なんて今日も不快なのだろう。


「会長、大丈夫ですか?」


書記が自分の席から立ち、私の席の真ん前に立つ。


「平気よ」


所詮強がりだが。


書記の方が溜息を吐き、水の入ったマグカップと小箱を差し出す。


頭痛薬だ。


「いらな…」


「飲んでください」


有無を言わせぬ口調。


ズキズキと脈打つ鬱陶しい痛み。


遮断されたはずの世界から聞こえる雨音。


心配そうな生徒会メンバー。


毎度お馴染の光景だと思いながら、私は渋々薬を飲み込むのだ。


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