第11話 招かれざる舞姫
一ヶ月ちょっとも放置してました。このサイトに来る余裕もありませんでした。作者は死んでません。とにかく、放置し続けてごめんなさい…(´;ω;`)
リラ「お仕置きが必要かしら?」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
…
明くる朝。
いつもの様に起きて着替え、ご飯を済ませると、正一たちは
学校へ出発した。
「やべー、宿題忘れてたよ……授業中にやるか」
「ご愁傷様としかいいようがないわ。というか内職ダメ絶対」
「へいへい。先生に言いますよって」
「はい は一回。まったく仕方が無いわね……」
軽い雑談を済ませながら歩いていると、校門が見えてきた。
すると、急に琴美が背後に隠れた。
「どうした?」
「何か妙に悪寒が…」
「?そうか」
顔が険しくなった琴美から前に目を移すと、藤山がスタスタと歩み寄ってくるのが目に入った。
「お、藤山か。おはよう」
「リア充おh「準備体操にちょっとぶっとばすか」……正一くんおはよう」
そして、校門脇の電柱をくぐり抜け
「あら、遅かったじゃないの、正くん」
ようとしたとき、校門の前に曜子が居た。
だが、妙に変だ。
いつもの顔ではなく、何かこう「黒い」笑顔なのだ。怖気づくほどの。それに、さっきから感覚に違和感を感じる。なんかこう、結界のような……
…………結界?
「正くん、後ろにいる奴は妙に見覚えがあるのよね」
ゾワッ。後ろから焦燥感が伝わってくる。
「調べてみたら、平安時代にある神社から"抜けだした"本とそっくりなの。
そいつは封印レベルの魔術書だとか。だから――――――――――――
――――――この場で、消滅してもらいましょうか」
曜子は言うなり、後ろに回してある手を前に出す。そこには一冊の書物が握られていた。
「『賀茂術妖滅書』。探すのに苦労したのよ。私の家の最高レベルのやつだもの」
そういって、それを開くと前に手を出し、手を離した。すると、本がその場で浮く。
「第十三項。術式滅槍<しきめつそう>」
一瞬眩い光が放たれる。そして目を開けると、曜子の手には一本の槍が握られていた。
そして、周りは漆黒とでも言えるほどの黒一色だった。
「ああそう、正くん。庇うなら貴方も巻き添えにするわよ」
彼女の目には、光がなかった。
「琴美、こうなってしまったからには仕方がない。行くぞ」
「ええ。一度目を覚ましてもらいましょうか」
正一はAIBを展開し、琴美は術式書を取り出した。
「そう。なら覚悟はあるのね。じゃ、行くわよ」
曜子は手に握った槍を大きく振りかぶり、投擲した。
「AIB吸収ッ、うっ……」
槍は障壁に衝突し、飲み込まれた。
途端に襲ってくる疲労感。能力を使用する代償である。
前を見ると、すでに曜子は何かを唱えていた。
「アメツチノチカラヲコノミニサズケヨ。サシテアクヲメツセヨ。理符「陰陽太極弾」」
彼女の背後に太極図が浮かび、そこから無数の弾が放たれた。
「クッ、やるわね。ならこちらもよっ!月煌「ルナティカルルーイン」!」
琴美は三日月を模した弾の波を打ち出した。だが、陽子に届く前に悉く消されてしまう。
「私相手にここまで来れるなんてね。でもこれでお終い。神符「龍滅鬼神印」」
時すでに遅し。正一たちの周りに、大量の鎖が顕れる。
「な、なんだこれはッ!」
「龍をも滅す鬼神の印。その鎖に縛られて、華やかに滅することね」
「くぅ……なんて強い術なの……!」
目の前には、幾重にも巻かれた鎖のみが見える。
正一たちは封印された
バキ、バキ
かのように思えた。だが、突然鎖に皹が入っていく。
そして
パキィン
鎖は砕け散った。だが、正一たちは何もしていない。無論曜子も、だ。
「え、え、な、なぜ……!?」
煙が晴れて現れたのは、曜子の恐怖に染まった顔だった。
「今のうちよッ!操憶「リメンバリングコントロール」」
曜子の頭に魔方陣がかかり。彼女は、仰向けに倒れた。
急いで彼女に駆け寄るが、顔にはいつもの生気が戻っていた。
「よかった、助かったわぁ……」
安堵の溜息を吐く正一だった。
琴美は疑問を抱いていた。
なぜ、何者も術式に干渉していない時に、突如として術式が崩壊したのか。
いくら考えても考えても、頭の中には「Unknown」しか浮かんで来なかったのだった。
いやー、長めでした。今回は物語の中では鍵となる回です。
自分なりには苦労して書いたのですが、やっぱりまだボキャブラリーが圧倒的に足りませんね。猛省してます。
作者が冬休みに入るまでは、最悪でも二週間に一回は投稿するようにしますので。よろしくお願いします。