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第7話 再び移転、拾われる鍵

今回はややシリアスです。

ノロケありますけど。


階段を引きずり降ろされ、いろいろ悲惨なことになった正一はメチャクチャ不機嫌であった。

「………」

「ね、ねえ。もう許してくれない?ね、n「なあ」」

「親しき仲にも礼儀あり、って知ってるか?」

「うぐっ…そ、そうだけれども」

「ああいうことされたら、普通の人間なら死んでるぞ。傷を「無」にしたから良かったが」

「ごめんなさい…」

「…」

「(ウルウル)ごめんなさぁい…ぐす」

「…反省したか?」

「当たり前でしょう、ぐすっ」

「…わかった。もうするなよ」

そう言って、正一は琴美を抱きしめた。そして、頭を撫でた。

「ぐす、しょう、いちったら…」

「もう泣くな。そろそろ、各々の仕事を再開するぞ」

「え、ええ」

琴美は涙をぬぐい、料理を再開した。




その後、少し遅い朝ごはんを食べている時。

正一は急に目を細めた。

「ん…?」

「何よ。美味しくなかったかしら?」

「いや、何か、うーん…誰かが見ているような感じが」

琴美は首をかしげた。

「私は誰も見なかったわよ。気のせいじゃないの…?」

返答を聞くと、正一は苦笑した。

「ハハ、お前が言うならそうだよな」

そして二人は朝食を再開した。




「気づくなんて、なかなかやるじゃない。

これでもほとんど気配を隠していたというのに。

もう少し、様子を観察してみようかしら。ふふふ…」

その時、誰にも聞かれることはないつぶやきを漏らし、

口を三日月のごとく歪めた「少女」が、いた。




二人は部屋に戻ると、学校に行く支度を始めた。

そう。琴美は、社会全体の記憶を書き換え、

自分が学校に入学していることにしてしまったのだ。

なんというご都合主義。

「数学の宿題終わってなかったあ…」

「お前、スパコン並の計算能力でなんでも解けるくせに。いいよな」

「ふふん。どうしても答えがわからないときは、

一から代入して求めることができるわよ」

「は?」

正一は呆けた。

「はいはい。天才児乙」

すると琴美は頬をふくらませた。おお、可愛いじゃないか。

「…むう。わ、私だって万能じゃないのよ…」


そして支度を終え、二人は部屋から出た。




「「は(え)?…えええええええええええええええええええ!!!」」

目の前に広がるは、一面の森であった。

「こんどはどこだよ……」「訳わからないわよ…」

「「はあ…」」

思わず、二人そろってため息を付いてしまったのだった。



その頃。二人がいなくなった部屋に、一人の少女がいた。

そして一枚、手紙を置いて、ほくそ笑むと、

扉を開け外へ出ていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二人とも、頑張りなさい。

足掻きなさい。

共に、戦いなさい。

そして、運命(さだめ)を乗り越えてみなさい。


その延長線上で、私は待っています。



リラ=オトネポス

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





噛み合えぬ筈の歯車は、廻り始めた。

さて、ようやく黒幕、リラ=オトネポス初登場。

今回から、少し話が急展開します。


リラは、何故あのような言葉を残したのか。

そして、彼女は一体何者なのか。

彼女の目的は、一体何か…


また、次回をお楽しみに。


感想もお待ちしております。

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