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僕の透明人間

 透明人間というとなにを想像するだろか。

並の人間ならこう答えるだろう。普通の人間が薬を飲んで透明になっているのだと。

 だが、僕が知っている透明人間は、そうでは無い。誕生したその日から透明なようで、なんとか今まで生きてきたらしい。

 高坂恭司26歳、僕はそんな透明人間とこっそり暮らしている。


 転んだと思ったら体幹で耐えた。それを自分の体幹の強さだと思うだろう。それは大抵この透明人間がこっそり支えているというのだ。

 ご飯やお菓子を食べていて、あれ?こんなに食べたっけ?なんて思った事はあるだろうか?それは大抵この透明人間がこっそり食べているというのだ。


 透明人間は透明な故、教育を受ける事ができない。盗み聞きをしても大した教養が身に付かなかったらしい。その為、ある程度生きていく上で必要な読み書き計算を教えている。

 ご飯を食べたら、そのご飯も透明になる。咀嚼したものだけが見えるのは、ちょっと気持ち悪い。

 服を着るとその服も透明になる。妙にオシャレ好きなところにムカつく時がある。

 透明人間に触れるとしっかり体の感触がしっかりある。存在を確認する為、セクハラ親父かのような勢いで触る時がある。でも安心して欲しい。一緒に住んでいる透明人間は男なので。


 透明人間に名前を聞いても、呼ばれる事がないらもう忘れたという。だが、透明人間を透明人間と呼ぶのは、長いし差別をしているようで自分のことが嫌いになる。なので、これからは "アキラくん" と呼ぶことにした。


 恭司は日記を書き終え、布団に入り、眠りにつく。

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