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妹に結婚相手を寝取られたので、私に思いを寄せている妹の専属騎士に愛してもらおうと思います。

作者: 海原とまと

 私には結婚相手がおります。


 それは一つ年上のヒルガーン侯爵。彼の家とは関係が良く、小さい頃からパーティーなどでお世話になっていたので当然の事なのかもしれませんね。私は彼を愛していましたし、彼も私をとても愛してくれていましたのでとっても幸せでした。



それも昨日の夜までの話ですけどね。



 先日、妹がおかしいと感じましたので使用人に頼み、尾行をさせていました。

そこで残酷にも、私の嫌な予感は的中してしまいました。


「ヒルガーン様、私とお話しませんか?」


「俺には愛するレミリアがいるから、あなたとは会ってはいけないんだ」


「私、寂しいんです......」


「で、でもそれはできない」


「なら少しだけでいいですわ」


「じゃ、じゃあ少しだけなら......」


 使用人に来たほうがいいと言われ、妹がなにか危険なことをしているのかと心配になり、急いで向かいました。ですが、心配はすぐに憎しみに変わりました。


「性欲に支配された猿どもが......許せない......」


 私に見られていることに気付かないまま、愚かな彼らは行為を始めました。


 なので私はそこで復讐を決意しました。絶対に後悔させてやる......。


「良いことを思いつきましたわ」















 私は妹の専属の騎士を部屋に呼び出した。


「レ、レミリア様! 何の御用でしょうか!」


 男は頭を垂れて、私の指示を待つ。


「あなた少し前に私の事が好きって言ったわよね?」


 照れくさそうに軽く頷く。


「頼みたいことがあるんだけど、私のことが好きならもちろん聞いてくれるわよね?」


主のフィーロ様のことを考えるが、好きという思いには抗えなかった。


「はい! レミリア様の仰せのままに」


「なら頼むけど実はこういう事があって......」


私は昨日の夜に起きたことを話す。男の表情は怒りに燃えるものになった。


「私、騎士ガイアは貴方様の願いを遂行すると誓います!」


 私は強力な手駒を手に入れることに成功したので焦り、後悔するであろう無様な彼らの表情を想像して笑みをこぼしました。


「さぁガイア、復讐を始めましょう!」














 私はヒルガーン侯爵と愚妹のフィーロが歩いているのを庭で見つけたので、ガイアを指定の場所に待機させ、合図を出したら来るように頼んだ。私は燃え上がるような憎悪の気持ちを抑え、平然を装ったようにして話しかける。


「ヒルガーン様おはようございます。それと隣にいるのはフィーロですか? なぜあなたが私の婚約相手と腕を組んで話しているのですか?」


「おはようございますレミリアお姉さま。」


 妹はニヤニヤしながら挨拶を返す。


「どうして笑っているのか気になるところではありますが、先にその腕を彼から離してくれませんか?」


「すみませんお姉さま。話が盛り上がって少し興奮してしまいましたわ」


 不快そうな顔で腕を離す。


「そういえば話したいことがあって来たのに忘れていましたわ。

 フィーロ、私のヒルガーン様と浮気していましたよね」


「そ、それをなぜ!」


「私は全部見ていたんですよ。最初から最後までね」


「ふざけやがって、こうなったら力ずくで黙らせてやる......」


 妹が小さい声でつぶやき、平手打ちをしようと振りかぶってきたので私は体の後ろで合図を出す。


「お待たせいたしました。レミリア様、ご無事ですか」


 ガイアが現れ、妹は唖然とする。


「次は裁判所で会いましょうね」



「な、なんでガイアがあんたのところに!」


「待ってくれ、あれには理由があるんだ!」


 私は屑どもの叫びを無視して、お父様のところに向かった。















 話を受け、憤怒したお父様が後日裁判を開いた。


「お前が俺を誘ってきたんだろう!」


「私は誘ってないわ!貴方が誘ってきたんでしょ!」


 裁判の内容は浮気した二人がともに蹴落としあっていて、ただただ滑稽だった。

正に生き地獄という状況で、私は心の底で嘲笑していた。


 当たり前だが裁判に勝利したので私は婚約破棄+大量の慰謝料を受け取った。

噂によるとヒルガーン侯爵家は子爵まで爵位を下げられ、妹は家から追放されて、元からいなかったものにされたらしい。私はそれを聞き、高笑いした。

 今回の復讐を手伝ってくれたガイアは主を失ったため、私の専属騎士になった。


「私なんかの騎士でも良いの?」


「はい! むしろあなたの騎士になれて光栄です!」


「ふーん......優しい人ね。」


 私は少し黙り込み、言葉を発した。


「よければ私と結婚......しない? ちょうど結婚相手いなくなっちゃったし。あなたなら私の事をちゃんと愛してくれそうだわ」


「わ、私ごときの身分であなたと結婚なんて出来ません!」


「でもあなたの家って伯爵家よね? それなら別に見合うんじゃない?」


 ガイアは考えるように黙り込んだ。


 少しすると彼の顔つきが変わった。そして口を開く。


「あなたの事が世界で一番好きです。自分で良ければお願いします!」


「そうこなくっちゃね! それじゃあ、お父様に報告しに行くよ! ちょうど来月に結婚式の予定もあるから早く準備しなきゃだね!」


 私は周りの視線を気にせず走り出す。


「ま、待ってください! 速いですー!」






 私の人生色々なことがあったが、今が一番幸せという事実は変わらないだろう。



初投稿です。


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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 短くまとめられていて、個人的には良かったです。 これからも頑張ってください!
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