01依頼
「では、これで終わりです。今日はありがとうございました。」
「いえいえ」
俺は記者に別れを告げて店を出た。そのまま駐車場に行き、車のエンジンをかけた。
行き先は滞在しているホテルだ。
俺はホテルに戻ってフロントでカギを受け取り、借りている部屋に入った。
そして、衛星携帯を開いて依頼が来ていないか確認する。
メールが二件
一件目はいつも通り、一カ月に一回来る傭兵協会からの請求書だ。
二件目は、個人からの依頼だ。
依頼の内容はこうだ。
・アジャディブロス
・盗族退治
・ベール島、フォート村
先ほど個人からの依頼と言ったが、個人から直接送られてくるわけではない。必ず傭兵協会を通しての依頼になる。
依頼は必ず箇条書きで送られてきて、
上から、
依頼主の名前
依頼の内容
依頼の場所
それと…どうやら依頼主は盗賊の字を間違えているようだが…
それとも盗族という種族が存在するのだろうか?
いやまさかな…でも、昔ベール島について本で読んだことがある。
かつて、ベール島には、多くの様々な民族が暮らしていた。
が…それらの民族は軍の迫害によって急激に数を減らしていった。
そのあと何が書いてあったかは覚えていない。
俺は返信を終える前に眠りについてしまった。