伝説のモン娘は強い
前回のあらすじ
ベルとドラコが敵に突撃していく。
雷狼の身体能力は非常に高く、一般的な戦士が勝てる相手では無い。特に、素早さの能力は桁外れで、精鋭ハンターが苦戦するほどだった。
その雷狼たちが、ベルの斬撃を回避できず、次々と切り捨てられていく。
(はぁ、予想以上に鈍くさい犬。同じ犬でも、ワンコさんの方が1億倍は速いですわよ。う~ん、このまま剣で攻撃を続けるのは、少し地味かしら? やはり大技を使って、一気に殲滅した方が良いわね)
敵の弱さを実感したベルは、余裕の態度を取り敵陣の中で考え事をする。
すると、隙を狙って雷狼たちが雷攻撃を放つ。油断していたベルは、回避できず直撃を受けた。
「あらまあ、少しピリッとしたかしら?」
「グガァァ!?」
自慢の雷攻撃でダメージを受けない事に驚くが、戦意は低下しなかった。殺意の有る目でベルを睨みながら、攻撃態勢を崩さない。
攻撃が効かないと分かった時、雷狼たちは全力で逃走するべきだった。そうすれば、全滅を避けることが出来たかもしれない。
ベルの種族は神族、しかも伝説のモン娘である。要するに、全能力で劣っている雷狼が勝てる相手ではない。
しかし、この事実を雷狼たちは知らない。だからこそ逃走ではなく、戦闘続行を選んだ。
一方のベルは、楽勝の戦闘に飽きてしまい、あくびをしていた。
再び隙だらけのベルに、連携のとれた一斉攻撃で襲い掛かる。
死角を突いて、飛び掛かってくる相手を盾で殴り飛ばす。強力な一撃を受け、骨が砕ける音を響かせて雷狼が吹っ飛んでいく。
味方が吹き飛ばされても、雷狼の連携攻撃は止まらない。生半可な戦士では見切れないほどの、超高速攻撃を次々と繰り返す。
だが、ベルには一切当たらない。
攻撃を軽やかに回避するベルが、右手を前に突き出して叫ぶ。
「神族技、消滅の光!」
眩い光が右手から放たれると、ベルの前にいた11頭の雷狼が一瞬で消滅した。
消滅の光とは、神族の者が使える技で、存在を消滅する光を放ち格下の相手を消し去る。
仲間の多くが瞬殺されたことで、雷狼たちは攻撃を止め怯えて後ずさりをする。
「ひの、ふの…………。残り6頭。ふふっ、楽勝ですわね」
ベルの殺気を感じると、戦意を失い全速力で逃げだす。
「あっ、待ちなさい!」
逃げ出した敵を、慌てて追いかけようとしたら、急にドラコが現れ逃げ道を塞ぐ。
雷狼はドラコをベルよりも弱者と考え、逃げるために突撃してくる。
それを迎え撃つドラコは、大きく息を吸い込む。
必要量の空気を吸うと、息を止め力を貯める。
覇王竜ドラコが口を開く。
「竜族技、火炎ブレス!」
伝説のモン娘の中でも、覇王竜ドラコは最高の攻撃力がある。そのため、簡単にブレス攻撃するべきではない。
なぜなら、ミサイルでアリを攻撃する様な感じだから。
ドラコを制御できる誠志郎が、この場所にいない。だから、ドラコは何も考えず簡単にブレス攻撃をした。
その結果、ブレス攻撃の射線上にいた雷狼は一瞬で焼失。ついでに、広範囲の森が焼失。
ベルが守らなければ、ケットシーと護衛たちも焼失するところだった。
次回予告、担当者、ベルとドラコ
「ドラコさん、次回予告ですわよ」
「おぉー!」
「次回は、ケットシーと話をしますわ」
「おぉー!」