8話
俺の下には美人がいる。どうしてこうなった?
なんかこの人顔紅くなってない?可愛いな。
てか、顔近いな。キスの距離だな。
綺麗な紅色が目に入り視線を反らす。
「は、早く、どいてくれる。」
さっきまでとは口調が違いなんか女の子っぽい感じがする。まさか、男性経験ゼロ!!!?
このまま強引に行ったら行けんじゃね?
「ああ、悪い。」
俺にそんな勇気は無かった。
「あんた、そんな事やる為にこっちに刀投げたの?!このド変態!」
そんなみなみの叫び声は無視してやろう。刀を投げたというかすっぽ抜けた。
「……今日はもう刀を交える気にならない。帰る。次あったら斬るから……。」
「ほんとにゴメン!悪気わ無かったんだ。だから次合ったら結婚……いや何でもない。名前だけでも教えてよ。」
「霞。」
彼女は名前だけ残して帰って行った。
いったい何しに来たんだ、霞とかいう女は。
横でいびきかいて寝ているアホを起こす。
「ん?あれ、俺の女神は?」
「とっくに帰ったよ。良いざまだな。」
浩二の事を笑っていると後ろから頭をどつかれる。
「おい、変態、あんたリーダー失格。隆史と変わりなさい。」
「まぁ、死んではいないんだから、今回は多目に見てやってくれ。」
フォローしてくれてる隆史だが顔は笑ってはいない。今にも魔法で攻撃してきそうな目をしている。
「取り敢えず、学校戻ろうぜ!」
先頭をきって行く浩二。
「そうだね。」
前をゆく3人を俯き加減でついて行く。自分の不甲斐なさに先が思いやられる。実際、刀を振り上げたは良いものの俺に人を斬る勇気はない。
刀がすっぽ抜け無かった場合俺はどうしたんだろう。というか、俺に人が斬れるだろうか?
これは、ゲームなんだと自分に言い聞かせて歩いた。
学校に着いてそこに広がる光景に目を疑った。
何度も瞬きをしたが視界に写る景色は変わらない。