7話
各々好きなものをカゴに入れてそれを俺が、リーダーの俺がレジへ持っていく。雑用係みたいだな。
「おい、俺金持ってねぇよ、誰か払ってくれ。」
無視する3人。えっ?俺が払うの?
「支払いは全てポイントになります。合計で2000ポイントです。」
どうやら、もうこの世界に現金の存在価値はないらしい。
「ポイントで買えるんだ。凄いね。」
「と言う事は、いろんな物がポイントで買えるって事か?」
「恐らくはそうだろう。」
3人はそんな話をしながらコンビニを出ていく。
待てやおい!
結局俺が払うハメになりさっき変換したポイントはほとんど無くなった。
重いコンビニ袋を両手に持ちアホどもの後を追う。
「おいお前ら、なんで、俺が払わなきゃいけねーんだよ。せっかく新しい魔法買おうとしてたのに。」
「大ちゃん、リーダーでしょ?」
リーダーとは何なのか、深く考えよう。
顎に手を当て考えながら歩いていると浩二の背中にぶち当たった。
「イタっ、いきなり止まんなよ。」
前を見るといきなり止まった理由が分かった。
綺麗なロングの黒髪が風に揺れる。俺らの目の前には見たことない美人が立っていた。
制服を着ているが、俺らの学校ではない。
そんな事はどうでもいい、ただ俺はこの人と結婚がしたい。
「その制服、第一高校だな。」
俺らの高校を知ってる風な言い方だ。
「そう、その通り。そして、第一高校随一の男前はこの浩二。あっ知ってるか。」
真っ先にこの美女に歩み寄り手を取っているこの馬鹿は時に羨ましく思う。
「あの、制服、第二高校のやつじゃん。私の友達も第二にいるから。」
「みなみ、お前あの美人と知り合いじゃねーの?」
期待を膨らませて聞いてみた。
「知らない。私の方が可愛いいし。」
俺の幼馴染は自身がすごいらしい。
「ぐはぁっ…」
浩二の腹に美女の肘か突き刺さり浩二が苦しそうに膝をつく。
あいつ完全に無防備状態で喰らったな。めちゃ痛そうだな。どんまい。会う女会う女、話し掛けていたらこうなる事もあるだろ。
「弱い男に触られると殺人的衝動に駆られる、気を付けろ。」
「…何?誰が弱いっグハッ!」
今度は浩二の手が美人の足の下敷きに。
美しい顔とは対象的な行動に俺は声も出ない。
「それ以上喋るな、舌を噛んで死ぬぞ。」
浩二のそれはそれは男前な顔に膝蹴りが飛ぶ。
綺麗に顎に入り浩二は、気を失って倒れている。
今パンツ見えたかな?早すぎて分からなかった。
「スロー再生機能は無いのかぁぁぁ!」
パシンッ
みなみの、平手打ちが後頭部に炸裂する。
「いきなり、大声出すな。しかも意味不明。」
それを見て前に出ようとする隆史を止める。
「待て、俺が行く。」
こういうやつは、アレだ強い男が好きなんだ。負けた相手に恋をしてしまう的なやつだ。俺が行くしかない。
まぁ容赦なく魔法使うけどな。
「いきなり喧嘩腰は良くないな。第一高に恨みでもあんのか?」
俺は魔法で出した日本刀を手に美人に近づく。
「恨みはない。弱い男が嫌いなだけだ。私は物心付いたときから武道の道を歩いてきた。それは日本刀だな。もしかして私と同じ属性?」
そう言うと彼女も同じ様にスマホから刀を取り出した。
「錬金属性か。」
運命の人見つかりました。にしても俺のより立派な刀だな。刃が真っ黒でカッコ良いな。
「これでも、剣の道は極めたと自負している。貴方じゃ私に触れることさえ出来ない。」
剣の道は極めただと?それが本当なら不味いな。俺ド素人だし。
「大ちゃん!絶対死なないで!死んだら私達も巻き添えだから。」
後ろでなんか聞こえるな。あれは俺の事を心配してるのか?
俺は刀を構える。
「私の間合いに入れば容赦なく斬る。覚悟は出来ているか?」
出来てない。が、ここで引いたら俺は男ではなくなる。
オカマになる。絶対に避けなければ行けない地獄道。
「あれ?後ろ!後ろ何だあれ?」
美女は俺の声に反応し後ろを振り返る。
「よっしゃ、スキアリ!」
汚いが俺はいっきに距離を詰める。
勢い良く振り上げた刀は俺の手から離れて遥か後ろに飛んでいく。
ちょうどみなみのすぐ近くに落下する。
「うわっちょっと!危なっ。何してんのよ!」
手が、滑った。
俺は勢いそのままに美女に体当たりして倒れ込む。