6話
「い、いつから、そこにいた?」
かなり、苦しいのだろう。声に力が全くない。
「ずっといたよ。」
こえーよ、生徒会長。体に突き刺さる影が痛々しくて見ていられない。
隆史が影を陵の体から抜くと、陵は膝から崩れ落ちた。ピクリとも動かない陵。
陵のチームだと思われるやつらもゴロゴロ横に横たわっている。リーダーが死ねばチームのみんなも死ぬシステムだったなそういえば。隆史の足元を血が染めていく。
それでも、隆史の表情は変わらない。
「大輔、この死体はお前にやる。お前が気を引いてくれたおかげで背後を取れたからな。」
会長、俺の名前覚えていたんですね。光栄だ。
そ、そ、そ、そうなんだよ。気を引いたんだよ俺が。
死体という言葉が当たり前に出るのに、違和感しかない。
「い、いや、良いよ。やったのは隆史なんだし。」
隆史とあまり会話をした事がない為、今更気付いたが、会話を交えるだけで怖い。
「じゃあさ、隆史もウチのチームに入れば?そしたらみんなにポイント入るし。」
みなみのチームじゃなくて、俺のチームな!
「良いのか?俺が入って?」
「もちろんだよ。」
いや、だから決めるのリーダーの俺な!
隆史のフレンド申請を許可し、陵の死体をポイント変換した。ついでに、チームの仲間も全員ポイント変換した。
「お前の魔法何だよあれ?お前属性なんなの?てか変り身って何?」
浩二が隆史に絡んでいく。
「俺の属性は闇だ。さっきの魔法は1万ポイントしたからな、中々強力な魔法だろ?変り身はそのままだ。」
隆史が闇属性か。似合ってるんだか似合ってないんだか。
「1万ポイント?どうやって溜めたんだよ?」
「そこらへんの不良どもをポイントに替えた。地域の治安も守ったし一石二鳥だと思わないか?」
怖えーなやっぱ。
金髪ヤンキーのポイントは2000ポイントの1.5倍で3000ポイント。以外に少なかったな。
「これから、どうするよ?」
あくびをしながら浩二が言う。こいつら本当に危機感がないよな。目の前で当たり前に死んでいく人を俺はまだ現実に受け入れなれないでいた。いつものように、教室の中で各々友達と笑いながら話をするコイツらは頭がおかしいのか、俺の頭がおかしいのか。
「お腹すかない?」
みなみが、そう言うのを聞いて急激にお腹が空いてきた。
余計な事言うなよ。
「近くのコンビニ行こうぜ。なんかあんだろ。」
こんな訳分からん世界になった今、あまり外に出歩きたくないのだが俺らは、取り敢えずコンビニに向かうことにした。
学校を出て少し歩いただけで分かる。いつもより人気が少ない。
コンビニに入るといらっしゃませ、と出迎えてくれる女の人がいた。なんで店員がいるんだ?神ゲーになった世界でバイトするイカれたやつがいるのか?
まぁ、いても可笑しくはないのだが。
よく見ると頭の上にCPUと表情されているのに気づく。
コンピュータなのか、この人は。全然わからんな。
「おっ、可愛いね!連絡先教えてよ。」
CPUをナンパしだす浩二。お前が今やってる事は、壁に貼ってあるポスターのアイドルにナンパしてるのと同じだぞ。
「ありがとうございます。」
ちゃんと、対応もするんだ。