26話
ブーブーブー
【これより魔法、スキルを解禁します。宣戦布告が出来るようになります。 これからは、12時間単位でスキルの使用と魔力が回復します。 宣戦布告以外での相手国の襲撃はペナルティ、総ポイント回収になりますのでお気をつけて。 では健闘を!! 神の遣いより】
祈れよ!神だけに!
夜中の12時になり楽しんでる神からメールが来た。
「始まったな。取り敢えず近隣の国のチェックだな。1番近くというか、目の前に国が一つあるぞ。国名、闇の傀儡師。総ポイント800万ポイント。人数10名。俺達よりポイントは上だな。ここに宣戦布告するか?」
隆史が指で押し上げたメガネの奥の瞳は相変わらず鋭い。
「えーっ?ちょっと名前がヤバそう。」
あのさ、みなみ。名前が1番やばいの俺らだから。
「残りの3つは距離もちょっと離れてるしポイントもだいぶ高いな。宣戦布告するなら闇の傀儡師が妥当だと思う。」
やけにまともな意見を言う浩二。どうしてしまったんだ。男前以外はなんの取り柄もないのに。
やっぱり俺らがポイント1番低いじゃん。
「ここに宣戦布告するとして作戦は?」
珍しく霞が口を開く。
「リーダー狙いで行こう。リーダーが誰か分かんないけど。」
リーダーを討てば勝ちは確定だしな。と言う事はリーダーの俺が勝負の行方を左右するって事か。
「なら、言わないでよ。リーダーならもっとまともな意見を言って。」
絶対俺の意見に反発してくるみなみ。
「リーダーっぽいの見たら分かんだろ!」
「あんた、全然リーダーっぽくないじゃない。あっでも狙われにくいから良いじゃん。」
黙れっ!
俺は、ここで自分のスキルがこの戦場において非常に有効だと言う事に気付く。1回死んでも俺は、生き返る。俺が死んでも仲間は道連れにはならない。なら相手側は俺をリーダーではないと判断するよな。まぁ生きているのがバレたら話は別だけど。この話はみんなには、言わないでおこう。
「闇の傀儡師に宣戦布告して勝利すれば800万ポイント入る。ただし、敵の数は10人。俺達の倍だ。どうする?大輔。」
隆史のレンズを貫いてくる鋭い視線は逃げるなと問いかけてくるようだ。
「やるしかないだろ。目の前に敵がいて宣戦布告しないんじゃ俺達が弱いと思われる。」
「この戦争で私達死んじゃうかもしれないんだよね?」
ゆいが泣きそうな声で言う。
「死なないわよ!ゆいは私が守る。」
そのセリフ俺が言いたかったな。
宣戦布告する前にリーダーらしい事を言っておくか。
「今から宣戦布告するが、リーダーの俺が死なない限り負けはない。でも、この中の誰かが死にそうになった時、その時は迷いなく降伏宣言をする。間違っても誰も死なせない。それで良いかな?」
黙って頷くみんな。
変態の名にかけて負ける訳にはいかない。
闇の傀儡師に宣戦布告のボタンを押そうとする。
「ちょっと待って!!」
みなみが止める。
「何だよ!せっかく腹くくったのに。」
「私達宣戦布告されないんでしょ?じゃあもっと時間掛けても良いんじゃない?ゆっくり休みながら作戦立てられるし。」
お前はゆっくり休みたいだけなんじゃないのか。
「周りの国が戦争してどんどん戦力が大きくなっていってみろ、俺らに勝ち目はなくなるぞ。」
「それに、闇の傀儡師が他の国に宣戦布告したら俺達は闇の傀儡師に宣戦布告出来ない。他のチームは更に総ポイントが高い。早めに闇の傀儡師に宣戦布告すべきだと思う。」
隆史の言う通り、総ポイントが高ければその分戦力も高いはず。総ポイントで1番近い闇の傀儡師をまず落とすべきだ。
「分かったわよ。嫌な予感がしただけだから。」
みなみは、納得したようだが、コイツの嫌な予感は昔から当たる。余計な事言いやがったな。
「じゃあ、宣戦布告するぞ?」
俺は、度宣戦布告のボタンを押す。
闇の傀儡師へ宣戦布告します。よろしいですか?
あとは、はい、のボタンをタップするだけ。
「あっ!!ちょっと待って!まじで!!」
まじで、大きい声を出すみなみに驚いてはいのボタンをタップした。
「何だよ?またかよ。てかもう押したぞ。」
ブーブーブー
【闇の傀儡師へ宣戦布告しました。あちらからの返信を待って下さい。】
「なんで押すのよ!待ってって言ったでしょ?まぁ……良いわ。」
ブーブーブー
【宣戦布告が受諾されました。これより10分後に開戦します。 只今より、終戦までポイントの使用はできません。 12時間経って勝敗が着かない場合は死者数の多い方の敗北。 同数の場合、総ポイントの少ない国が敗北となります。 この敗北は死を意味します。 この戦争で勝利した場合800万ポイント入ります。 それでは!】
受諾早いな!!
宣戦布告されるのを待っていたかのようだ。つか戦争中はポイント使えないのか。しかも、制限時間まであるのか。聞いてないんですけど。
説明欄の最後の方に書いてありました。