25話
俺は、部屋に入り、でっかいシングルベッドにダイブする。久しぶりの布団だな。クーラーに冷蔵庫、お風呂とトイレは別だし、ベランダまであるのか!良い設備じゃないか。
ベッドで横になっていると眠気が襲ってきた。まぁ寝ても良いだろう。国同士の争いが起こるまでに最低でもあと、10時間はある。
ブーブーブー。
「なんだよっ!またメールかよ。」
【アジト占領おめでとうございます。ちなみに、変態大輔の国は南エリアになります。 国同士の戦争について ・総ポイントの少ない方から多い方へ宣戦布告する事ができます。 ・宣戦布告を受けない場合100万ポイント相手国に支払わなければいけません。 ・受ける場合、戦争開始。戦争中は相手国のアジトでも魔法、スキル発動可能 ・戦争終了後12時間は、宣戦布告不可。 ・戦争中の国にも宣戦布告不可。 国同士同盟を組む事も不可。 ・近隣の国はスマホに表示されるのでそこから宣戦布告通知を送る事ができます。 分からないことがあればコチラ宛に返信して下さい 追伸 神様のせいでめっちゃ忙しい!!! 神の遣いより】
ルール増えすぎて頭がパニック状態だ。取り敢えず戦争時代が来たって事ね。
睡魔に耐えきれなくなり目を閉じる。ベッドに全てを預けると深い海に沈むように体は沈んでいく。
目を開ける。時刻は午後9時を回っていた。
魔法、スキル解禁まであと3時間。ちょっと寝過ぎた。
みなみからアホほど、着信が来ていた。
先にシャワーだけ浴びるか、みなみに電話するか迷ったが先にシャワーを浴びる事にした。と思ったらみなみから電話が来た。
「なんだよ、なんか用か?」
「いつ迄寝てんのよ!リーダー以外みんな食堂にいるのよ。作戦会議やるから早く来て!」
「シャワーだけ浴びたら、あっ切りやがった。」
取り敢えずすぐに、食堂に行く事にした。
エレベーターに乗り2階のボタンを押す。ここは俺のアジトで、俺の家でもある。俺の家でエレベーターを使える事に今、幸福感を覚えた。
食堂のある2階に着くとその広さに驚いた。明らかに5人では広すぎる空間がそこにはあった。
「あっ来た来た!ちょっと!食券なんて見なくて良いから早く座ってよ!」
「お前らも飯食ってんじゃん!俺も腹減った。」
凄いメニューの多さだな。えーっとじゃあ、カツカレーにしよ。
カツカレーの食券をキッチンのCPUに渡すと、秒でカツカレーが出てきた。
「早いなっ!」
席に着くと食べる間もなく作戦会議のスタートをみなみがきった。
「あと、3時間で戦争が始まるのよ。何呑気にカツカレーなんか食べてんのよ!」
「お前だって、牛丼とラーメン食べ終わってデザート食ってんじゃん。口にクリーム付いてんだよ!」
「取り敢えず、スマホに表示されている国は俺達を覗いて4つ。つまり、近くに4つの国が存在してるって事だ。だいたいの場所は分かるがまだ、所持しているポイントは表示されていない。人数もな。」
呆れたように隆史が仕切りだす。
「総ポイントの低いほうから高い方へ宣戦布告できるんだよな?なら、一番低かったら宣戦布告されないんだろ。いっそポイントで魔法買いまくってポイント下げれば良いんじゃね?」
浩二らしからぬ、まともな意見だな。
「そんなの駄目よ!勿体ない。」
そんなまともな意見を1蹴りするみなみ。ポイントで魔法買いまくれるの霞だけだろ。まぁリーダーにポイント集める事が出来るから、俺も買いまくれるけどな。
「ポイント減らさなくてもすでに、1番低いかもな。」
俺は本気でそう思っている。
「始まってみないとわかんないね。」
結局たどり着くのはそこなのね。
「この中で所持スキルがゆいと、殺し屋だけ分かっていない。知っておいた方が良いだろう。お前のスキルはなんだ、殺し屋。」
「殺し屋ではない。貴方を殺してと依頼されたら迷わず引き受けるけど。私のスキルはたいしたモノではないわ。先読み。一定時間特定のプレイヤーの動きが読める。」
この間全く視線を外さない隆史と霞。
「ゆいのスキルは?」
重い空気をみなみが切り裂く。
「私は、敵感知。スキル発動から目を閉じてる間、近くにいるプレイヤーの場所が分かるよ。使った事ないからあんまり分からないけど。」
そのスキルは、この争いにおいて結構使えそうな気がする。
「俺、今気付いたんだけど、全員がどこかの国に入ってるっ事はこれ以上自分の国の人数は増えないんだろ?5人だけの国って少なくない?100人の国に攻められたら勝てる気しないんだけど。」
戦争開始の時刻になればソロのプレイヤーは居なくなる。俺が言ってる事に間違いはないはず。
「いや、国の人数を増やす方法ならある。スマホの説明欄にも書いてあるが、相手国に負けそうになった場合、降伏宣言をする事で相手国の傘下に入る事が出来る。降伏宣言は拒否できないらしい。」
そんな、説明どこに書いてあるんだ。
「つまり、相手を降伏させれば、俺らの国はポイントも増えて戦力も増えるって事か。」
珍しくちゃんと話を聞いてる浩二。
降伏の説明は、神の遣いがするべき重要項目だろ。