僕らの日常シリーズ7
七人目
『音娘コンビ★二人の悲劇?へん』
「そや~」
暫くすると、音葉は、何か考えついたようで、アオに目線を合わせニヤリと一言こう呟く…
その瞬間、アオの背筋だけじゃなく、俺とキイの背筋も冷たいものが通過した。
大体音葉が『こう言う言い方』をする時は、アオにとっても、下手を打てば俺達も道ずれで、ろくな事にならないのだが…
うん……やな予感がする…
「せや~そんなら私教えよか?勉強~」
ほっ?
マジか!~!
その思いがけない言葉に、俺とキイは思わずガッツポーズを小さくとり、アオがみるみる氷つく…
まっ…俺達はこいつら曰く、ある程度甘やかすらしい?
が、音葉はそうはいかないだろうしな…
その辺りはラッキーダゼ‼️
いや…
ちょっと待ってよ?
その辺りは有難いが…
最終的に火の粉がこっち(主に俺)にふりかからん事を俺は切実に願う…
「激しく遠慮する」
アオは最大限の抵抗を見せるものの…
「せやそうしょ~資料もあるし…」
やる気満々で、完全にスパルタメニューで頭がいっぱいの音葉の前には、なすすでが無いらしい…
「因みに…俺に拒否権は?」
「そんなん無い!」
『NOOOO!~』
その一言でアオが雄叫びをあげ、玉砕した
これで決まったな…
アオの地獄の日々が…
と、俺が思っていると…
その横で、初音が何か考えついたようで、
『ポン』と手を叩いた…
その瞬間、キイが窓際に追い込まれた…
うわ…こっちも、やな予感しかしないな…
「キイ君~免許とるならまず、お金必要ですよね~うちでバイトします?短期ですが~」
もう、既に免許をとりに行く方向になってたようで、初音はスローなテンポでそう言いのけた…
余談だが、初音の家は代々続く土建業の家系で、初音も現場で雑用の手伝をしたりしてるのである…
「流石に土木作業は可哀想なので~その他であるか聞いてみますね~確か雑用のお仕事あるって父が言ってましたから~」
「あ…あの~」
「因みに、拒否権は無いですよ~頑張りましょうね~」
そう捲し立て、頑張るポーズをとると、初音は、携帯電話で社長である父と話を始めた…
「もしもし?父ちゃん?前に言ってた雑用の短期バイトまだ募集しとる?うん!そ、それな?雑用バイト、黄瀬君おったっしょ?免許取りたいから、短期でやりたいんだって~ええ?」
初音は社長さんである、父親の前だと、元からのなまりが出るようで、このように話す…
俺達と、付き合いが長いせいかここん所はオープンである…
因みに、こいつらは基本俺達を『男子』の枠には入れてない…
と、俺が、考えてると、何やら話は終わったようで…
「ありがとう!じゃあ、2日間ね?了解~」
ポチっ…
「では、期末テスト明けの土、日宜しくです~」
そう言うと、初音は微笑み、キイが…
「NOOOO!」
その瞬間、崩れ落ちた…
因みに余談だが、その他の仕事とは、およそ30人近く居であろう、寝泊まりしてる従業員の、細かな雑用で、そっちの方が外仕事よりもよほどキツイらしい…
しかも、時期は夏休み前の熱い時期…
キイの体力を思うとこちらに火の粉がふりかからない事を切実に願うな…
チーン
そして、そんな光景を見ながら俺は、俺の最も苦手な人物と目が合う…
星音…
俺達の付き合いは、実はこの女子2人より少しだけ長いのだが…
それは又後日…