僕らの日常シリーズ3
3人目『ある種の才能~アオ編~』
ある晴れた5月の終わり、公立『渡良瀬高等学校』
の……1年5組の教室の放課後、そこでは、学年トップなのに、体育は最下位のキイと、周りからはいつも何故か、感謝される、俺の二人が、
ありふれた?
会話を繰り広げてた……
イヤ…
訂正しよう…
『ありふれてない会話』
だろう…
まあ、俺達からすれば『日常』のひとコマなのだが…
どうも、マヒしてしまうのは、この資料の持ち主のカスカスすな脳ミソにあるに違いない…
そう、俺が感じてると、資料を作成しながらがキイが…
「アオが居ねえとなんか変な感じだなあ~……」
と…ボケの相方称アオの名を言った…
その言葉を聞くと、資料作成中の俺が、首をかしげた…
その、相棒のお陰で、俺達はこうして、残る羽目になったのだが、当の本人は、と、言うと…
「そっか?まあ…今日は良いんじゃね?それに確かあいつ今日、陸上の男女合同演習だっけか?すげ~よな体力だけは…」
『だけ』
の部分を強調して言う俺にキイも思わず頷く…
本当に…ガチで感じる…
「……陸上及び体育系のもの全般はプロ並なんだがな…」
そのキイの答えに俺は思わず自分達の作成したたった今完成したての資料を見つめ、キイがため息をもらし…
「その力の一割で良いから勉学の才がありゃな…」
と、呟いた…
キイがそう言うと、先生に懇願されて、二人で作成した、その資料を俺がため息まじりにみつた。
「あいつ…絶対頭の中まで筋力で出来てるよな…あるいはカスカスのどちらかか…」
俺がそう呟くと、最後の資料をおいて、キイが手を挙げ、椅子に腰を下ろす…
「俺、筋力に力そそがれ過ぎて、カスカスになった方に一票~」
「俺も…」
俺も、そう言うと、隣に腰をおろした。
そして…
『はあ…』
と、題名を見つめて、ため息をついた…
因みにその資料の題名は…
『中間試験対策用資料(アオ用)』
しかも部門ごとにほぼ答えがのっているので、赤点はとりようがない…はずである…
うん…
はずだ…
「これで赤点だったらマジすくえねえぞ…」
キイが深くため息をつく…
今までの奴の成績を考えると、赤点が無くなる確率はこれでも五割だろう…
「…確かにな…英語小テストの次の日に担任に、「今回の中間テスト手作り資料なら持ち込み可にすっから解りやすく頼む~」って頭さげられちゃな…」
担任は、初めての生徒指導担当一年目の中堅らしいが、よほど、びっくりな点数だったのだろう…
冗談で、やってるのかと思って、呼び出して、アオに
『真面目にやれ』と、言ったら『真面目にやりました!』と、逆に言われたそうだ…
言いきる奴にも脱帽だが…
この担任もなかなかな強者っぽいな…
因みにアオは、推薦で入っているので、勉強はいっさいしていないに等しい…
はっきりと、言おう…
推薦もらえたのも論文書けた事も『奇跡』とさえ俺達は呼べる…
何故なら奴は…
小学生~現代まで一桁の数字もしくは、赤点ギリギリしか、とった事が無いのである…
因みに今回の英語の結果は…
「…ある意味奇跡だよな…授業で出た内容まるまる出て、しかも黒板にほぼ答え書いてあってもなお…」
「百点満点中、5点じゃな…因みに俺百点…」
そう…
我がクラスの平均点が85点となった最大の原因が奴の5点なのは明白である…
「俺だってそうだってぇの…」
因みにクラスの9割は同じ点数だったそうだ…
やれやれ…
と…言うことはだ…
『…今回も諦めるか…』
と…ため息をひとつもらし、俺達はしょうがないと、言う風にやれやれのポーズをとった…
これは、この時期毎回くりひろげられる恒例行事なのである…
お陰で幸か不幸か俺達は予習復習も完璧なため、学年上位をキープできるのである…
まったく、変な棚ぼたオプションである…