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101番目の百物語異聞  作者: サイトウケンジマンA
1/5

章前:語り部の言葉

ライトノベル「101番目の百物語」の続編、

「101番目の百物語異聞」です。

以前に同人誌として出したものを掲載しております。

◆"AfterSchool-ClassRoom"


 私の友達の友達が実際に体験した話なんですけど……。

 ってまたまた、なんですか? その『なんか久しぶりに始まったよ』みたいなお顔は。

 確かに久しぶりかもしれませんけど、その間にも色々あったんですよ? いやー、ほんとに色々ありましたとも。それを貴方にお話できなかった、というのがこんなに心苦しかったのは大変だったんですから、もう。

 

 さておき、そんなことより! そう、都市伝説ですよ、都市伝説!

 

 うわー、露骨に嫌そうな顔になりましたね。さては『どうせ嘘っぽい適当な噂なんだろこいつー』とか思ってません? 違いますってば。本当に、友達の友達が体験したお話なんですってばー。貴方が体験できないのは、私の友達だからですよ。むしろ守ってあげていると言っても過言ではないので、もう少し私に感謝してくれてもいいんですよ?


 さて。そんな貴方の態度とはまるで無関係に語ってしまいますと、今度の都市伝説は、かつて大活躍したあの『101番目(ハンドレットワン)の百物語』が帰ってくるというお話です!


 わ~! ドンドンドンドン! パフパフ!


 おや、あんまり乗り気ではありませんね? 好きでしたよね、あのお話。ほら、モンジとかいう本名、一文(いちもん)()疾風(はやて)っていう男がハーレムを作った話です。


 あれ、リア充は爆発した方がいい? まあ、そうですね。彼は本当に上手いこと、ヒロインたちと仲良くしたまま終わりましたからねー。あんまり巷に出ているライトノベル、通称ラノベでは見ないですよね、ハーレム作っちゃうの。じゃあフラれた女の子たちはどうしているのでしょうか? みたいな意見もあったりしますよね。


 ちなみに現実だとその女の子はフラれたという素敵なほろ苦い思い出にして、さっさと次の男に鞍替えします。それはもうあっさりと。『あの時の俺はモテていたから、またあの子に……』とか思って勿体無く感じても、とっくに別の男に胸をドキドキさせて『まるでこの恋……初恋みたい……!』とか言うくらい薄情なのでご安心ください。フラれたのにいつまでも好きでいるとかはストーカーになっちゃいますしね。それでいいんですよ、世の中は。


 でも、なんかヒロインを一人に決めるのが嫌だ! 選ばれなかったヒロインたちが可哀想だからハーレムものは嫌いだ! なんて意見もちらほらとあるみたいですね? まったく、贅沢な注文です! というか普通はモテモテでも一人に絞るものなんですよ! それなのに二人同時が素敵とか、みんなとイチャイチャとか、むしろ主人公以外は男を出すなとか、そんな自己中心的な注文もあるくらいです。そういう無茶言うならいっそお前がその物語を書いて発表してドヤ顔をしてみろー! って感じですよね!

 

 おっとすみません、うっかり熱く語ってしまいました。ああ、いえ。私のような語り部としましては、そのようないわゆるネット意見に負けずに、主人公たちは面白い話をバンバン体験してくれればいいなーと思っているわけです。はい。


 ここまで熱く語っているのですから、聞いてくれますよね? なんせ久しぶりですものね? いいですよね? ね?


 うん、よろしい。それでこそ私の選んだ友達です。


 さて、そんなこんなで今回はそうですね……モンジの物語の外伝と言いますか。また違ったお話と言いますか……。ぶっちゃけ、まるで『つづく!』という感じに終わっていますが、続かないはずのものなので安心してお楽しみください。ただ、今まで私が長々と語ってきた『101番目の百物語』を知らないと、流石によく解らない物語になっていますので、そこのところはご注意ですよ?


 ん? 誰にこんな話をしているかと言いますと、貴方は私のことを知っている友達なのか、それとも私を忘れた友達なのか、全く知らない友達なのか解らないからです。


 そう、今回のお話はそういう、本当にここはどこなのか。そして貴方は誰なのか。私は誰なのか……みたいなちょっと奇妙なお話となっています。ついでに言うと、登場する女の子たちもちょくちょく恥ずかしい目に遭ったりします。


 おっと、早速食いついてきましたね? いいですよ、やっぱり本能には忠実に従うべきだと私も思います。お腹が空いたら食べて、眠くなったら寝る、それが人間らしい営みであり、生きる使命なのです。決してダイエットがつらいから言っているのではありませんから、そこのところは要注意です。いえ、太って見えないかもしれませんが、最近はちょっぴり胸の辺りがきつくなって、ですね……チラ。みたいな。

 

 こほん。ともあれ『101番目の百物語』では全女の子がフラれなかったので、彼女らはみんな今でも幸せそうにしています。嫉妬で燃え狂ったり、嫌がらせをしたり、悪い噂を流して陥れようとしたりもしていません。強いて言えば妹の位置を誇る従姉妹がずっと他の女子に対抗意識を燃やしているようですが、『一緒に住んでいる』というアドバンテージがあるからか、少々優位に立っている気分でいるようですね。


 今回のお話はそんな従姉妹が出会ってしまった都市伝説の話からスタートします。とはいえ、それはほんの触りの事件です。本当の事件はその後、モンジにこっそりと這い寄っていたのです……!


 さあ、それでは――。


『101番目の百物語異聞』、始めたいと思います!


※作者のひとりごと的な何か

シリーズを通してこの「語り部の少女」というのはテンションの高い性格ですが、彼女こそが「101番目の百物語」作中で「三枝さん」と呼ばれていた人物です。

そして聞いているのはその友達である誰か(おそらく男子)という設定です。

彼女自身も「友達の友達」という都市伝説であり、あらゆる学校に「三枝さん」と呼ばれる少女がいて、友達に都市伝説を語っている……という存在。

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