第七話 特攻野郎の熱き団結、忍メイド戦隊出撃せよ
「ちょっと、どこ行くつもりよ!」
庭に出て歩き出す優種を、慌てて静止する槙菜の表情は固い。
「決まってるだろ。礼桐さんを助けにいく」
「なんにもできないくせに、行ってどうなるのよ! あんたはここにいなさい。私が行くから」
「けど、槙菜だって戦い慣れているわけじゃないだろ」
「それは……」
槙菜の震えを見逃さない優種。
二人はそこでお互い立ち止まって、動きを止めてしまった。
「これを使うがよい」
いつの間にか庭先に現れた氷雨が、優種に短い錫杖を突き出す。
「これは?」
「お前にお館としての力があるなら、この錫杖はメイドたちを守るじゃろう。お館親征時には必ず持っていく、天子の証じゃよ」
「げ、お館様!? なんでここに」
大分遅れてその存在に気づいた槙菜が、自分の口元を押さえて非礼を隠そうとしたが、それはあまりにも遅すぎる行為だった。
それにまるで反応を見せぬまま槙菜のほうを振り向く氷雨は、突然にやりと笑みをこぼす。
「その錫杖はお館とメイドのらぶらぶ度次第で力を発揮し、メイドを守るじゃろう。お前はその資格が十分にありそうじゃの」
「なななななな!?」
顔を真っ赤にして動揺する槙菜は、すぐに優種のほうを向くと、がっしと肩を強くつかんでいた。
「いい? 変な勘違いするんじゃないわよ。お館様の言うことはノーカンなんだからね」
なにがどうノーカンなのか優種にもわからないが、気圧されるようにそれにうんうんと頷く優種。
しゃらんと先についた輪が揺れると、静かな里に物悲しげなメロディが響き渡った。
「しょうがないわね、私もつきあってあげるわよ。あの馬鹿礼桐、いっつも一人でなんでもやろうとするんだから」
振り返ると、そこには千代丸の姿があった。
その横にはドピンクのうさぎ、そしてパステルピンクのメイド服を着た藍々もいる。
「千代丸さん、けもや藍々も。というか、千代丸さんって役に立つの?」
「あんたねえ、そろそろ一回本気で焼きいれるわよ。私たちは最強の戦闘集団、忍とメイドの複合体、忍メイドなのよ。どんな仕事だって、戦いでも庭の草むしりでも、あんたの三千倍は役に立つわ」
得物の太い棍棒を構える千代丸の姿に、優種は知能が低そうな一つ目の巨人が暴れる姿を思い浮かべずにはいられなかった。
見ればうさぎは巨大なハンマーを抱えていたし、藍々もマシンガンを一丁手にしていた。
「けももご主人様のお役に立つよ! しっかりガードしてあげるからね」
ボードを示して、わざわざペンライトでそれを照らすけもは、自分の胸をどんと叩いて、その衝撃に自分で胸を押さえて苦しむ仕草を見せた。
「私も少しは役に立ちますぅ。おともさせてください、ご主人様!」
偽物同様甘ったるい声で喋る藍々は、じゃきっと銃口を優種のほうに向けたので、優種は慌ててそれから逃げようとする。
気づいた藍々は銃口を横に向けたが、それがまた避けた優種のほうを向いたので、二人は狭い道で譲り合う自転車同士のような気まずさを覚えて、しばし照れくさそうに見つめあった。
「もう、みんなどうなっても知らないから! そんじゃ行くわよ馬鹿優種」
そんなやり取りに耐えられなくなったのか、槙菜は優種の首根っこをつかむと、ずるずると引きずるように南の山のほうへと歩き出した。
それにぞろぞろと続く千代丸と、ダブルピンクの二人。
その背後で、氷雨が去っていく後ろ姿を見送っていた。
「全く、若いちゅうのはああいうことなんやろうなあ」
その横にいつの間にか立っていた多苗は、腰を叩きながら老人のフリをしつつ、多少すれた目で一行の姿を見送る。
「まだ若い娘がなにを言うとるか」
「はいはい、じゃあ若さを証明しにいってきますわ。こっち残っとったらまとめてババア扱いされそうやし」
最初からその気だったのか、くるくると片手の指先で畳くらいのサイズはある透明なアクリル板を回す多苗は、遅れて優種たちが去ったほうへと歩いていった。
ついに一人になった氷雨は、ほっと一息呼吸を吐き出すと、それでも全員の姿が見えなくなるまで、それをずっと見守っていた。
「これで獅子が目覚めるはずだ……強い子に育ってくれて嬉しいぞ、優種」
礼桐は一人で忍者刀を背負うと、部屋で一人佇む優種を一目だけ見てから、黙って背中を向けた。
向かうのは朝優種を案内した、あの南の小山だった。
掃討した式神はすでに姿を消し、その場所は夜のしじまに包まれていた。
いや、そうではないと礼桐はすぐに気づく。
何故ならそこには動物の気配や鳴き声がない。別の者がいる。
礼桐は背中の忍者刀を引き抜くと、その刀身が月明かりを浴びて光るのを確認してから、地面に接した足を踏ん張り、一気に跳躍した。
そしてくぐり抜ける結界の割れ目から、外へと躍り出る。
「待っていたよ……そろそろ来ると思っていたんだ」
舌なめずりして待ちかまえていた女鬼は、やせ衰えた姿を薄い布で辛うじて隠すだけで、赤い肌を限界まで晒していた。
額に鋭い角を有する女と、対になる青い体の鬼は男であり、その体は分厚い筋肉に包まれている。腰布一枚の姿で仁王立ちする姿は精悍だった。
「式神使いの使い魔程度が。これだから鬼の一族はしつこくて困る」
礼桐は吐き捨てるように言うと、その赤鬼に剣先を向けて構えを取ったが、すぐに周囲に満ちる気配に気づき、眉を迫り上げる。
そこには無数の瞳が光る。
邪悪に歪んだ小鬼の群れは、感情を一切示さない表情で、小型の体を一斉に跳躍させた。
「くっ! この数、式神使いが傍にいるのか。だが、それこそ望むところだ!」
礼桐は全方位から向かってくる無数の鬼を、一閃で凪ぎ払う。
だがあとからあとから迫ってくる小鬼は、一体一体はひ弱ながら、すれ違いざまに礼桐に傷を負わせ、そのメイド服を切り裂いていた。
相手にしきれず走る礼桐を追って、斬った数の三倍の敵が現れる。
それをまとめてまた叩き斬っても、敵の数は減るどころか増えていく一方だった。
「いやらしい術を!」
「一人でのこのこと出てきたあんたが馬鹿なのさ。あとは時間の問題だよ。たっぷりいたぶってやるからね! 女の恨みは怖いんだよ!」
高笑いする赤鬼は、自分からなにをするでもなく、ただ礼桐を追尾して罵りの言葉を浴びせ続ける。
実際に攻撃に向かってくるのは小鬼ばかりだ。
「くっ、腕が折れても、お前たちをこれ以上ご主人様の元にはやらん!」
それがなんの根拠もない空威張りだと知っていても、不器用な礼桐は他に方法を知らなかった。
不意にバシン! と音を立てて、周囲が光に満たされた。
その明かりに上空を見上げる鬼たち。
「あれは、光撃の光。れもが来てくれたのか……」
その光源が上がった小山の上に、一つの影が浮かぶ。
それは薄いピンクのうさぎのシルエット。
その肩に巨大なバズーカを背負い、月明かりをバックに立つ勇姿は、無言のままでなにやら決めポーズを取っているように見えた。
「うさぎのぬいぐるみが、なんの用だい!?」
「あれは着ぐるみだ」
青鬼がぼそりと呟くと、その背中を赤鬼が細い腕で激しく叩いた。
「どっちでもいい! おいお前ら、半分はあれをやってきな!」
赤鬼の指揮で動く小鬼たちは、分散してそれぞれに礼桐とうさぎに飛びかかった。
礼桐はそれに刀を構えて応じる。
光源を得たことで、動き回る小鬼の軌道を完全に見切った礼桐は、素早くそれを斬り捨てていく。
うさぎのほうは、飛びかかってくる敵に対してやや斜めに構え、ただ首の後ろで背負ったバズーカに手をかけていたが、いよいよとなるとその片腕を上げ、ぱちんと指を鳴らす。
その合図とともに、夜空に浮かぶ光撃と呼ばれる光源は、一気に針のようなレーザー光を放射する。
そのシャワーを浴びた小鬼は、苦しむ間もなく瞬時に消滅すると、元の紙片、護符のかけらとなってひらひらと地面に落ちていった。
「くっ、なんてこった。あの光に近づくんじゃないよお前たち!」
だが、その命令を発する赤鬼の傍に、もう礼桐は接近していた。
「!?」
「次は許さんと言ったぞ!!」
渾身の一撃に、赤鬼は顔から首筋を大きく斬り裂かれる。血飛沫が飛ばないのは、その体が実体ではないからだ。
だが確実にダメージを受けた赤鬼は、自身の傷を押さえて怯んだ。
取った! さらに踏み込んだ礼桐が必殺の気合いをこめて刀を突き出す。
だがそれを巨大な金棒で受け止めたのは、朴念仁のように突っ立っていたはずの青鬼のほうだった。
「くっ、こいつ……」
礼桐は背筋に寒いものを感じていた。
こいつには勝てない!
戦士としての本能が、頭の中で目一杯にアラートを鳴らしていた。
だからといって下がるわけにはいかないのだ。
礼桐は勇気を奮い起こして刀を引き、そして瞬時にまた叩きつけたが、それを容易に受け止める青鬼は、金棒を振り回すと激しい一撃を礼桐に打ち返してきた。
「きゃぁぁ!」
女らしい悲鳴を上げて、吹き飛ばされた礼桐が地面にしりもちをついた。
転がる忍者刀に手を伸ばそうとしても、その手は痺れて満足に動かない。
「ふははは、いいざまだよ女ぁ! ぎたぎたにしてぶっ潰してやる!」
高笑いする赤鬼が青鬼の前に出る。
終わった。
礼桐は観念して目を閉じた。
が、それを破ったのは、礼桐と赤鬼の間を駆け抜けていく形で撃ち出された、銃弾の雨だった。
礼桐は呆然と、それが自分から逸れるのを見た。
馬鹿笑いする赤鬼を後ろから引っ張って、射線から逸らしたのは青鬼だ。
「ちょっと藍々。メイド長に当たったらどうするのよ、危ないでしょうが!」
「ひええ、つい撃っちゃったんですよぉ」
小声で語り合う二人の前に出た優種は、場を取り繕うため大きく咳払いをした。
「あ……」
「あぁん?」
礼桐はその顔に涙を目尻まで浮かばせた。赤鬼は信じられないものを見たという顔をした。
そう、そこに立っていたのは。
「闇夜のカラスは黒さで見えない。人の悪事も人には見えない。そんな悪事の種を、根から枯らして五人旅。メイド戦隊、ここに見参!」
声を張り上げて、残る光撃のスポットライトの下で、優種が決めポーズを取る。
その横で一番最初にノリよく応じたのは、けものドピンクうさぎだった。
千代丸はその口上をあからさまに馬鹿にしながら、自然と攻撃体勢を取っていたことで、知らずそのポージングに参加していた。
遅れて藍々もそうしなければいけないものなのかと、鬼たちにすごむためポーズを取る。
結局最後に呆れ顔をしながら、槙菜もそれに応じて、その茶番のような決めポーズが決まった。
「メイド戦隊ってなによ」
それが唯一の抵抗の言葉だった。
それを呆れながら見ていた赤鬼は、いきり立って地面を思い切り蹴る。
「あんたらの馬鹿も極まったね! まさかそっちからお館候補を外に出すとは、思いもしなかったよ。だけどいよいよこれで終わりだ、やれ、鬼どもぉ!」
遠吠えの狼のように激しく赤鬼が夜空に叫ぶと、無数の小鬼が、まるで蜂のように周囲からさらに飛び立ち、優種たちを取り囲んだ。
「敵の数、およそ二百、細かい数は数え切れません! 敵が七分に空が三分ですぅ」
「こいつらはさらに増えるのよ! 気をつけて」
「やれやれ、んじゃけも。あんたにボンクラ主人の世話は任せるわよ」
藍々、槙菜、千代丸の三人は、素早く跳び上がると、それぞれに手にした得物で攻撃を開始した。
藍々はマシンガンを斉射して、空中を飛び交う小鬼を殲滅する。
それに漏れた小鬼が突進してくるところを、槙菜の拳銃が立て続けに始末した。
それでも銃弾の雨を乗り越えて接近してくる鬼を、千代丸の太い棍棒の一振りが吹き飛ばす。
ヴンヴンとそれを振り回す千代丸の動きは、端で見ていても恐ろしいものがあったが、本人は涼しい顔で、それも実に自然な動きでそれを行っていた。
優種は素早く礼桐の元へと駆けつける。
それを阻むように立ちふさがる赤鬼の前には、ドピンクのうさぎ、けもがハンマーを構えて応じた。
「この、またうさぎかい!?」
ちちちっ、カモン……?
指先で挑発するけものハンマーと、赤鬼の細めの金棒がぶつかりあう。
「礼桐さん。無事だった?」
「何故来たのです!? 貴方の命が狙われているのですよ!」
「だからって礼桐さんが出ていってどうにかなる問題じゃないし。礼桐さんはちょっと頑固すぎるよ。戦うならみんなで戦おう。俺なんの役にも立たないけどさ」
「ご主人様……」
涙をはらはらとこぼしながら、礼桐は優種が拾い上げた自身の刀を受け取った。
その背後から、ぬっと忍び寄る青鬼。
「お下がりください、この男の相手は、私がします」
「けど、礼桐さん怪我を……」
「はいはい、怪我人はこっちやで」
ぐるぐると指先でアクリル板を回す多苗が、やっとその時戦場に到着した。
優種はその珍妙な姿を見て、この人は大道芸でもやっているのだろうかと考えた。
が、それは一瞬後にはすぐ否定されることになる。
指を離して飛ばす透明の板は、ざっくりと礼桐と優種の前の地面に刺さり、そこに振り下ろされようとしていた青鬼の金棒の一撃を防ぐ。
「これは簡易結界の一種や。うちは戦う能力持ってないからな。そういうわけやから、みんなご主人様の心配はせんでええで。あんたはうちの傍におり」
どう見てもただの弱いアクリル板にしか見えない壁に阻まれて、青鬼は狂ったように筋肉を張りつめさせて金棒を振り回すが、それを破ることはできなかった。
その結界内に入ってくる多苗は、すぐに礼桐の体に触れた。
「あのー、俺はこれからどうすれば」
「あんたはおるだけでええんや。その錫杖、鳴らしときぃ」
「それは、お館様の錫杖……くっ!」
多苗の体から放射される気を浴びて、礼桐の体が乳白色に光る。
それまで不自由そうだった動きが、不意に軽くなった礼桐は、立ち上がってスカートのお尻をはたいた。
「ありがとう多苗。それにご主人様も、覚悟を決められたのですね……」
「え? んーまあ覚悟というか。とりあえず礼桐さんを見殺しにはできないから」
「ならば私が全力で貴方をお守りいたします!」
復活した礼桐は、力強く忍者刀を握りしめると、簡易結界の外に出て、そこに群がろうとする小鬼たちを、再び大きなラインを描く攻撃で次々と斬り捨てていく。
それを見上げる優種は、興奮して思わずしゃらんと錫杖を鳴らしていた。
「ちょっと、そろそろこっちにも援軍ちょうだ……!?」
千代丸がぼやきかけた瞬間、その体が黄金色の光に包まれる。
それは徐々に押され始めていた槙菜や、半泣きになってスカートをめくられまくっている藍々も同様だった。
「これ、なに?」
「ふぇえぇぇ……なんか光ってますぅ」
「ん? これが錫杖の力ってやつか?」
それを確認した優種は、思い切って錫杖をしゃかしゃかと楽器のように振って、連続で金属音を立てた。
「き、きたきたきたぁぁ!」
「これは……この体の奥から湧いてくるような力は!?」
全員の体が黄金に光り輝いて、まるで全裸のように表面を曖昧にしていく。
中でも槙菜と礼桐のオーラの猛りは凄まじく、髪を逆立てるほどに激しく光っていた。
その中で槙菜は、いつしか両手に二丁巨大な砲身を持つガトリングガンを生みだしていた。
礼桐の忍者刀も、いつしか巨大な日本刀へと変化する。
「いけるわ! みんな下がって!!」
槙菜が跳び上がると、両手をまっすぐに広げながら、くるくると回転してガトリングガンを掃射する。
その攻撃に、次々と弾け飛び散っていく小鬼たち。
礼桐が巨大化した日本刀を一振りすると、刀が触れていない敵まで一気に斬り裂いていた。
それを止めに入る青鬼に向き直る礼桐は、気合いとともにその金棒を引き裂き、青鬼を後退させる。
「ちょっと、パワー配分があからさまに不公平よ」
「知らないよ、そんなこと言われても。あれ……あれ、あれ」
くらくらと立ち眩みを覚えて、優種はその場にへたりこんでしまう。
「しょうがないな、らぶ指数の差や。うちらは槙菜や礼桐に比べたらポイント低いから」
「ちっ」
千代丸は見るからに不機嫌になっていたが、それでも振り返り、礼桐と槙菜の掃討から漏れた小物を叩きに行く。
ガツンと棍棒で粗雑に攻撃する千代丸の戦い方は、彼女の性格を表すようにアグレッシブなものだった。
「多苗さ……俺のことも回復して」
優種は地面でへばっていたが、それに多苗は同情を寄せはしても、あえて救出に向かおうとはしないでいた。
「それは無理や。うちの力では体力は回復できても、主の力は回復できへんもん。あんたいきなりパワー使いすぎたんや。もうちょっと控えめに振らな、錫杖」
「そ、そうだったのか……」
がくりとうなだれる優種は、しかしすぐに茂みから姿を見せる何者かに目を向け直す。
「誰だ?」
その声に応えるように、ギラリと無数の目が光る。
「まだこんなにおったんか!」
複数の目が一気に茂みから飛び出すと、簡易結界に体当たりをかましてくる。
その向こうで、地面にしりもちをついている優種と、多苗がおののく。
「今までの小鬼とちゃう、これはやばいで」
デッサン人形のような四肢を持つそれは、結界に向けてひたすら蹴りと突きを見舞う。
体が破壊されることも厭わない無心の攻撃は、結界に徐々にひびを入れ始めていた。
「くっくっく……いいざまだな。お館とメイドどもめ。このボクの戦略に見事にはまってくれてありがとう」
茂みの奥から最後に姿を見せた黒服の少年は、顔を自身の手で覆いながら、今にも破壊されようとしている結界の前に、その姿を現した。
「こいつが、親玉の式神使いか」