朝食にて
ハズキは、寝ぼけた足取りで後部座席に移動する。
車は、キャンピングカーとなっており、
ベッド、簡易キッチンや、シャワーが完備されている。
机の上に、朝食が用意されている。
用意されているとはいっても、レトルト製品である。
レトルト製品といっても、栄養、味ともに一級品であり、
ハズキは、日頃からよく食べている。
「ハズキ、一つ聞きたいことがあるのですが。」とアイリスが聞く
「何。」
「これから行く施設で合うことになっている、ナグモ教授とはどういった方なのですか?
生物学でかなりの業績を残されていることは知っていますが。」
「う~ん。一言で言えば変わり者かな。まぁ、会えばわかるよ。」
「アオキ教授の事は、どの程度ご存じなのでしょう?」
「まぁ、昔から、アオキ教授と付き合いがある唯一の人物らしいよ。」
「それは知っています。だから会いに来ることを選んだんです。
そうではなく、アオキ教授が無くなった原因についてです。」
ハズキは無言になる。
今回、施設を訪れることにしたのは、数か月前に亡くなった
アオキ教授について聞きたいことがあったからだ。
正確には、アオキ教授がなくなる前に見つけた”何か”が何なのかを知りたかった。
前にメールで問い合わせた時に、直接お話ししましょうと返信が来た。
ナグモ教授とは、3年ほど前に会って以来だし、
気分転換も兼ねて会いに行ってみようと思い、遠出することを決めたのだ。
朝食が食べ終わり、食器を片付けながらハズキが言う。
「やはり、朝は和食に限るね。」
不満そうな顔をするアイリスだった。






