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第六話 思惑があるその上で

 投稿が遅くなり、本当にすいません!

 活動報告にも載せましたが、幾つかの話を改稿しています。

 三月より後に編集されてる奴は大体全部そうです。



 不覚を取った。

 その一言では済まされない後悔と自罰の感情が、菖蒲の内側を渦巻いていた。

 いっそ激情に身を任せて暴れられればいいのだが、彼女の体格を優に超える男二人による拘束がそれを許さない。


「は、離してください!」


 そして、そんな自分より淑やかである一姫がそれを逃れられるはずもない。別の黒い服装の男が、逃れようとする一姫の力に劣るようには見えなかった。


 ――情けない。

情けない情けない情けない情けない――


 お嬢様に身命を賭して忠誠を誓ったこの身が、何よりもまず先に地に付しているこの状況が、ただひたすらに情けなく。

 いっそ周りの男共々、自分自身を殺してしまいたい――ッ!


「姫様。いい加減御戯れもそこまでにして頂きたい。あなたが本家を出られたことで、心を乱された方がどれだけいっらしゃるか……」

「そんな、見え透いた嘘を……! あの人たちは、真里谷というわたしの名前と顔だけでしょう!?」

「……そんな訳ないじゃありませんかぁ。かくいう私も、どれだけ御身を心配したか……」

「それこそ――ッ!?」

「……あぁ、もう。うるせえな」


 男の気配が変わった。巌のように固まっていた表情が苛立ちに揺れ始め、扱いも乱暴になっていく。

 先ほど、唯一自由だった口も拘束された。おかげで獣のような唸りしか出せないが、それでいい。人の身を止めてお嬢様を守れるならば、喜んで人を辞めよう。どこへなりともこの身を捧げよう。


 だから、今は――


「……おい、そこの女は好きにしていい。どうせ死ぬんだ、痕が残ろうが関係ないだろう」

「いやッ、あやめ! あやめぇえ――!」


 菖蒲を拘束する男二人の手つきが変わる。強く押し付けるようにから弄り撫でまわすように。

 悍ましい。吐き気がする。いや、今はそれよりもお嬢様だ。あれだけ涙を流されている。早くお助けせねば。

 僅かに緩んだ隙を狙って伏せた態勢から駆けようとする。が、地面につこうとした手が背中の方から離れず、顔が勢いよく地面を擦った。


「くはっ。見事なヘッドスライディング! この女、だせぇ」

「あんまやんちゃしてると、綺麗なお顔がキズモノになっちゃうよ?」


 お嬢様が視界から消える。残ったのは両の頬を強く抑える感触と、無理矢理見させられる下卑た顔。血祭りにあげたい。視線で殺せるならば百などとうに超えている。


「やっ、やだ! 離して! あやめ、あやめ!」

「……いよいよマジでうぜぇな。いっそ途中で喉でも焼いてくか。うるさく吠えねえ分、価値も上がんだろ」

「ヒッ。いや、いやぁ……」


 あぁ、お嬢様の声が聞こえる。


「お、何かいい感じじゃね?」

「俺あんま怒り女は趣味じゃねえんだけどな……」

「んだよ、じゃあ俺が貰っていいのか?」

「それとこれは話が別だ」

「安心してくださいお嬢様。本家からは決して処女は散らさぬよう言われております。ある程度傷がついても服で隠せますから――ぁ?」


 ふと、一姫を拘束していた男の声が頓狂な拍子に変わる。

 次いで、勢いよく、倒れるような鈍い音。

 ――その中に、プシュリと何かが吐き出されたような音がしたのは幻聴だろうか。


「……あーぁ。やっちゃった。やっちゃったよ俺。一応上司なんだよなぁ。まぁでも色々現行犯だし。いいかな。いいよね?」

「え、え? ぁ……」


 ……そして、聞こえてきたのは嫌にイライラとする男の声だった。


  ×  ×  ×


 上司を撃ちました。

 ……多分。

 

 そう言って片付けるには大事過ぎた気がしなくもない。

 が、しかしいかに上司(仮)であれど目の前で堂々と強姦未遂(とも取れる)行為に耽っていれば見逃すわけにもいかない。

 かといって、見つかって怒られるのは嫌だ。

 故に、鍛えられた気配遮断に任せて背後を取る。物陰から観察をしていると、いるわいるわ社会のクズゴミ。


『――……いよいよマジでうぜぇな。いっそ途中で喉でも焼いてくか。うるさく吠えねえ分、価値も上がんだろ』


 音声を端末で記録。この辺を拾えば、十分証拠にもなるだろう。

 物的証拠もゲット。という訳で突撃。

 一瞬袖裏の携帯スタンガンも考えたが、近くのお嬢様に感電しないとも限らない。

 そう考え、先日の余った対獣用強化睡眠剤入りの針を撃ちこむ。

 何やら偉そうに言っていた男は途中で力が抜け、変な声を上げて倒れ込んだ。

 そこに釘付けの、二人がかりで女一人拘束している二人にも発射する。


 ……やばい。上司(仮)撃つのめっちゃ楽しい。


 本当はやっちゃいけない背徳感というか……。いけないことしている感じが癖になりそう。

 ……まぁ、それを上回るやっちゃった感で、絶賛胃が焼却中なんですが!


 そんなストレスに苛まれながら、頼むから起きてくれるなと願いながら警邏の人に引き取りを要請。

 前後をある程度削った音声証拠も一緒に渡し、被害者は保護済みと無理矢理てきとーぶっこみ、ようやく俺の役目は終了――とはいかないのだろう。


 家のドアを開ける。どこも電気がついておらず、シャワーの音が鮮明に聞こえてくる。

 リビングへ行くと、所々に擦り傷を作った金髪の少女が俯いて座っていた。

「え、なに、どったの?」


 電気も付けず何してんの? ていうか消毒くらいしとけよなぁ。なに、かまってちゃんなの?


「……なぜ助けた」

「は?」

「私はお前に軽傷では済まない被害を与えた。良い感情などお前に抱かれるようなことをしていないし、抱かれようとも思っていない。なのになぜ助けた」


 あ、今そう言う空気なんですか? と茶化すこともできず。

 消毒を諦めたガーゼを適当に置いておき、


「……別に、ただの仕事だ」


 困ってる人は放っておけないなんてお人よしでもないし、かといって人を助けるなんて当たり前だろなんて気持ちの悪いことも言えない。理由をこねくり回さなければいけないなんて面倒だ。

 強いて言うなら仕事だから。特別深く考えてしたわけでもない。


「ていうか文句言う前に説明してくんない? 何でおたくら上司(仮)に追われてる訳?」


 軍の中で、四つ菱は真里谷家の関係者で幹部以上の奴らという条件で所持と提示を認められる。

 黒服達は言動に問題があったとしか思えないが、それでも真里谷家が関わっていないという訳ではないだろう。途中までは丁寧な感じが申し訳程度には見えていたし。


「……それは私の方から説明します」


 と、廊下の方から声がした。

 ハッとそちらを見た金髪少女につられると、幾分目元を赤くした黒髪の少女が、寝間着にバスタオルを首元を包むようにして立っていた。


「お嬢様!」

「あやめ……大丈夫」


 駆け寄る金髪――菖蒲と呼ばれた少女を手で制すと、先ほど菖蒲がいた場所に座る。

 空気につられ、俺も座ると、互いに向き合う形になった。


「本当に、ありがとうございました。あのままだったら、実家まで無理矢理連れ帰られてしまっていたかもしれません」


 連れ帰る、ねぇ……。どう見てもそれじゃすまない、どころか一生実家に帰れない雰囲気まであったけどな。

 ……それにしても、実家だ。

 御家事情で家を出たお嬢様というのは無いことも無い話だが、事うちの職場が絡んできそうな現状、無視はできない。


 で、その実家というのは――と、目の前の少女は重い口を開いた。


「……私は、真里谷一姫。千葉新都防衛軍を取り仕切る、真里谷家の長女です」


 ……その名を聞いて、少なくない衝撃を受けたのは嘘じゃない。

 本家本元の、生粋のお嬢様が、なぜこんな前線くんだりまで来たんだっつう話である。


「……すいません。少しおかしいことを言っているとは思っています。ここにいるはずはない娘だということも。ここにいては、たくさんの方の迷惑になるだろうことも」

「はぁ……」

「ですが、それでも、どうしてもやらなければならないことがあるんです。真里谷家にとって、私は家と家を繋ぐ役割以上を求めていない。でも、真里谷の娘として、末端にまで目を届かせなければ……」

「なるほど……」

「……あの」


 と、一姫の躊躇いがちな声が聞こえる。


「どうして、そんなに頭が下がっているのでしょう……」


 頭上から降ってくる声が、地面で土下座している俺に向けてそう言った。

 だって、仕方ないじゃない!

 こちとら平団員で、向こうはトップの娘さんだよ? 人生で遭うかどうかっていうレベルの人間が目の前に座っているんだよ。お姫様と庭師もびっくりの身分さだよ。


 最初はもうちょいグレードが下がるかと思っていた。分家だったり、そこの許嫁辺りが「好きでもない人と結婚なんて嫌よぉッ!」なんて言って秘密の恋人と逃避行に走ってるのかと思っていた。

いや、実質言ってることは実家の圧力に嫌気が差して家出したようなもんだ。あながち間違いじゃない。ただ、周りの被害が桁違いに高いってだけだ。


「そ、その、頭を上げてもらえると……」

「はい」


 とりあえず、波風を立てず、穏便に、それなりに満足してもらって実家にお帰り頂くことが至上命題。

 ……もうこの時点で達成不可能なんだよなぁ。でも、お嬢様の肌に傷でもつけて返そうものなら……首が飛ぶ(物理)かも。

 内心、背水の覚悟で顔を上げる。安堵した表情の真里谷一姫が居住まいを正した。


「……最前線付近で生活されている方々が、文化的生活をどの程度送れているかを見たいです。理想は、生活圏ギリギリまで」


 ……無茶すぎる。武力紛争のど真ん中で散歩するようなもんだぞ。

 いや、そもそもお供が一人の時点でおかしい。実力があることを身をもって知ってはいるが、多勢に無勢であることも先ほど目の当たりにした。人員を大量投入されれば、菖蒲なる少女では守り切れない。

 なるほど、馬鹿だな。頭のどこかが抜けてんのか分からんが、相当な跳ねっ返りだ。


「……だったら、実家に言って視察って名目できた方がよかったのでは?」

「……初対面の男に愛想を振りまくお仕事がありまして、父もお忙しいので……」


 表情が一瞬真顔になり、しかしすぐに申し訳なさそうな笑みに変わる。見惚れてしまいそうなそれは完璧だが、しかしそれだけに繕った仮面が張り付いたようにも見える。

 どうやら地雷に触れたらしい。


「知ってますか? ドレスのコルセットは少しきついだけですが、和装にも肩当や腰当なんかがあるんですよ。着ている布自体も重いし、より動きを阻害されて、ご飯もろくに食べれないし……テーブルの物取るために屈むのも一苦労で……」


 と、以後そんな感じの愚痴が延々垂れてくる。内容が割とディープでこってりした物ばかりでお腹いっぱいだった。


 お嬢様も大変なのね……。だからと言ってやってることは傍迷惑なのだが。

 しばらく言うだけ言わせて、なるべく神妙になる様に相槌を打つ。次第に愚痴も熱を帯びてきて、少しすると肩を荒げて言葉が止んだ。


「落ち着きました?」

「は、はい。申し訳ございません……。それで、何の話でしたっけ?」

「言い寄ってくる有象無象がウザいだったかと」

「嘘を吐くな。追手の話だ」


 それにハッとなるお嬢様。チッ、誤魔化せればよかったものを。

 お嬢様の意識の高さは良いが、ここからは冗談じゃ済まされない。何より、それで迷惑を被る人間がどれだけいるのか。本人からしたら理不尽かもしれないが、普通はこんな自由は許されないし、してほしくない立場なのである。


「今だったら後戻りもできるんじゃありません? ご立派ではあるけど、生きて帰れなかったら本末転倒でしょ」

「――いや、恐らく今帰還するのは得策ではない」


 と、途中から黙っていた菖蒲が口火を切った。

 涙目になってきた真里谷一姫が縋るように見る中、菖蒲が言葉を続ける。


「あの追手は、間違いなく真里谷家の者ではない。やはり、情報がどこかから漏れていたのだろう」

 そう悔しそうに言う菖蒲だが、そんなことは昔からままある話だ。とっくに解読された暗号を使って内緒話ごっこしていた国だってあるのだから。


「本家へ戻るということは、つまりその何者かにより近づくということにもなりかねない」

「……出戻りしてきたお姫様を捕まえる、と」


 そして、一度家を出たという事実がある以上、今度は監視の目も強固になる。

 仮に、菖蒲の推測(﹅﹅)が合っていたとして、その後一姫がその何者かに捕まった可能性を考える。同じようなことを考えているであろう一姫も、自分の未来に顔を青ざめていた。

 ……それでも、死ぬかもよりはいいと思うけどなぁ。


「痛し痒しではあるが、ここは最も旧本州の陸地に近く害獣の勢いも強い。前線を内地の手練れ程度では及び腰にもなるだろう」

「いやでも、だからってその害獣の危険からはどう守るんだって」

「……それでも、お願いします」


 と、真里谷一姫が表情を変えた。申し訳なさそうな、しかし言わなければならないという顔。

 おいおい、止めてくれよ。一体何言うつもりなんだよ。あー、あー、聞きたくない聞きたくない。しかし、そんな願いも虚しく、一姫の口が開かれた。


「初対面の時から何度もご迷惑をおかけしているのは、本当に、重々承知の上で、その……私がこちらで動く手助けをしてくれないかなぁ、と……」


 最後は遠慮がちにいってはいるが、つまりは家出中の護衛である。

 昔の書籍にある主人公であれば、ここで「約束、だからな……」とか鳥肌立つようなクサいこと言ってすぐ了承するだろうが、生憎そんな約束した覚えないし、そもそもこないだ最悪の出会いをしたばかりだ。


 想像できるか? ついこないだ殺されかけた相手と肩並べろとか言うんだぜ。端的に言ってどうかしている。

 だがしかし、目の前の二人に見え隠れする権力の影が、下っ端たる俺のメンタルをキュンキュン刺激する訳で、ドキドキしちゃう。


「……了解しました」


 言いたいことはある。普通ならおかしいと口を挟むのが当然。

 しかし、組織の末端たる俺が口を挟む許可は、いかにトップの意向に疑問を持てど与えられていない。

 居住まいを正し、立ち上がって敬礼の形をとる。


「本日より、霞沢流は前線を一時離脱。真里谷一姫様の護衛を最優先として行動します」

「……え? え、いいんですか」

「ダメって言ったら帰ってくれます?」

「それは絶対ないです」


 頭を振って即答だった。にべもなかった。

 が、少し安心したのか、大きく肩を落とした。

 その後は、堰を切るように言葉がポンポン出てくる。取り分け、「普段通りの態度を心掛けること」を強硬にして主張し、しまいには命令とまで言われることなった。――菖蒲の表情は終始渋いものだったが。


「良かった。今までが今までだから、罪悪感がすごかったんですけど……」

「だったら頼まないでくれるかなぁ……」

「ぅ……」


 細やかな抵抗として言い返すと、「すいません……」と小さくなる。その後ろで菖蒲がすごい顔で武器に手をかけていた。とても怖かった。……とても怖かった。


「……まぁなんだ、ゆっくりしてってくれ。トイレなんかは廊下出てすぐにあるし、キッチンも風呂も適当に使って構わない」


 どうせ帰って寝るだけだしな、と付け加えて立ち上がり、流石に限界かとリビングを後にする。

 寝室込みの自室のドアを閉めると、少し経って控えめにドアを開く音が聞こえてきた。音を悟られないようにしているのだろうが、聴覚の訓練も受けているこの身が恨めしい。


 制服を脱ぎ、ハンガーにかけていると、もう一人がこちらに近づいてくる気配がする。

 間をおかずノックされたドアに呼びかけると、ノックの主が音を立てないように部屋に入ってきた。


「なんか用か?」

「………」

「お姫様に怒られた八つ当たりなら今度にしてくれる? 俺、いま怪我人なんで」


 ……反応がないな。表情には妙な強張りはあっても、言葉に何ら反応を示さない。

 え、なに? 何が始まるのん?

 内心戦々恐々としていると、菖蒲は重そうに歪んだ口を開いた。


「……なぜ、うけた」

「はぁ?」

「案内の件だ。貴様に旨みの無い話を、なぜ易々と受け入れた?」

「……信用できない?」

「……客観的に見て、私達はこの場において違和感の塊としか言いようがないだろう」

「まぁ鴨葱どころか割とデカい金塊くらいに見られるだろうな。あのお姫様」


 お城からそのまま逃げだしたような美少女など、その気になればいくらでも使い道がある。

 ため息交じりにそういうと、菖蒲は気分を害したような表情をした。


 ……さっきから思うに、どうもこのお嬢さんは表情を隠すのが上手くなさそうだ。これでは真里谷一姫に男が迫っていたとして、彼女が取り繕えてもこの女で一気に台無しだろう。

 まぁ、俺も表情取り繕うのは然程上手くない。嫌な時は嫌だし、笑顔とか超無理。困った時は笑顔じゃなくて普通に困る。


「職場のトップの娘さんに、関わらないんでその辺で死んでください、なんて言えるわけないと思えません?」

「……」

「脅迫って口に出さなくてもできるって、ご存知あります?」


 答えはこない。まぁ、別に期待をしていたわけでも無し、逆に少し言い過ぎたようにも思う。頭を掻くことでやり取りを一時打ち切る。

 前門の虎後門の狼、とはよくいったものだ。

 まぁ、文句を垂れたところで何かが変わるわけもない。直々にお願いされたという事実が残ってしまえば後戻りはできない。


「……寝床は?」

「……追手の目を逃れるのに必死で」


 だよなぁ。女二人、どちらも未知といっていい場所で動けるようにも見えない。

 ていうか、マジで連れている部下が少なすぎるのではなかろうか。信頼できる人間を源泉に厳選を重ねて、ということなら無理矢理納得できるが、一人だけというのも問題だ。


「では、ここの最上階付近などどうでしょう?」

「他人がくるのではないか?」

「基本的にそれぞれで管理が任されてるんで、入居者のいない階はあまり手が付けられていないんですよ。鳥がうるさいし、多少移動に苦労はしますが……」

「それでしばらく身を隠せるなら是非もない。……それと、敬語はやめろ。気色が悪い」

「……了解」


 一応上の立場にある人に対して敬意を持った対応だったのだが……気持ち悪いですかそうですか。

 そんなこんなで、簡単に建物の構造を説明しておく。誰もいない階。鳥が激突してくることもある最上階付近から離れた比較的安全な部屋。人が住まない部屋に鍵は置いていないという注意。幾つかの注意点を説明しておく。


 先に退室してもらい、後からリビングへ戻ることになる。リビングの方は何やら騒がしく、一姫と菖蒲が何か会話をしていることは聞き取れた。


「……休み、取れるかな」



 三か月近く更新が滞っていましたが、その理由の大体がこの話です。

 難産だったうえ、今でも納得いってないので色々いじくるかもしれないですが、大筋はこれでいこうと思っているので度々編集されていても気にしないでください。

 続きも明日には投稿します。


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