【世界】とは…
異世界もの特有の説明回
「ばーちゃん!今日も遊びに来たよ!」
「あら、いらっしゃいアラン。よく来たねぇ」
五つの大陸からなる平和なる【世界】
そう世界は【平和】だった。
約半世紀前に世界を混沌に陥れた黒き女神は、光の女神の使者であった現法王『オールライト』と呼ばれる男の手によって滅ぼされた。
「あっ」ドシャア
「だ、大丈夫かい!?怪我はないかい!?」
「大丈夫だよばーちゃん!だって僕は幸せだから!」
「…そうかい。足元には気をつけなさいね?」
「はーい」
オールライトは黒き女神の討伐後、世界中に光の加護を施した。
その加護によって人々は太陽の光がある限り【幸福】だった。
そのため人々は闇を嫌い、黒きものを嫌悪した。
黒き女神によって作られたとされる【魔力】も異端の力とされ、一般の人物が使用すると理性がなくなり【魔物】になるとされた。
魔力を使用出来るのは、魔力の穢れをおとし清められる【聖教者】のみだった。
「なんでばーちゃんはいつも大きな帽子をしてるの?太陽の光を浴びれば幸せなのに…」
「…ばーちゃんには、お天道様が眩しすぎるのさ」
しかしながら、稀に光の加護の影響を受けなかった人々もいた。
法王はそのような人々を保護する為に、各地に聖教者を送った。
しかし多くの加護を受けることが出来なかった人々が、発狂し魔物となり聖教者によって滅せられた。
発狂しなかった人々は、聖教者達の教会に招かれ加護を再び受けさせて貰えた。
「ばーちゃんは幸せじゃないの?教会にいくの?」
「ふふっ…まさか。孫のあなたの顔を見るだけで幸せなだよ。」
「本当!? よかったぁ…ばーちゃんも幸せで!」
「…そうさね。幸せだよ私は…」
発狂し聖教者に滅せられた人々は、死の間際みな口々にこう言った
「我々は光の女神に騙されているのだ!」
「この幸せは偽りのものだ!」
「聖教者は皆、穢れた忌むべき人物だ!!」
「法王は世界を牛耳る強欲なる王だ!」
など皆、光の女神を否定した。
法王はその発言を、すべて否定しこれを【黒き教え】とした。
「失礼する。アラン君はいらっしゃるか?」
「あ!神父様! アランは僕だけど?」
「アラン!!家に入ってなさい!」
「え?ばーちゃん?でも神父様が…」
「いいから早く!」「う、うん」パタパタ
「…どうゆうつもりですか?ご婦人よ。アラン君は女神へ捧げられることに決まったのだ。引き渡して貰いますよ?」
「アランを。私の孫を虚像の神なんぞには渡さないさ!!」
「…やはり加護を受けざる者か。大人しく死んでもらおうか」チャキッ
「たとえ刺し違えたとしても、アランを守る!!」
「ふ、その老体に何が出来る!死ね!」「じゃあ、代わりに…」ザシュ
最近、各地の聖教者が殺害される事件が起きていた。
犯人は複数犯で、黒い衣装で身を固め黒いフードを被っていた。
そのもの達は、自らを【黒き教団】と呼び黒き教えを真実だとした。
法王は当然この者達を滅すように命じ、現在各地で捜索中である。
「グハッ!? な、何者!?」「…こいつ弱い…」ザシュズシャ
「ぐぁぁぁ!!や、やめ「やめない…」ザシュズシャグシャ
「お、お嬢ちゃんは一体…」
目の前で、聖教者だった肉片を刻んでる少女に私は震えながらに問いかけた。
少女は黒い衣装に返り血を浴びながらも、こちらを向いて答えた。
「黒き教団…あなたを救うよ…?」
少女は終始無表情だったが、その時少し微笑んだ気がした。
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