思春期リリー
少なからず需要が有るみたいなので書きました。
思春期の女の子の気持ちなんか男の作者にわかるはずも無く、どの様に書いて良いのかさえもわかりまでんでした。
そんな作品であることを念頭に置いて、深く考えずに読んで頂けたら嬉しく思います。
この間、お父さんが帰って来て「一緒にお風呂入るかい?」とか言われた。もう本当に信じられない。
私はもう学校に通ってるのに、そんな事言うんだもん。いつまでも子ども扱いしないで欲しいな。クラスの皆も、学校に入ってからはお父さんとは入っていないって子が多いって言うのに。
お父さんは魔王で、尊敬は出来るけど、そう言う所が少し鈍くて困っちゃう。ここ最近は急に胸も大きくなってきたし、学校で女の子だけで集まって、フィグ先生やビルケ先生の特別授業で、子供の作りかたとか色々詳しく聞いたばかりだし、子供が出来る三十日に一回有る女の子の日と言う物も詳しく聞いた。
特別授業の前に、その『女の子の日』が来て物凄くびっくりした。だってあんなに血が出るなんって知らなかったし、何かの病気かと思って泣きながらお母さん達に相談して「落ち着いて。心配しなくて良いわ」「心配しなくていいよー」とか言われて、先生達の授業よりは詳しくは無いけど、どういう意味かは教わった。
その後は、お母さん達が色々気を使ってくれて「物凄く辛い時が有るから。冒険者になる場合は気をつけないと」とか「んーエッチな事を男の事しちゃうと、赤ちゃん出来ちゃうから気をつけてねー。まさかミエル君とかと変な事してないよね?」と少し冷たい笑顔で言われてびっくりした。
ラッテお母さんがあんな顔をするときは、少しだけ怒っている時だから、警告でもあったのかもしれない。
ミエルは弟だし、そんな気は起きないし。ミエルはまだ子供っぽい所が有るからそういう事は無いし。先生達に『男の子の場合』って事でどうしてるかも聞いたけど、そう言う事も無いし、そう言う事をしている様子も無いとは思う。
けど「男の子はいつオークの様に変わるかわかりません」とかも言ってたから急に来るのかな? よく一緒にいるプリムラとレーィカの事をエッチな目で見ている様子も無いし、良く遊びに来るハニービーと何かしている様子も無いし、本当にミエルはまだそう言う所は無いのかもしれない。
けどラッテお母さんが「ミエル君は私とカーム君の子供だけど、半分は夢魔族だからね、いつどうなるかわからないよー」とも言っていたし。私が何かされそうになった時は思い切りぶん殴ろう。
そんな事を考えていたら、数日が経ってお父さんが帰って来た。
物凄く真剣な表情で話を切り出されて、お酒の入ってる空き瓶と黒い塊をテーブルに置いた。父さんの話だと、前々から教えてもらおうと思っていたあの黒いナイフを、私とミエルに教えてくれるみたいだ。
教えてもらってわかった事は、あの黒いナイフは土魔法だった事かな。
ガラスってその辺に有る綺麗な砂をドロドロに溶かした物なんて思い浮かばないよ、やっぱりお父さんは頭が良いと思う。
それからは三人で買い物に行ったけど、なんかお父さんが子ども扱いをしなくなった。急に変わられても少し傷つくけど、買い物中は真剣に選んでくれたし、グリップや重心の位置も村の道具屋では一番私に合う物を買ってくれた。
その後は、家に帰っても「一緒にお風呂入るか」とか言われなくなったし、ミエルにも言わなくなった。
なんだかんだで、少しは大人として扱ってくれるようになったみたい。
あれから何回か家に帰って来たけど、なんか少しだけ距離が開いたみたいで心がムズムズするけど、露骨に避ける様な事は無いから嫌われてるって事は無いみと思う。
けど、冒険者になるのだけはお父さんだけ反対している、お爺ちゃんやお母さん達は賛成してくれているんだけど。冒険者の話をすると少しだけ悲しい顔になるから、お父さんの前ではあまり言わない様にしている。
確かにそうだよね。優しすぎて、できれば家畜も殺したくないって言ってるんだから。
けど、魔法の力が強くて魔王になっちゃったから仕方なく魔王をやってるみたいだけど、この村で安全に暮らしたかったとかも言ってたし。
この間だって、魔族と敵対している人族の王都に乗り込んで来たみたいだけど、私としてはなんかおかしい気がする。だって危ない事とかが嫌いなのに、敵ばっかりの所に行くんだもん。ラッテお母さんが言ってたけど「カーム君は、後で安全に暮らしたいから、今は少しだけ危ない事してきただけだよ」って言ってたけど。なんでお父さんが行くのかがわからない。魔王なんか他にも沢山いるのらしいのにさ。
本当私のお父さんは良くわからない。
けど優しいのは確かなんだよね。
結婚するならお父さんみたいな、優しくて強い人が良いな。
けど、私が強くなっちゃったら、私より強い人を探す方が苦労しそうだなー。
いるかなー、強くて優しい人って。
( ´・ω・)俺にどうしろと?
これが精一杯です。