世界観2:魔杖のレーヴァテイン
現代レベルの文明で機械と魔法両方がある。
機械式魔杖を人型にして乗り込むことで戦争の道具にする。
異世界の話なので文中の第二次世界大戦は1945年に終わったアレじゃない。
発達した魔法は科学に近い。発達した科学は魔法と見分けが付かない。ならば二つ混ぜたら、どうなるのだろうか。
魔術の存在が世に発表されて50年。人の身で戦車にも対抗できる魔導師は当然のように戦場に駆りだされた。しかし貴重な魔導師を戦場で使い捨てには出来ない。
最初は杖と魔術の理論に機械を使うことから始まった。人や環境、細かい動作によって変わる魔術を機械によって安定した効果の再現を行った。次に防御能力が付加された。防御魔術を自動発動するようにしたり、杖に大きな装甲板を取り付けた。杖が重くなったので機動力を付けることになった。車に乗り、機械式飛行箒の技術を取り入れた。次第に、人の動きから設定を行う魔術を使うために、人型の機械式魔導杖が現れた。
そして、機械式人型魔導杖――スタッフギアが完成した。人が中に乗り込み、装甲板で覆われ、魔力によって操る機械の巨人であり、機械の杖。
生身の魔導師は戦車を破壊できる。増幅した魔力と装甲があれば、戦車はスタッフギアを倒せなくなった。いくら速くても、戦闘機は魔法に勝てなかった。スタッフギアが放つ魔導のミサイルはロケットより音より速くどこまでも追いかけ、撃ち落とした。――既存の兵器はスタッフギアによって大半が不要となった。
そうしてスタッフギアが生まれて20年。戦火は未だ止まず。
民主主義の失敗による帝国の誕生。愚民を統制することにより一部のものが全てを決める共和国。過去の栄華にすがり覇権を狙う大国。都市のような小国が身を寄せ合う都市国家連合。自由と平和を願う孤高の国。
第二次世界大戦より70年、戦乱はまだ続き、そしてより大きな大戦が始まろうとしている。
世界観二つ目