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祟られ体質の俺、疫病神仕込みの呪術で、世の中の不幸を無双します!  作者: 書仙凡人
離島での不幸編

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三の巻 面接


    [三]



 会社をクビになった2日後、幸太郎はスーツに着替えると、履歴書を持って新幹線に乗り、東京へと向かった。

 勿論、イべント会社の求人の面接に向かう為じゃ。

 東京はいつ来ても巨大な都であった。

 幸太郎が関東の防衛大学にいた頃は、時折、我も訪れる事があった都じゃ。

 但し、人が多いとそれだけ陰の気を溜め込みやすくなるので、幸太郎は地方におるようにしておる。

 そうするしかないからじゃが、幸太郎も本当は、こういった都に住みたいのであろう。

 さて、新幹線とやらに乗って移動する事、約2時間。幸太郎はようやく、目的のビルへと到着した。

 なかなか立派で大きなビルであった。全体的に綺麗な佇まいをしており、清掃が行き届いておる。

 人は流石に多い。都じゃのう。

 幸太郎はそんなビルのエレベーターに乗り、目的のイべント会社へと向かった。

 そしてイべント会社の玄関扉を開いたのじゃ。

 扉を開けると、そこには受付嬢がおった。


「いらっしゃいませ。北条イべントコンサルティングにお越しくださり、誠にありがとうございます。本日はどのようなご用件で?」


「私は三上という者ですが、午前10時半から、サバイバルイべントの助手の件で、面接を受ける事になっておりまして」


「三上様ですね。少々お待ちいただけますか。今、担当の者をお呼び致しますので」――


 それから程なくして担当の者が現れ、幸太郎は面接の部屋へと案内された。

 そこは1つの長机と、2つの椅子が置かれた、簡素で狭い部屋じゃった。

 どうやら担当者と1対1で面接のようじゃ。

 どれ、見せて貰おうかの。


「三上幸太郎さんですね。お待ちしておりました。私は今回のイべントのチーフマネージャーを務める北条明日香と申します」


 妙齢のスーツ姿の女が、名刺を差し出し、幸太郎に挨拶をした。

 長く艶のある黒髪で、スタイルの良い美しい女子(おなご)じゃったが、幸太郎を見てもそれほど嫌悪感は見せぬ。

 恐らく、そこそこ不幸な境遇なのじゃろう。

 とはいえ、幸太郎を見る目は何かを探るような眼つきであった。

 足のつま先から、頭の天辺まで、女は這うように視線を動かしている。

 何かを確認しているようじゃ。


「先だって連絡をさせていただきました、三上幸太郎と申します。今日はよろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくお願いします。ところで、今日は履歴書はお持ちで?」


「はい、持参しております。こちらです」


 幸太郎は履歴書をその女に手渡した。


「はい、ではお預かり致します。それでは面接を始めますので、そちらの椅子にお掛けになってください」


 幸太郎は女に促され、長机の対面にポツンと置かれた椅子に腰かけた。

 女はそれを見て、長机の椅子に腰かける。

 そして履歴書に目を通していった。


「三上幸太郎さん……なかなかに凄い経歴をお持ちなのですね。ではまず、これからいきましょう。貴方の最終学歴が防衛大学校・理工学専攻学科を卒業となっておりますが、どうして任官を辞退されたのですか? 防衛大生はそのまま自衛官として任官してゆく者が多いと思うのですが……」


「それなのですが……実を言いますと、私は在学中にスパイを疑われたのですよ」


「え? スパイ?」


 女は眉を寄せた。

 スパイと聞いて、流石に女も驚いたようじゃ。

 

「はい。疑いは晴れたのですが……流石にそういう事があった後だと、私も居づらくなってしまいましてね。つまり、それが理由で任官を辞退した次第です」


「なるほど、そういう事があったのですね。ちなみに、どうして、防衛大に行かれたのですか?」

「それは戦闘機に乗りたい憧れがあったから……ですかね。まぁ夢は叶いませんでしたが。もう1つの理由として、お金を掛けずに大学に行きたかったというのもありますが……」


「え、お金を掛けずに?」


 これは幸太郎の家庭事情によるモノであった。

 不幸は家族にも襲い掛かるからである。

 それもあり、幸太郎は極力、実家に帰るのを控えていたりもするのじゃ。

 哀れなり、幸太郎。


「はい。お恥ずかしい話ですが、私の家はそれほど裕福ではございませんでした。ですので、授業料が無料で、尚且つ、給料まで貰える防衛大学校を受験したのです。そうしたら、合格しましたので、そのまま、そこでお世話になっていたというのが、嘘偽りのない話でございます」


「そうだったのですか。確かに、防衛大は授業料は必要ないですものね。わかりました。それと……格闘技やアウトドアの技能もここに書かれている通りですか? 野営の知識はともかく、柔道と合気道の有段者で、自衛隊格闘術もそれなりと書かれておりますが」


「はい、そうでございます」


 女は確かめるかのように、幸太郎の身体に視線を向けていた。

 なるほど、確かに幸太郎の言う通り、このイべントとやらは、妙な気配がありそうな案件のようじゃ。


「凄いですね。貴方は身体的にもアスリートのような体形で強そうですし……。ちなみに、このイべントですが……予定は2週間後です。そこから1カ月間、伊納諸島の八王島にある施設で缶詰め状態になりますが、大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫でございます」


「わかりました。では、採用という事で話を進めさせてもらいますね。ですが、急な体調不良とかもあると思われますので、その時はまた、私にまでご一報下さい」


「早い御返事、ありがとうございます。では、よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくお願いします。これから書類等を作り、三上さんのお宅に郵送しますので、またそれに必要事項を記入してくださいね」


「わかりました」――


 さてさて、何が待ち受けているのやら。

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