ギルド試験1
おはようございます!!
ギルド編も意外と変わりまして自分的にも驚きました。
それではご覧ください
冒険者ギルドに併設されている酒場の受付に向かう途中、一人の男が背後から彼の肩を組んできた。
彼は最小限の動きでそれを翻すと、淀みのない動作で足を掛けた。剣を帯びた冒険者の男は、勢いそのままに床へ転がり悶絶の声を上げる。
彼は無言のまま、男の頭のすぐ横へナイフを突き立てた。そんな騒動を余所に、彼は酒場の席へと戻り、肉と野菜を淡々と口に運ぶ。
ふと我に返ると、先ほどまで騒がしかった酒場が静まり返っていた。醜態を晒した男が仲間に担ぎ出されたためか、あるいは、彼の背後に立つ人物が放つ独特の威圧感のせいか。
「こちらにおられましたか」
振り返った先にいたのは、昨日対応したギルドの受付嬢とは別であった。受付嬢はこういった雑務もやらなければならない。しかし、それを勘違いして自分にだけと思っているやつは、周囲の冒険者たちと喧嘩を始める。それはある意味、彼女がこのギルドにおいて、一際目を引く象徴的な存在ということもあるのだろう。
「試験の詳細が決まりましたので、お伝えに参りました。明朝、北門へ。そこで実力を測る試験を行っていただきます」
「……わかった。遅れずに行く」
彼女は小さく微笑み、その場を後にした。
――翌朝、北門の前には50人ほどの新人冒険者が集まっていた。試験特有の重苦しい空気が漂う中、緊張に顔を青くする者もいれば、虚勢を張って談笑に耽る者もいる。そこへ、試験監督を務める筋骨隆々の男と、昨日とは違う受付嬢が姿を現した
「よし、整列しろ」
試験監督に促され、一行は門の外に据え置かれた「標的の岩」の前に並んだ。これは戦場に立つ最低限の資格があるかを見極める、いわば足切りである。
「一人ずつ岩に向かって魔法を放て。威力、精度、発動速度。それらを総合的に判断する」
次々と魔法が放たれていく。先頭の男が放った火球は岩の表面で弾け、煤を残すに留まった。次に続いた女は、長い詠唱を経て熱風を叩き込み、岩の表面を水で削っていく。やがて、最後尾にいた男の番が回ってきた。試験官は手元の記録板から目を離さず、無造作に顎で岩を示した。
彼は右手を軽く掲げ、その指先に意識を収束させる。
「邨らч縺ョ讌ュ轤」
放たれた火球は、緩やかな放物線を描いて岩に吸い込まれた。パッと儚く霧散する火。岩に残ったのは、他の受験者たちと大差ない、取るに足らない焦げ跡だけであった。試験監督は岩を一瞥したが、特に表情を変えることもなく淡々とペンを走らせる。
「……ふむ。標準的だな。全員合格だ。お前ら、最低限の撃ち方はできているようだな」
合格を告げられ、安堵の溜息を漏らす者や、己の優位を確信して勝ち誇る者。しかし、試験監督の眼光は鋭いままだった。
「勘違いするな。動かない岩に当てるのと、殺しに来る魔物を仕留めるのは別物だ。ここからは実戦――本番の試験に移る。実際に魔物を一体以上狩ってみせろ。魔法の威力がいくら高くても、実戦で使い物にならなければ死ぬだけだ。……移動するぞ」
移動した先は、魔物たちの住処であった。辺りには獣の匂いと死臭が立ち込め、足元の舗装は途切れ、鋭い葉先を持つ雑草が侵入者を拒むかのように受験生たちの肌を撫でる。
いかがでしょうか
試験監督は一応助けたりしましたがそれでも全員は無理でした
今後もこの路線になりますのでよろしくお願いします。
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