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プロトコル・オリジン  作者: Takahiro
第一章 創作の衝動
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出会い

第一章 創作の衝動


代わり映えのしない日常に飽きた一人のサラリーマンが、AIとの出会いを通じて「創作」という新たな道を模索する。しかし、成功と共に湧き上がる虚無感と疑問が、彼の現実を揺るがしていく。

出会い


佐藤直嗣は、日常業務をこなしながらも、昨夜目にした「AIを使って創作をサポートする」という記事が頭から離れなかった。デスクワークの合間に何度もスマートフォンを手に取り、関連する記事を検索してしまう。

「本当にそんなことができるのか?」

AIが文章を自動生成するという技術は、彼にとってまるでSF小説のようだった。だが、世の中ではすでに多くの人がその技術を活用し、実際に作品を生み出している。彼は気になりながらも、昼休みの時間を利用して、さらに詳しく調べてみることにした。

ランチを終えた後、オフィスビルの一階にあるカフェへ足を運び、ノートパソコンを開く。検索バーに「AI 創作支援ツール」と入力すると、いくつかのサービスが表示された。

「AIライター」「ストーリー補助AI」「プロンプトベース創作ツール」――さまざまなものが見つかる。その中で「NovaWrite」というツールが目に留まった。無料で試せる上に、初心者でも直感的に使えるとの評価が多い。

「試してみるか…」

興味に駆られた直嗣は、アカウントを作成し、ログインしてみた。画面には「何を書きたいですか?」というシンプルなメッセージが表示されている。選択肢には「小説」「記事」「詩」などが並んでいた。

彼は迷わず「小説」を選ぶ。そして、プロンプトの入力画面が現れる。

「五十代のサラリーマンが新しい人生を模索する物語」

この一文を入力すると、数秒の処理の後、AIが生成した文章が画面に現れた。


『佐藤は、自分の人生に何か変化を求めていた。毎日同じ電車に乗り、同じオフィスで働く。しかし、ある日、彼はふとしたきっかけで新しい挑戦に出会う。それは…』


「これは…」

彼は驚いた。AIが作り出した文章は、まるで彼の心を見透かしているかのようだった。完全に彼の意図を汲み取っているわけではないが、確かに可能性を感じさせるものだった。

帰宅後、彼は再びパソコンを開き、AIとの対話を続けた。次々と文章を生成させ、AIの提案を参考にしながら、自分なりに修正を加えていく。やがて、彼は気づいた。

「これなら、俺にも小説が書けるかもしれない…」

久しく感じていなかった創作への情熱が、彼の中で静かに燃え上がろうとしていた。

この夜、彼はAI「NovaWrite」とともに最初の物語を紡ぎ始める。その一歩が、彼の人生を大きく変えることになるとは、このときはまだ知らなかった。


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