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会社の中が嵐です5

ただいまー、面状:無断外泊+午前様ぎりぎり帰宅です、さーて、2話あげまーす

「おかえりぃーってあんた大丈夫?」

そういって出迎えてくれた岡崎先輩の傍に

座り込む


「せんぱーい、助けて下さい

 もう、現実が現実じゃないんですー」

うううっ、涙滲んでくる


子育てで明け暮れた学生時代

会社にはいって独り立ちして、

これから、人生を謳歌しようとする私に

なんでこんな試練があるの?


課長に、お願いして、岡崎先輩は

私を屋上につれてってくれた


「で、あんたはどうしたいのよ?」

涙がおさまった私に、先輩はそう聞いてくる

なんか、デジャブを感じる台詞


私が、どうしたいか・・・か

竜の国でもそう聞かれたよね・・・


何だろう、今人生の岐路に立たされてるのかな

うん、いろいろ決めなきゃいけない


「まだ・・・わかんないんです」

自然にその言葉がでる


「ま、そうだと思うわ

 今のあんたの様子みて、どうこうできそうな様子じゃないもの」


そう言って、ぎしり、と椅子から立ち上がって

フェンスに寄りかかる

向かい合わせ


すっと左手を出す


「朝、言わなかったけど、あたし

 結婚するんだ」


きらり、と光る指輪

そう、左手の薬指の指輪


GW前には、無かった指輪

朝、嬉しそうに言った先輩が忘れられない

女の幸せとか、どうとか・・・


「出会って、たかだか10日

 それでも、あたしは後悔しないで結婚するわ」

強い意志、強い言葉

先輩のまなざしは、私じゃなくどこかを見つめてる


「何が嬉しいのかにこにこ笑って

 だけど、その笑顔がなんかこっちまで伝播してきて

 気付けば二人きり」

指輪をちらりと見つめて、先輩はこっちを見る


「それに、笑っちゃうのよ

 紹介してくれるって、言われたその日に

 指輪持ってきて、結婚して下さい」


ないない、絶対ない

指輪のサイズはどうやってしったのよとか

先輩も、泣き笑いの表情


「でもね、ことんって私の心にはいって来ちゃったのよね

 ああ、これが運命ってやつじゃないのってね」

首を傾げると、さらりと流れる髪から覗く

先輩の「女」の顔


「なんか、ドラマみたいだけど

 こういうことって現実にあって、

 その時が来ないとわからないものねと

 実感できるわよ」


そう言う先輩は、現実にあって、その結果を受け容れてる

私は、そう・・・いつも問題を先延ばしにしてる

竜の国のことも、そうだし、今回のことも


「女だったら、覚悟きめなさい

 あんたにだって、今がそうって解るでしょ?

 むしろ、解りやすくて良かったじゃない」

そういって、ぎゅっと抱き締めてくれた


先輩はいつ、返事したんだろう

きっと、今の私の震えそうな、逃げ出したい心が

解ってるんだ

シャンプーのいい匂いと、化粧の匂い

ぎゅっと抱き締められてる暖かさ


「ありがとうございます

 ほんと、逃げてるばっかりです」

そういうと、首の後ろで、頷く先輩


「だけど、逃げてちゃ、終わらないんですよね」

そう、逃げてちゃ終わらない

ちゃんと、話しなきゃ


「よしっ頑張れ」

ぱんっと、背中に回した手で、私の背中を叩く

痛いですよ


「あんた、何があったしらないけど

 びっくりするほど、変わったよね

 前は、付いてきてばっかのヒヨコさんだったのにね」


先輩にも言われた、そんなに変わったのかな・・・


「自分では解らない?」

くすり、と先輩が笑う

頷くと、そうかもねって先輩も笑う


「先輩も素敵ですよ、輝いてます」

情緒不安定だったのか、よく機嫌で左右されてたけど

今日の先輩は、きらきら輝いてる

自分の歩く道が決まったショーのように


「そ、女は変わるのよ

 がんばりましょ!」


気付いて、決めると女は度胸がきまるのですっ

格好いいね!

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