子竜ちゃん19歳 変態準備各地へ6
ちょっとおそくなりましたー、今日も楽しくいってみよー
再び空の住人
でも、今回は籠移動なので、楽ちん
あまり上空では、使えないけど、ちょっとした距離ならいいでしょうと
ブロージュさんが運んでくれた
ときわちゃんは、最後までだめーって言ったけど
ごめん、きっと、また次遠出になるって、今までの旅で解った
楽させてー
なんて、泣きついたら、渋々許可してくれた
ううう、ふがいないおかーさんでごめんね
人間空飛べないし、痛いのいやなの
早く大きくなって、持てるようになるなんて
次なる目標を立ててくれたので、良かったけど
ほんと、独占欲が強いよね~
大丈夫、おかーさんは、みんなのだよっ
くふふ、と笑ってると、ちらりとブロージュさんに見られた気がする
恥ずかしいので、じっとしてよう・・・
目指してる方向は解りやすい
湖の国っといっても、湖ばかりじゃない竜の国
湖の上流を辿り、その回りに生えてる森の奥にある
巨大な木を目指してる所です
巨大ってわかるのは、遠目からみても、どどーんと
でっかいから、と説明にならない説明をしてみる
富士山をみて、ああ、大きいなぁ
近づこうと歩いても、ちょっとぐらいだと大きさが変わらない
みたいな感じかな
ま、兎に角おっきい木を目指してます
1本の木?と質問したら
「違う、紫竜と精霊と木の力
みんな集まってお家作ったの」
前方を見つめて、早く行きたいという雰囲気のあやめちゃん
「おっきくて、綺麗だねぇ」
そう言うと、くるくると笑い声
「うん、みんな凄い、頑張る」
そう言って、くるりっと一回転する
アクロバティックだねぇ
竜の巣の範囲前で、一度降りて、私とあやめちゃんだけで
レッツゴー
ときわちゃーんついてきてーと泣きたくなるぐらい
あやめちゃんは、アクロバティックでした
ううう、安全度のないジェットコースターへようこそ
「だ、大丈夫?」
きゅうきゅうと鳴きながら、あやめちゃんは
木の幹にへばり落ちた私を心配してくれてる
か・・・かろうじて大丈夫
でも、もう少し待って
「人というのは、難儀じゃのぉ」
さらりとした声が頭上から降ってくる
もう、なんとでも言って下さい
顔を起こして
とりあえず挨拶、あやめちゃんも、はっとして
挨拶をした
「これを飲ませて差し上げなさい」
そう言って、その人は、あやめちゃんに器を渡す
また、まずい薬なのかなぁ
なんて、失礼なことを思いながら体を起こす
「はい、どーぞ」
私に両手で差し出すあやめちゃん
子竜ちゃんたちの中で、一番丁寧なのに
空では豪快だったのが、ちょっと信じられない・・・
「はい、ありがとう」
受け取って、どろりとした中身に、
ひくりと頬が引きつったのが解る
でも、飲まないわけにはいかなーい
ぐびっ
・・・・・あれ・・・美味しい
「何これ、美味しいじゃない!」
くぴくぴ飲んでると
「口に合ったようでよかったの」
ふぉっふぉっふぉなんて、どこかの長老の様な笑い方して
案内を始めた
「この木は、春になると一斉にうす紫色の新芽を出す
その時期になると、ここは、生き物全ての
安らぎの場所
その地に、人が訪れるのは久しい」
そう言って、周りを見渡す
所々にうす紫の葉があるあと思ったら
どうやら竜だったらしい
うーん、擬態ってやつかな・・・
「子ども部屋からも、見えました
花が咲いてるようで綺麗ですよね」
そう言うと、ああ、とうなずき
「そなたは、あちらから来られたか
今では、この木があるのは、ここら一帯と
そなたが住んでいた子ども部屋の一帯のみじゃ」
哀しそうな声で言う
「各地にこの様な巨木があった
紫竜の住処、子育ての場としてな
そなたが住んでいる岩だと思ってるそれは
これの化石のようなものじゃ」
え゛・・・あれ、木だったの
「じゃぁ、何本かあるのは、全て・・・」
屋上からみた時、ちょっと遠くだけど周りに同じ様な山が合った
「そうじゃ、全て枯れて石となった
ここは、残された場所
この木を失えば、この地に育つ生き物の半数は育たなくなる
我ら紫竜の役目は、もう一度
その木を各地に取り戻すことじゃ」
歩きながら話していたら、目の前に巨大な竜
「長よ、我らが新しき同胞、その護り人ですぞ」
そう伝えると、あやめちゃんが
ぺこりとおじぎをして長を向き合う
「紫竜のあやめです、7種の竜の兄弟と木の柱の中で
護り人に育てられました
唯一残されたこの地に帰って来ました
同胞の力を貸して下さい」
なんだか、超絶立派な台詞
「ほぅ」
ずぞん、と腹に響くような声が頭上から降ってくる
「そなた一人で竜を七人育てたと」
大きな鐘が頭の上でなるような言葉
う゛ーん、ちょっと気分悪いかも
でも、質問にはこたえなきゃね・・・
「護り人としては、一人ですが
他、3人の竜が手伝ってくれ育ててます
変態時期とのことので、一緒に各地を巡ってます」
そう言うと、ふっと、圧力が無くなった
「いじめる、駄目」
ぷぅっと膨らむあやめちゃん
それをみて、どうやら、この長に試されちゃったみたい
「いじめてはおらぬよ
真実以外語れぬようにしただけだ」
そう語る長の声は、低音ボイスでいい声ね、にしか聞こえない
う゛ーん、真実以外はいう気ないけど
嘘付いて何になるんだろう
「姫さま、昔話をして差し上げましょう
あやめ殿は、場所を探しなされ」
そう言うと、先ほどの飲み物を床に置き離れる
ん、明らかに距離を置かれてる
私、そんなに凶暴じゃなくてよ、なんて言いたくなるじゃない
「あ、ありがとうございます」
美味しいジュースを貰ったので、お礼を言って座る
くぴり、んー、美味しい
「先代の王から話は少し聞かれたことでしょう
幾度か、王たちは、集まり竜の国の為にと
人や動物を召還し、力を変化させてきました
その度に代償を払い
竜の国の発展を願って参りました
竜の記憶でも、哀しい話の1つをお聞かせしましょう
今は亡き国、亡き土地に住まう人だったものの話を」
番号が、ずんずん進んでいくね、そして、何故か、昔話を始める人がいるよ、これってなんていういじめ?ということで、100話完はあきらめた・・・ええ、今頃ですよ!では、次いってみましょー