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子竜ちゃん17歳

おまたせしましたー、リアル書きなので、次もまぁまぁかかるけど2本はかくよー

「こちらにどうぞ」

そう言ってブロージュさんが手招きしたのは

下に続く階段


あれ?こんな所に階段なんてあったけ・・・


外への入口から子竜ちゃんたちの体が通り抜けにくくなった日

いつものようにヴェルデさんと飛行練習に出かけたあと

私が、のんびりと縫い物をしていると

ブロージュさん、ルアンさんの二人が

揃ってやってきた


「ちょっと揺れるかもしれないけど、気にしないていておくれ」

といって、ルアンさんは、さっさと

屋上へと帰っていく

にこにこと笑うブロージュさん


まぁ、布談義ができて嬉しんだろうね


ぐらりと揺れたかと思うと

ブロージュさんが、片付けをするように促す


そして、冒頭の台詞


どんとんと、長い階段を下りて行く


な・・・長い

ここに来た時だったら足がぷるぷる震えてそう


「長いですね」

そういってもにっこり笑って、

隣りを滑るように降りていくブロージュさん

この人の筋肉ってどうなってるんだろう


さらりと長い髪がたなびく程度の速度で

裾を乱さないよう、するすると歩いてく


かたや、私は、はぁはぁ息切れし始めてる


「もう少しですよ」

見られてることに気付いたのか、

ブロージュさんが振り返ってにこりと笑った


「が・・・頑張ります」

足が筋肉痛になるほどではないけど

実際私の生活で歩くことは少ない

部屋の隣りにあるお風呂と食料庫と布置き場

あとは屋上が私の行ける範囲


そう考えると、17年も経ってるのに

飽きずにいるものよね~

自分でもびっくり


なんてことを考えてると

「さよなら、竜の国で幸せになってほしいわ」

「え?」

柔らかな綺麗な声、湖の王?


その後、頭に深い深い慟哭

足を止める私を見つめるブロージュさんにも

聞こえてるのか、眉を寄せている


竜の王さまは、湖の王が好きだったのかな・・・


頭の中に響く深い慟哭

知らず内に、私は泣いてた


何も解らないままここに来て

からかわれるように話し掛けてくる四人

その内の二人はもういない


砂漠の王は、去年たぶん亡くなった

今年は、湖の王が今、亡くなった

竜が好きで、自分が育てた竜が可愛くて仕方なかった

湖の王


最後まで一緒にいられて幸せだったのかな

静かな慟哭

泣かないでとは、言えない

だって、私も泣いてる


竜の国で幸せになれるかどうかはまだ解らない

でも、考えなきゃいけない時なのかも

あと、移動できる回数は10回とする

そのあと、私はどっちの世界にいるんだろう


歩きだした私を追ってブロージュさんも動き出すのを

目の端でとらえたけど

私は私のことで頭がいっぱいだった


ぽすんと、暖かくて柔らかいものがふれた

そして、ぎゅっと痛いぐらい抱き締められた


「まずは、知ってみるかぃ?

 竜の国を」

そう言ったルアンさんの声も震えてた


きっと、竜の声っていうのは、こういう事を言うんだろう

全土に響き渡ってるだろう前王の慟哭

全ての竜は悲しみに沈んでるだろう


その竜の国の土を私は今、始めて踏みしめた

ルアンさんが下にいる理由はですね、黄竜だからなんです 黄竜の属性は土、階段を作ったのはルアンさんでしたー


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