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子竜ちゃん7歳

ただいまー、ぎりぎりセーフ?

「竜のお嫁さんか・・・」

解りやすく言ってやろう、と念押しするように

水の王さまが言ったのはその言葉だった


人の生は短いけど、人より竜の伴侶への愛は強い

伴侶の為ならば、命を賭す竜、ただその人のみを見つめ

それ以外に脇目も振らない

それ故の独占欲、それ故の愛


夜闇の中ぽっかりと浮かんだ三日月が、

にぃっと笑った口のようにも見える


でもね・・・

ここの人たちは、竜との結婚になれてるかもしれない

私はここにきて、まだ7年

その上、竜との関係は子育てママさんだし

私には、わかんない

私と竜が・・・ってのが一番解らない


たしかに、大人の竜こと

白竜のブロージュさん

さらりとした長い髪、物静かでちょっと研究者タイプっていうのかな

そんなマニアっぷりで、若干ドン引きしたけど

だけど、なれてつきあうと、布のこといろいろ教えてくれて

私の服作りにかなり協力してくれる


あるいみ、優しいお兄さん

ううん、先生っていうのかな

お医者さんとかでもいいなぁ

そんな感じの人だし


顔っていったら、正直格好いいよね

いや、綺麗なのかな~


でも、本体は竜、白い大きな竜

はくちゃんみたいにパールホワイトじゃなく

透明感の内、どこまでも白色

遠くでしかみたことないけど、かなり大きかったよね~


で、緑竜のヴェルデさん

みんなのお兄さん、ブロージュさんにはたじたじだけど

そんな所も、好感度が持てる

一番子竜ちゃんたちと仲良しで、よく名前があがってる


ばさばさの無造作ヘアに、襟足だけがかなり長い

行動が素早いので、歩いてる時に

襟足のしっぽが軌跡をかいて、面白い


顔は、くっきりはっきりだよね

彫りも深いし、表情も豊かだし

一緒にいて楽しい人


黄竜のルアンさん

女の人だけど、男勝りな雰囲気とかっこよさがあり

姐さんってかんじよね

最近は、一緒にいることが多かったかな

頼れるおねぇさんがいつも傍にいてくれたって気分

薄い黄色の髪は、あこがれのブロンドヘアだし

複雑に結い上げた髪型も綺麗

顔は、美人さんよね~

ヴェルデさんほど彫りは深くないけど

全体的に整った雰囲気

一番印象があるのは、口元

大胆な感じの大きさで、くるくると変わる表情を作ってる

女優さんっぽくもあるけど

若干行動が荒い


だけど、全員竜なんです

仲良くしてるし、仲良しだとおもってるけど

恋愛対象、そう、あの人たちとキスするとか

抱かれるって・・・考えられない


それに・・・


「私は子育てが終わったら

 帰っちゃうんだろうし・・・」


だって、帰れるんだもん

実家を出たような感じで、離別して

時たま会えたらいいなぁ


「帰るのか?」


声が聞こえた方を振り返ると

月の光が、巨大な竜の輪郭を浮かび上がらせた

逆行で色も、顔もよく見えない


誰?


「元の世界にかえっちまうのか?」

聞こえなかったかのようにもう一度問う

この声、


「ヴェルデさん?」


「あぁ」

ぶわりと、風が吹き抜けて目の前には

人型のヴェルデさんがいた

長い細い髪が、風に揺れてる


「で・・・帰るのか?」


「まだ、帰りませんよ」

子育てが終わるまでは・・・


「だけど、それが終わったら、帰っちまうんだろ?」

月光の中、暗い翳りが見える表情

かっこいいよね~


「来たり帰ったりができればいいなぁって思ってます」

そう言った途端

私の視界は、真っ黒になった

え?


「帰したくない」

頭の後ろでヴェルデさんの悲痛な声

私・・・抱きしめられてる?


「ヴェ・・・」

名前を呼ぼうとしたら、口をふさがれた


「名前、呼ばれるたび、体が震える

 まだ早い筈なのに、オレはあんたに発情した

 他の雌竜に会っても、発情しないのに

 あんたが、名前よぶと、オレは・・・」


ふさがれてる口、何も言えないし

何か言える雰囲気じゃない


「わりぃ・・・」


手を離し、ばさりと竜体に戻ると

ヴェルデさんは、飛んでいった


ええええ?!どういうことですかーーーー!!!

若干長いけど、セーフかな・・・?じゃぁレッツゴー

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