二重生活満喫16
ただいま~、そしておかえりぃ~本日も楽しく60話目です!
秋ですよ~
錦の様な紅葉が相変わらず綺麗
子竜ちゃんたちは、下に降りて、遊べるのに
私は缶詰中
ううう、置いてけぼりって寂しいわ
と、いうことで、そんな時は、水の王さまと仲良くしちゃうのです
「こんにちは~」
水面から呼びかけると、ぷくりと丸い泡が水面近くにできた
これに頭を入れて、お話準備完了なの
「今日は何かあったか?」
頻繁に訪れるから、水の王さまも若干あきれてる
「ううん、特にないの」
ふふふと、笑うと若干あきれたような笑い声
ひとりぼっちなのは、水の王様も同じだけど
こちらは、一人に慣れてる
私は、慣れてるつもりで、慣れないみたい
やっぱり、家族が多いから
憧れても、一人っていうのは、ちょっとでいいみたい
慣れなのかも、それとも、一人遊びが下手なのか
「そうだな、昔話でもしてやろうか」
水の王様は、珍しく話を始めた
今まで、質問に答えるぐらいしか、竜の事は教えてくれなかったのに
どうしたんだろう
「竜というのは、生まれてから死ぬまで
一人でいることが多い生き物だ
それが、変わったのは、人がこの地で
暮らすようになってからだった」
ぽつりぽつりと静かに語る水の王さま
心地よい声が頭の中に響く
「竜の楽しみは思考すること
自分が何で、他人が何で、世界がなんであるか
竜の血の中に眠る情報をひもときながら
自分と、自分に引き継がれた情報と戯れる」
子竜ちゃんたちは、好奇心旺盛で
外のことに興味津々だから、今は、まだ引き継がれた情報は
ないのかな・・・
でも、あって、冷静な子竜ちゃんたち・・・
ううう、想像するだけちょっと哀しいかも
きっと大人になったら、引継がはじまるんだと思おう
「しかし、人は、違った
人は交わり、話し、互いを認めあい
そして、いがみ合った
竜の交流は、交尾、お互いの力試しぐらいだというのに
複雑な感情をコントロールできない
人を竜は、とても愚かだと感じた」
竜の会議・・・とかないのか
ここに来ている大人の竜、白竜のブロージュさん
緑竜のヴェルデさん、黄竜のルアンさんが
一同に集まったことさえないものね
集まるっていうか、外で飛行訓練してる時は
バラバラに飛んでるのはみるけど
会話してるってことはないね
目的があったら、集まるけど、それ以外はないってことかな
ううう、寂しい
子竜ちゃんたちも、てんでバラバラになるのかな・・・
「しかし、同時に面白くも感じた
それ故に、積極的に関わる竜が何人かでた
そして、竜と人の子を作ることができたが
人と竜は、あまりにも異質だったのか
人の子は人としての生
竜の子は竜としての生だった」
え・・・人と竜の子ども?
想像できないなぁ・・・でも、人型になれるから
ありってことかなぁ・・
「人の生は短い、それ故伴侶をたびたび失うことになる竜は
嘆いた、人の寿命はどうやっても延ばせなかった
竜の記憶に、いくつもの嘆きが刻まれる
それ故、人の伴侶を求む場合は、一人のみとした
時を移せば、人は伴侶としての資格を失い
そして、逝く」
哀しそうな響きで、胸がいっぱいになる
好きな人が、いなくなる
竜にとって一人が当たり前だけど、
一緒にいなくても伴侶がいるだけで幸せなのかも
そうして、時がすぎれば、人はいなくなって
取り残されるのは竜
今の水の王さまと同じように・・・
「そなたは竜と同じぐらいの時を生きる
どういう人生か楽しみにさせて貰おう」
ええええ?!そこですか、話の終着点は
って、私も竜の伴侶になれるってこと・・・
にやにや笑いの響き
私の涙をかえせっ!
竜の見方がかわっちゃうじゃない・・・
うううう、配達の人&先生が
恋人に?!みたいな気分よ
あと、40話でおわる気がしないのは気のせいですよね・・・・、きっと気のせいに違いない(現実は直視するものではありませんよね?)