夢だけど
起承転結でいう、承ぐらいにさしかかった所ですかね
うん、100話で終わるはず!
「起きてっ」
「起きてぇ!」
「戻ってきて」
耳を劈く声が、頭に響く
誰かが泣いてる
泣いてるのは自分
肌にあたる硬質な感触
体が揺れる
「戻ってきて!」
ぱつぱつと、体に触れる不思議な感触
「痛い・・・」
体の下に何かちくちくとしたものが触れてる
何か敷いちゃったのかな
「戻ってきて!」
うわぁんと、耳がはもるような声
それは、子竜ちゃんたちの声
「え?!」
ガバリと体を起こすと
目の前には、涙を湛えた子竜ちゃんたちの顔
ついた手が痛い
手の平を見ると、色とりどりの石が落ちてる
手から払うと
泣いてる子竜ちゃんたちを抱きしめる
「どうしたの?みんな?」
ぎゅっと抱きしめると、わんわん泣くばかりで
分からない
そして、私も分からない
また、夢を見てるのかな
だったら、ちゃんとお別れを言おう
私も、辛い
「姫、起きたのか?」
体に雪を積もらせて、ヴェルデさんが入って来た
「はい」
起きましたよ、確かに、起きました
私は、そして、また寝ちゃったようです
ぱさぱさと、払った雪がこちらに飛んでくる
冷たい、その感覚はあるのに、夢なんだよね
子竜ちゃんたちの名前は
たんぽぽちゃん、ときわちゃん、るりちゃん、べにあかちゃん
あやめちゃん、こくたんちゃん、はくじちゃん
今は、ちゃんと言える
一人ずつ顔をみると、涙を湛えていたけど
もう泣いてない
竜もやっぱり泣くんだね、泣かせてごめんね
にこっと笑いかけると、笑い返してくれる
ぽたりと落ちた涙が、かつんと、地面の岩に当たって音がした
「え゛?」
拾い上げると、硬い
さっきまで、液状だったものが、固体になってる
「竜の涙、だよ」
後ろにきて、しゃがみ込んだヴェルデさん
回りに落ちている石を広い上げる
「竜の涙は、石になるんだ
力があるからな」
ひょいひょいと拾い上げて、手を広げた
7色の石
てんてんと、落ちるたくさんの石
「ちびども、起きたら姫が寝てて
暫くはほっといたらしいが、
気配が消えて、存在が薄くなったって
精霊どもが叫びまくって
今に至るってことさ」
きゅっと、足に腕に、体に抱きついてくる
その存在を確かめる様に
わたしも、その存在が嬉しくて等しく撫でていく
でも、これは、夢
現実に近い夢なんだ、深く心に、記憶に残ってる夢
「ヴェルデさん、喚ばれた人って帰ることってあるの?」
もし、これも現実ならば、そうとしか考えられない
でも、確かに、私は地球にいた
「元の世界に、帰った人っていますか?」
一応、劈く=つんざくです
たしか、るびこれふれたんだよね・・・うん
さて、次いきましょか~