329 竜の契約5
「昔、子竜たちの名前を忘れたことがありましたよね」
ブロージュさんが言ったことばに
初めて、地球にもどった時の、覚えてるけど覚えてない
そんな悪夢のような感覚がよみがえった
「あの時は、子竜たちとなんの契約も結んでいませんでした
正確には、護り人とその子竜というもの以外は
あの後、偶然でしょうが、みんなの血を嘗めたのでしょうね
それから、竜の血の記憶を受け継ぎ覚えていられたんですよ」
う・・・血ですか・・・
血といえば・・・けがした時?
でも、あれは、べにあかちゃんだけで
「血は、変態前だよ
幼体の時だと思うよ」
ふんふん匂いをかいでるりちゃんが確認
あ・・・あの時かな
ほら、角が生えた時
うん、口にとんで来た気がする
「まぁ、過去だよ、過去」
うん、そうだね
今、いやーんな顔してもしかたないよね
ありがと、あやめちゃん
「もう、名前を交換し、お互いを認め合う契約をしましたから
全員を忘れることはありませんよ
一生涯、何があってもね」
そっか、みんなと一緒だよ、覚えたよっていう約束なんだね
「じゃぁ、姫さん・・・っじゃない
フォルティナ、行ってこいよ
やり残したこと、終わらせに
俺たちは、ここにいる
まぁ、その木は、各地に植えてくるけどな」
そういってヴェルデさんが、笑った
「はい、そうしますね
じゃぁ、みんな行ってきます」
私は再び目を閉じた
ふわりと、風が舞うような感覚に包まれて意識が消えていった
はい、寒いですねー
みなさんの所の雪はいかがだったでしょうか
ん、毎日ふってる、ふむふむ
ん、雪は空想である、ふむふむ
いろいろですよね
今日は、もう一本いきますー
たぶん・・・たぶんね