表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
328/335

328 竜の契約4

「あ、起きた」

ふわふわと頭をなでる感覚が気持ちいい


泣き疲れて寝ると、また子供みたいなことしちゃったようで

顔が上げられない


「はい、水、それとも、果物がいいか?」

顔をあげるとるりちゃんが水と、果物を持ってた


「ありがと」

こくりと飲む水は、柔らかくてするりと喉を抜けていく

ふぅ、ちょっと落ち着いた


目の周りがぱりぱりする

泣いて、赤くなって

みっともない顔になっちゃってるだろうけど

みんな気にしてない


むしろ、みんな同じような感じ

泣いてはないけど、どこか、泣いた後のようなだるそうな感じが

漂ってる

紫の木たちもちょっと元気がなさそう


「大丈夫?、元気になぁれ」

そばにいって、そう言った瞬間

少ししおれていた木は、目に見えてぴんっと葉が張った


「お゛っ」

後で変な声が聞こえた

振り返るとヴェルデさんが、驚いた顔をしてる

「どうしたんですか?」

「いや、相変わらずすごいなって思ってな」

んー、それ説明になってませんよ

ヴェルデさん


「そうですね、流石、フォルティナです」

名前を呼ばれると、ふわっと優しさがこみ上げてきて

あったかな気持ちになる


「ブロージュさんも説明になってませんよ」

そう、いうと、くすりと笑って

そうですかね、と言ったブロージュさんは

嬉しそうだ


「僕らの名前も呼ぶ」

ぐいっと手を引かれた方をみるとみんながこっち見てる

「名前」


名前読んでほしいの?

んー


「たんぽぽちゃん」

一番近くにいて、手を掴んだたんぽぽちゃんを呼ぶ

うん、と頷く

「ときわちゃん」

こちらをちらりと、みて笑う

「べにあかちゃん」

「るりちゃん」

「あやめちゃん」

「こくたんちゃん」

「はくじちゃん」


そう、一人ずつ見ながら呼ぶと、頷いたり笑ったりして

私を満足そうにみる


「私の名前も呼んでおくれ」

ルアンさんが、離れた所から

「ルアンさん」

「いいもんだねぇ」

やっぱり、満足そう


「オレも」

ロートリアスも、ぼそりとつぶやくように言う

「ロートリアス」

そう言った途端、ロートリアスの顔が赤くなった


「ガキ」

いやいや、ときわちゃん、ロートリアスよりときわちゃんの方が

年しただよね


「うっせ」

あれ、反論なしなんですか、

んー、よくわかんないなぁ


「オレもね」

ヴェルデさんが言う

「ヴェルデさん」

「うん、ありがと」


やっぱり、満足そう


「さて、これで、名前による契約が全員とすみました」

ブロージュさんが、そう言った


「契約ですか?」

名前を呼ぶだけで?


「そうですよ、フォルティナ

 あなたを表すフォルティナ

 私を表すブロージュ

 私たち竜は、その血の記憶にあなたの名を刻みました

 あなたが竜ならば、同じように刻まれたことでしょうけど

 それでも、何かを感じたでしょう」


たしかに、抱きしめられるような

そんな感覚と、刻み込まれたような感覚があったよね

それのことかな


「あんたは、竜じゃないけど

 ある意味竜に近いな」

そう、ロートリアスがいうけど、そうなのかなぁ

全然、ルールとか未だ分かってないけどね


「紫の木のおかげかもね」

苦笑いのあやめちゃん

「あの人、ホントにいっぱい飲ましたからね」


「・・・まずいのにねぇ」

首を横にふるけど、紫の木の樹液のことかなぁ

見た目は悪いけど、あれおいしいけどね


「おいしいのになぁ」

私がそういうと、全員、苦笑い

あれ、竜にはおいしくないんだっけ・・・

味覚がちがうもんねー


「ま、本人がいいって言ってるからいいんじゃない

 それにいいことあったし」

たんぽぽちゃんが、そう言うと

それもそうだと、同意があがって

盛り上がってるけど、私、蚊帳の外ですよー


すごい、雪ですね

こんな日は、家の中で、まったりがいい

幸せになる物語が似合う、そう思います

と、いうことで、更新ですっ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ