325 竜の契約1
「我らが竜の世界にようこそ」
そう響く声とともに、ブロージュさんだろう、白い大きな竜が目の前に現れた
「この世界では、言葉は自身となる
嘘をつけば、その身をもって体感するだろう」
そう言ったあと
「だから、曖昧なことや、その場の嘘はつかないでね」
そう、やわらかな声
殷々と、鐘が鳴り響くような竜の声が
頭の中を支配するけど、その音が大きくなるにつれ
私の中は、なぜかすっきりとしていった
「強いねぇ、ホントにいい子だ」
ルアンさんの声
私の目の前に、11人の竜
誰を見てるでもないのに、全員を見ている
彼らの視線は私以外とは交わらなってない
「話を始めて」
こくたんちゃんが言う
こくりと頷いて私は聞く
「私は、子育てするため、この世界に来たんですよね」
そう言うと、是と、肯定の気配
「では、みんな大人になった今、私がすることはないということですか?」
否、と否定の気配
「私は、竜の国に帰ったら
まず、子竜ちゃんたちに、謝りたかった
嫌いっていってごめんって
感情的になって、そう言ったのは今も後悔してるから・・・」
そう言うと、理解というのは大事ですから
とブロージュさんの声
「学ぶ、ことは必要と分かった」
たんぽぽちゃんが言う
「私たちは、人の世界で学んだし
竜としても成長した
あとは、あなたが帰ってくるのを待ってた」
そう、あやめちゃんが言うと、全員が頷く
「私を?」
なんでだろう、また子育てしてほしいのかな・・・
誰かのあかちゃんでも生まれるのかな・・・
「そう、姫さんをさ」
ヴェルデさんの楽しげな声
「竜の巫女は、竜の伴侶にもなるからな
オレは、あんたがほしい」
そう、ロートリアスがいった
んんん????
今、ロートリアス、なんて言った?
竜の伴侶、あんたがほしい・・・って
ええええ、告白なのっ?
ブロージュさん、ヴェルデさんに引き続き、
なぜか、ロートリアスまで?!
なんで????
「なんで・・・?私・・・?」
「あんたはね、竜の国では、必要な人だよ
世界のためにも、オレたちのためにもね」
るりちゃんが言う意味がわからない
「いなくなって、世界は変化した
俺たちの家も、住めないほどになった
だけど、あんたと世界がつながった途端、俺たちは強くなったし
世界が安定した」
「私何もしてないよ???
むしろ、何もできなかった・・・」
泣いて、泣いて、みんなに助けられて、そして、竜の国を忘れようとしたり
自分のことがんばったりで
竜の国のために何かをした覚えなんてない・・・
「俺たちのこと思って、その紫の木大事に育てただろ」
うん、それは、した
だって・・・みんなが大好きなのは変わらないもん
それに、あの紫の木があったから
私はまだあの世界とつながってられると、信じていられた
だから、私が逆に助けられてたのに
「大人になった、強くなった
そして、大人になっても、俺たちは、仲良くやってけた
同族ではないのに」
同族以外は、たしかに、変態期の時も離れた場所でおりるぐらい
他種属には近付かなかったもんね
家族でも駄目なのかな・・・
「オレたちは、大人になった時、あんたを思ったんだよ」
そう、じっと黄色い目で見つめられた
「そして、この4人もそう
だから、俺たちは契約した
あんたが、俺たちを・・・いや、竜の国を選ぶかどうか
それまで、仲良くやっていこうってね」
「ひーめ、ちょっと混乱してね」
そう、言ったのはルアンさんだと思う
たしかに、さっきのすっきりとした気分から
今は、ぐらぐらしてる
いったいどういうことですか、
大人になってから、何があったんですか
私には、さっぱりです
やっぱり、竜のルールは難しいよぉぉぉぉ
・・・た・・・ただいま
とりあえず投下して、ご飯たべて寝ます
ちなみに、お好み焼きです、冷えてますが・・・涙
しらすはおいしいなぁ(にぎりめし)