319 世界の境界線5
「オレがキレようと思ったのに持ってかれた」
そう笑ったのはどの弟だったか
もう、泣き疲れて、私は、芙遊と一緒の布団で
ううん、全員で
同じ部屋で、布団をくっつけて寝た
休みの前日で良かった
そう、思いながら、ぺっとりとくっついたまま眠る芙遊や
背中のぬくもりを感じて私のまぶたは、重く重くなっていき
記憶が途絶えた
「おはよう、ユキちゃん」
そう言って私を起こしたのは、おとーさんだった
「みんなを起こさないように部屋に来てくれるかな」
柔らかな口調だけど、いつもより固い声
きっとおかーさんから聞いたんだよね
そっと、布団をぬけだすと
そのぬくもりが無くなって、寂しい
「おはようございます」
そう言って部屋にはいると、おとーさんは、
ソファーに腰掛けて、私を待っていた
「うん、おはよう
昨日ね、話は聞いたよ
すごい体験をしてきたね」
そう言って、少し目を細めたのはうらやましいからかな・・・
「それで、たくさんの夢の中の1つで
ここではかなえられない夢がその
竜の国に行くことなんだね」
私がこくりとうなずくとおとーさんは話を続けた
「いつか、ユキは、お嫁にいっちゃうから
いつかはこういう日が来ると思ってたよ」
まぁねぇ、私の夢はお嫁さんだもん・・・
「だけど、びっくりな嫁ぎ先だったよ
異世界だからねぇ」
ははは、と笑ったおとーさんは困った顔
「ユキが一時の思い込みで、
そう言ってるんじゃないのは
分かってるから、覚悟の上でいうね
幸せになりなさい
ユキが幸せだったら、どこにいてもいい
ただ、家族のことは忘れないでいてほしい
大事なものは、どこにでもあるけど
それを見つけられるかどうかは自分次第
竜の国に行って幸せになるのか
地球での夢を追うのか
それは、ユキの判断次第
ただ、僕たちにいえるのは
幸せに、のその一言だけだよ」
そうして、おとーさんは、おいでと言うように両手を広げた
私は、久々におとーさんに抱きついた
おとーさんは、物静かで優しい人だけど
だけど、子供との距離感が分からずに戸惑ってた人でもあった
ある年から私は、あんまりふれあわなくなったし
おとーさんは、基本的に、私たちと接するとき
声で接することが多かった
おとーさんは、いろいろ詳しくて、勉強は教えてくれたし
そういう意味でいい先生だった
「うん、幸せに絶対なるね」
私もきゅっとおとーさんに抱きつく
一瞬びっくりしたように体を硬直させたけど
ぎゅっと抱きしめ返してくれた
ありがとう、おとーさん
私幸せになります
そして、おとーさんも幸せでいてね
今日は、昔の定刻更新ですねー
ここで、書きためしていたのは、おしまいなので
またせっせと書きますよー
なので、明日更新は、・・・あーサイトだ
だから、明後日更新は不明です
そーれーでーは