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広がる世界5


「入るよ~」

そう言って一声かけて、扉をあけると、

社長は、いつもの席に座ってこちらをみてた


う・・・ん・・・

怖いよ、ちょっと


「座れ」

そう言って、目の前の席を指す

「はいはい」

篠山さんも、さっさといつもの席に座って

私も、同じように座った

目の前にはお茶が用意されてる


あれ、そんなに前から来てたってこと?

「できれば、お前の口が聞きたかった」


そう言って、社長は1冊の本を取りだした

それは、この前、かよ子さんの出版社で、作られた絵本だった


「あ・・・なんでここに?」

私がそう聞くと

「先生と、編集長がお見えになってね

 10冊だけ作ったんだよ

 そして、作者は、ユキちゃんだってね


 ちなみに、僕は一緒にいろいろしてたから知ってるけど

 寛人は知らないからって

 現在、拗ねてる真っ最中です」

「誰が、拗ねてるだ」

そう言って、じと目で睨まれたら

そうも言いたくなりますって


「あれ、社長に言ってませんでしたか?

 篠山さんも言わなかったんですか?」

ツーカーな二人だから、いろいろお話してると思ってたのに


「うん、言わなかったよ

 ちなみに、理由は、僕だけの秘密ってのも欲しいからかな」

「お前がここで、絵を描いてるのは知ってたが

 絵本を作ってる、または作るってことは知らなかったな

 一応、言っても良いことと悪いことは

 いくら仲が良くても話さないぞ」

そう、前と右から、ぽんぽんと言われると

なんだか、混乱しゃいそう


でも、考えれば

篠山さんは、秘密を護ってくれて

社長は、・・・嫉妬してくれたのかな・・・

そして、今まで待ってくれたんだよね

私が、そう言うことをしてるって


二人っていうイレギュラーな感じだけど

二人は恋人で、だから、そう言うのは私からちゃんと言わないとだよね

逆の立場だったら、私こんなに冷静で居られないかも


なんで、話してくれなかったの?

って言っちゃいそうだもん


「有り難うございます」

そう言って私は頭を下げた

その行動に、篠山さんは、ちょっとびっくりした顔

社長は、頷いて笑った


「社長達が作ってくれたんですね

 これ・・・」

そう言って、手に取る

本の形になった、私の物語

この形になったから、こうしたいああしたいっていう事が

どんどん浮かんできて、線の細さや

どこまで、書き込みしたらいいのかなとかが

よく分かったから嬉しかった


「私も、前回かよ子さんとお出かけして

 その行き先を知らなかったんです

 ついてびっくり、おばさんの時の新人編集者さんが

 今では編集長さんになってて

 ある意味、身内の欲目とかよ子さんのおかげで

 作品を見て貰えたんです

 それで、1冊目をきちんと完成させて

 出版する形になりました


 ただ、今後、私が絵本作家として、がんばれるかどうかは

 分からないんです


 今回、全てが初の試みですし

 物語を描くのも絵を描くのも大好きです


 ただ、今、凄く悩んでるんです」


そう言うと、二人は、頷きながら聞いてくれてる

向き合って話をしたいとおもってた人が

そういう機会を設けてくれてびっくりしたけど嬉しかった


「今、私の前に、幾つも分かれた道があるんです

 1つは、この絵本の道

 1つは、友達と服を作る道

 1つは・・・お二方とのどちらかとの・・・その・・・」

ううう、本人目の前にして言い辛いよ・・・


「あ、ちゃんと考えてくれてるんだ

 よかった」

そう言って、にこりと篠山さんが笑う


「はい、一応」

「ま、一応でも、考えてるだけよしとするか」

そう言った社長の声は、優しかった

あ、機嫌直った、よかった・・・


「あとは・・・物語の題材になった世界への道です」

そう言うと、篠山さんが、え?と声を上げた


「戻れるようになったの?」

そう聞く篠山さんは、どこまで理解してるのか分からないけど

私のむちゃくちゃな話に、私以上に理解してくれてたのかもしれない


「いいえ、まだです

 ただ、その糸口を掴んだ感じなんです

 1度は戻りたい、その時、向こうに残るか

 こちらで暮らすかを決めて欲しいと

 その方に言われました」


そう言うと、ライバル出現・・・かな

そう、篠山さんは言う


「括りつけるか」

ぼそりと社長が不穏な事を言う

「ええええっ!!」

「これ以上ふらふらされると不安でしょうがない

 今まで、ぼーっとしてるかと思えば

 いきなり、走りはじめて、どこに行くと思えば

 手の届かない場所まであるとはな・・・」

ふぅっと社長が、ため息を吐く


ただ、それは、嫌なため息じゃなかった

そのため息は、言葉より、社長の気持ちを語っていた

社長も、今まで頑張って来た

今も、頑張ってる


この会社を作るため、いろいろ頑張ったってことは

うっすら、もれ聞こえてくる噂で知ってる

夢を追うことに、社長が、『否』とは言えないだよね

だって、夢を追ったのは他ならぬ社長自身だもんね


「悩んでるんです

 全て両立はできないんです

 ある人に相談したら、本当に無くなって嫌な物を想像してみて下さいって

 言われたけど、私には、全て無くして嫌な物だったんです」

そう言うと、二人の目が泳いだ


「ゆ・・・ユキちゃん」

「はい?」

ふらりと立ち上がった篠山さんを見上げた


「あー、もう、そう言う可愛いこと言うんだね

 知らないよ」

そう言って、噛みつくようにキスをされた


「えっや・・・っ」

何で?!キスされるの?!?!


くちゅりと、音をさせながら口内をなぞられ

舌を嘗められた


「や・・・やだっ」

そう言うけど、篠山さんは、離れてくれない


「は・・・ぁ・・・」

「ユキちゃん可愛い」

「こら、いい加減離れるか、変われ」


もう、駄目と思った瞬間

名残惜しそうに、篠山さんは、離れて

ちゅっと唇にキスをして終わったけど

私は、満身創痍な気分


「あんまり可愛いこと言わないでよ

 襲っちゃうぞ」

なんて、可愛く言っても駄目です


「さっ・・・篠山さんのえっちっ」

そう言って、私は、荷物を持って

社長室を飛び出した


「うううう・・・

 お・・・大人って・・・えっちぃです・・・」


おはよーな時間にかきあげて 予約20時です


ちょっと長いね、いつもより

ちなみに、まだ誤字脱字報告は受け付けてませんので、暫く待って下さいね~

今日も、予定消化してきます

そして、昨日も起きられませんでした

もう、駄目だね・笑


でも涼しくなって寝やすくなったのは、確かかも~

少し体力は戻りました、よーし、今日はリアルで楽しむぞーっ


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