世界の階(きざはし)4
「り・・・りっちゃん」
「どうしたの?ユキちゃん」
電話口からりっちゃんの寝ぼけ声
うん、だって、今7時だもん
まだ寝てたよね、休みだし・・・
「ごめんね、寝てるところ」
「ううん、いいの・・・何かあったの?」
寝ぼけてても、勘のいいりっちゃん
いつもの私がこんな時間に電話するわけないし
したということは、と推測してくれたみたい
「話ししたんだけど・・・いい?」
そう言うと、じゃぁ、そっちに行くから、朝ご飯よろしくといわれちゃった
うん、お安いご用です
ご一緒してくださいな
私が料理をし終わってご機嫌そうな紫の木に話し掛けけたら
りっちゃんがやってきた
「おはようユキちゃん」
うん、合い鍵って便利だよね
一応、来たよってチャイムは鳴らしてくれるから
予測はできるし、あとは、お任せできるもんね
「おはようりっちゃん
食べよう~」
食卓に並べた料理を食べながら昨日あった出来事を話した
「そっか・・・戻れるのね」
ちょっと複雑そうなりっちゃんの顔
でも、嬉しさもかくしきれてない
「まだ、どうしたらいいか解らないけど
私、1回は、あの国に戻りたい
でもね、水の王様が言ったとおり
もう、ホントに考えなきゃいけない時期だと思うの」
私が力強くそういうと、りっちゃんは私をじっと見たまま
こくりと頷いた
「うん、今が丁度その時期だと思う」
「私ね、どっちも好きなの
りっちゃんとお店もしたい、絵本作家にもなってみたい
それに、やっぱり、結婚もしたいし・・・
だけどね、竜の国で、・・・ううん
竜の国の事をもっとちゃんと知りたいの
それで、みんなと暮らしたいってそう思うの」
そう言うと、りっちゃんも、こくこく頷いて
興奮したように答えてくれた
「うん、その気持ちよく分かる
私もその立場だとしたら、すっごく悩むとおもうの
だって、どれもとっても魅力的で
知りたい、やってみたいっていう気持ちがどんどん溢れちゃうもん」
だよね~、私もそう
これが、道だとしたら、どの道選んでも面白そうで
でも、大変そうで
でも、やってみたくてたまらない
「あのね、居なくなるのは寂しいの
もちろん一緒にやって行きたいのが一番だけどね」
りっちゃんが訴えかけるようにそう言って
私の手を取った
「後悔だけはしないで
どう行っても、ユキちゃんの人生で
それをユキちゃんは楽しんで精一杯生きればいいと思う
私も、そうした
そして、これからもそうするの
だからね、悩んで、悩んで選んだらいいと思うの
頑張ってね」
そう言われたとき、私の目から涙が溢れた
一番大事な時期に私は、こんなに優しくて心強い言葉をかけてあげられたかな
りっちゃん・・・ありがとう
「それとね・・・ユキちゃん
一番に相談してくれてありがとう」
私こそ、相談に乗ってくれてありがとう、
頑張る、一杯悩むし、一杯相談すると思うけど
ちゃんと決めて自分で選ぶよ
ありがとう、りっちゃん
大変遅くなりましたぁぁぁぁぁ
すいません、帰りが遅くなりましたぁぁぁ
ということで、どーぞ、楽しんでくれると幸いです
では、また明日ー