世界の階(きざはし)3
「小娘、聞こえるか」
私の頭の中で、響く声
んー水の王様っぽい声だなぁと思ってると
馬鹿者、聞こえてるなら返事をせんか、と叱られた
あれ・・・これ、ホントに繋がってるの
ぱちりと目を開けても暗いけど家だよね
頭の遠くから、ノイズが聞こえてくるのは水の王様がはなしてるから?
目を閉じると、こら、小娘っとの声
うわんわんと、頭を響くほどの大音量でくらりとめまいがする
「ううう・・・」
うめき声しか上がらず、でも、それでもその声が届いたみたいで
水の王様のほっとしたため息が聞こえた
「まったくどういうことだ?」
そう、聞く水の王様に、私も説明したいけど、説明できない
「こんばんは、水の王様」
私がそう言うと、ふふぅ・・・と笑いともため息とも付かない声
「かわらんな・・・」
「はぁ・・・」
何のことをいわれてるのか解らないから曖昧にしか返せないけど
その柔らかな声色が嬉しい
さっき迄は、ぴりぴりとした緊迫した気配だったもん
あ・・・今、向こうと繋がってるんだ
「あっあのー
みんな元気ですか?!」
私が急に慌てだして、そう聞くと、水の王様は元気だが寂しがってると答えた
そして、今は部屋にはないとのこと
・・・ん?ばらばらになっちゃったのかな
「それよりお前のことだ
何故、帰ってこない」
「帰れないだけです、帰りたいのに・・・」
そう言うと、う゛ーんという深い声
「帰れない・・・んだな」
確かめるように聞かれるので、はい、と頷く
「鏡もうつらない、そちらを想像しても行けないんです」
私がそう説明すると、ふむふむと頷きながら聞いてくれる
「ただ、紫の木が・・・ううん種が来たんです」
そう言うと、くすり・・・と笑った
「そうだろうな、送ったからな、あいつが・・・」
そう言って楽しそうに笑う
「そうか、それは届いたか
ならば、完全に閉じてる訳じゃない
よし、わかったならば、原因をこちらで突き止める
あとは、お前の意志だ」
水の王さまの意識に私は包まれた気分
水の中で話してる時もこの感覚によくなった
気持ちいいとか悪いとかじゃなくて
なんか、今は懐かしいよね
「私の意志・・・ですか?」
なんの意志だろうか、竜の国に帰りたいか、なら
もちろんですよ
「お前は、竜の国で暮らすか?」
あれ・・・もうそこまで行くんですか・・・
もう言ったら帰れないのかな・・・
「ごめんなさい・・・まだ、決められないです
ホントに優柔不断でごめんなさい
でも、1回は帰りたい
嫌いって言ったのはせめて謝りたいんです」
そう言うと、水の王様は、そうだなと笑った
「二度とそっちに帰れない訳じゃない
ただ、もう、回数は、1度や2度だろう
そうして置いた方が、お前の覚悟もできるだろう
また、聞く
その時には覚悟を決めろ
帰ってくるのは、帰ってこい
世界は、異様なまでに変質しているぞ」
そう、言うと、ぷつりと、テレビが消えるように
しんとなった
包み込まれた気配も、水の柔らな音も全部消えちゃって
時折聞こえる、車のクラクションの音が響いて来る
「水の王様・・・だ・・・
よかった・・・ホントに、よかった」
話している間は、もうそれで、それしかなくて
一所懸命話してたけど、
ホントに繋がってる実感がでたのは、その終わった後
ちらりと紫の木を見ると
ぽうっとやわらかく光ってる・・・
「ありがとうね、きっと繋げてくれたんだね
頑張ってくれたんだよね」
そう言う声が震えて、唇がわななく
ぶわりと浮かんだ涙で、木の光がぶわん滲んだ
よかった・・・ホントによかった・・・
竜の国不在時の草案完成
これで、齟齬はほとんど生じないはず・・・と思います
もし、齟齬が生じるようなら、どっちかかきなおしー!となりますが
その点はご勘弁を・・・
今日はまだご飯食べてないです、パスタでもたべよっかなぁ♪
クリームかチーズか・・・ちょっとこってりしたものが食べたい
でも、スープパスタも捨てがたい・・・むぅむぅ
では、また!あしたー♪
ps 水の王さまは、小娘っていってましたっけ
あれは、諸悪の根元だったような・・・遠い目
また後でなおしますー