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それぞれの夢に向かって21

「じゃぁ、お前とはしっかり話し合いしなきゃいけないな」

竜の国の話をし終わって社長にそう言われた

訳が分からなくて小首を傾げると

「結局は、齟齬だろ?

 自分の考えてることと、そいつらの考えてることが

 全く違ってることに気付かないぐらい

 話し合いがなかったわけだ」


あ、そうか、そうなるんだよね


「僕らは同じ人間同士だからって言っても

 生まれも育ちも、環境も

 考え方も性別も違ってて、だから

 そういう意味でちゃんとお互いのこと知りたいなって思うから

 話し合いしようねってこと」


篠山さんが、フォローを入れるようにそういう

あ、そっか、変人の社長を

解説するのが篠山さんだもんね

ふふふ、なんか二人で一つでいいなぁ

ツーカーだよね


「恋愛に対して、私、こんなに奥手だと思わなかったです」

そう言うと、ぐほっという声の後

社長が噎せた


「だ、大丈夫ですか」

何度か空咳をして、ちょっと涙目で私をちらりと見る

「なん・・ですか?」

うーん、なんかちょっと怖いかな・・・

そのちらっと見られるのが


「キスすら満足に出来なくて

 まだ処女の癖に?」

ええええ・・・処女って・・・

社長、そんな事いっちゃう人なんですか?!


それに、何ですか、その決めつけた感は

もしかしたらしちゃってるかもしれませんよ

・・・いや、その・・・

はい、まだですけど・・・


でも、子竜ちゃんたちに、あんなことや

こんなことされちゃって

でも、あれはマーキングだから、関係ないのかなぁ

うわぁぁぁん、思い出すなー思い出すなー私っ!


「はいはい、ストップ、落ち着いて」

ぱしぱしと、手を叩いて、篠山さんが、私の注意を向けさせる

あ、暴走仕掛けてましたね


「寛人、直接過ぎ」

まったくもう、と呟いたら

社長は、お前も似たような事言ってただろうが・・・と

なんか二人でちょっとした口論


いや、二人からして、絶対に『ま《・》だ《・》』なんですね・・・私


「まだでしょ?」

そう聞かれて、私は、頭の中でそう考えてたのも有って

こくりと自然に頷いちゃった


「だよね~

 ユキちゃんの初めては、僕か寛人ー」

ちょっと・・・楽しそうですね


っていうか二人とも呑んでないのに

そんなこと言っちゃうんですか、

うわぁぁぁん、男の人だよぉぉぉ


「もっもしかしたら違う人かもしれませんよっ」

悔しいのでそう言ったら

二人の目が怖かった


すっと、見据えられて

社長は、ほぉ~?なんて言うし

篠山さんは、笑顔なのに、目が笑ってない


「絶対邪魔するから」

え゛・・・なんか可愛くいっても

可愛くないセリフですよ


「それに、もう少し恋愛してからね

 初めてだろうし、

 なんかおつき合い自体もまだまだだろうから

 1.2.3ステップで楽しんでいこうね」


そう言って、篠山さんが、にこりと笑う

その笑顔はいつも通りで、ちょっと安心する

こくりと頷いて、私もお二人のことが

ちゃんと知りたいって思って

デートに誘おうって思ってたんです


というと、何故か感動されちゃいました

私って、そんなに受動的ですか


「あんまり可愛いこと言うと

 身の危険覚えてもらうよ」

そう言ってくすくす笑って篠山さんが近付いてくる

ん?身の危険ですか・・・

殴られるの?


そう思ったら

ちゅっと、唇にキスをされた

そして、ぺろんって嘗められた


うわぁぁぁん

なんかデジャブー

子竜ちゃんたちなのかなぁ

それとも、社長となのかなぁ


「あはっかーわいいの」

そう言って、二人で満足そうに見てるのが

ちょっと癪に障りますよーだっ

もう、やっぱり私で遊んでるでしょ!

予約20時


今日は、夏空

にゅーどーぐもが綺麗だね!

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