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それぞれの夢に向かって5

「大きいでしょ?」

いきなりの声にびっくりした


「すいません、驚かしちゃって」

そう言って、謝った濃い緑のエプロンをした女の人


この緑、ときわちゃんの緑だよね


「いえ、すいません、勝手に触っちゃって」

そう謝ると、彼女は首を横に振った


「安心するんですよね~、この木」

そう言って、彼女も、私と同じようにぺたりと木に触った


「私が勤める前からいるんですけど

 もう、ここの主ですね

 すっごく元気だし、私もつい、挨拶しちゃいます」


う・・・聞かれてましたか・・

ちょっと恥ずかしいかも・・・


「植物に声掛ける人は、植物のことが好きな人だから

 つい、お話しちゃいます

 ところで、今日は、どのようなものお探しなんですか?」


そう聞かれて、当初の目的思いだしました


「鉢がほしいんです、5つ

 これっくらいの、種で、これっくらいの双葉が生えてるんですが

 頂き物なので、種類はよく分からないんですよ」

「鉢ですね、じゃぁ、こちらのコーナーになります」


そう言って、さくさくと前を歩く女の人

楽しそうに揺れるポニーテールが、彼女の気持ちを表してるようで

私も楽しくなる


「最近、いろんな種類が出てますよ~」

そう言って、見せてくれたけど

優柔不断な私、なかなか決められないので

彼女は他のお客さんに呼ばれて行っちゃった


ん~どれにしようなぁ~

色々考えた結果

昔ながらの無骨な赤い鉢のより

ちょっと色も薄いし、模様の可愛いテラコッタの方が

白い砂の雰囲気にも似てるし、可愛いから、

テラコッタにすることしました~


結構安いしね!

部屋の中に置いても、雰囲気壊れそうにないから、ちょっと嬉しい


丸形じゃなくて、四角型だから、並べて置くと可愛いしね~

やーん、楽しみ~


「よいしょっ」

重ねて持ったのは、いいけど、

5つは無謀かしら・・・

タクシーで帰ろうかなぁ


ふらふらしらながら、レジに持っていくと、

さっきの女の人


あっという顔をした時、私は、足下にあった何かにつまずいた


「せ・・・・セーフ」

女の人が、カウンターから身を乗り出して

前側を支えてくれた


「すっすみませーーん」

もう、謝るしか出来ません

ごめんなさい、割れるところだったし、怪我させちゃったかもしれない


「いえ、こっちは平気でしたけど

 持って帰れますか?」

って言われる程度には、無理そうだって事だよね

「無謀だと思い始めた所です

 タクシーで帰ろうかなぁって思ってます」


そう言うと、女の人は、にこっと笑って

「宅配サービスしましょうか?」

って言われて


はいっ是非お願いします


土と鉢とで、3000円以上だったので

30分の送迎なら無料

それ以上になるなら、有料とのことで、

有料になったら、後会計で払うということで

軽トラに乗り込みました


運転手はさっきの彼女


「白鳥です、どうぞ、よろしく」

そう言って、車に乗り込んだ彼女は

ちょっと格好良かった


私と違って、てきぱきとした動きで

テラコッタ鉢と土を荷台に積み込み固定した


「私、佐藤っていいます、

 今日は、有り難うございます、助かりました」

そう言うと、彼女は笑って


「仕事の一貫ですけど、

 ちょっと、ドライブ行きたかったので嬉しかったかも」

なんて、優しい言葉


植物が大好きな人なのに、そのお仕事が嫌なわけもない

嫌な顔もせずに、宅配サービスがある事を

申し出でくれて私も嬉しかった


白鳥さんの運転は、荷台に割れ物が乗ってることもあって

安全運転

私の家についた頃には、20分だったから

延長は確実だよね


そう言うと、行きの時間で計算ですよ、とのことで

延長料金は無し

・・・なんか、損させてない?って気分になったから

そう言ったら、タクシーと同じですよって言われて

ちょっと恥ずかしかった


たしかに、タクシーに乗っても、片道分しか払わないよね


ただいまー、今日は早めに帰宅できたー

よかったぁぁぁ


そろそろ、私とお仕事の扉が閉まりそうです(笑)私的に・・・苦笑

もう、呼ばれてもいくもんか!

後ろ盾って大事だなぁとしみじみ思う今日この頃でした

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