当たり前の日常5
「おかえり、ユキちゃん」
食事から帰った会社の入口に持たれて、帰って来たばかりの私に
そう言ったのは篠山さん
ちょっと固い声
あれ???なんで????
「がんばってねぇ~、昼から暇だし、秘書してなさいねー」
なんて、岡崎先輩が私の退路を奪う
見捨てないで下さいーっ
なんか、篠山さん怖いんですけどー
「ありがとうね」
そう言って、手を挙げて岡崎先輩を見送る篠山さんはいつも通り
あれ?私だけが問題???
私何かしでかしたっこと???
何したっけ?
「さて、お許しも頂いたし、出ようか」
そう言って、ぱしりと手を取って駐車場に連れ行かれた
この前の可愛い車じゃなくて、
会社の営業者
「はい、乗って乗って~
社長にも、課長にも許可貰ってるから大丈夫
2箇所をお得意さま巡りね」
そう言って、呆然とする私を後目に篠山さんはてきぱきと
指示を出して、行動してる
私は、ただ、それにしたがって、シートベルトを引きずり出した
かちん、と金属がぶつかる音がして
シートベルトが締まると、篠山さんは、車を発進させた
「ど、どうしたんですか?」
とりあえず、聞かなきゃ
「どうしたも、こうしたもないなぁって感じ
あいつから、聞いたときは、本当にはらわた煮えくり返るかと思ったよ」
にっこりと素敵な笑顔で笑う篠山さんなのに
言ってることは、かなり黒い
あいつって、誰だろう
今日のことだろうから、やっぱり社長かな?
「解ってない顔だよね」
そう言って、くすりと笑って
黒い気配は、膜を剥がすように消えた
え、演技なんですか?今の・・・
「あはは、慌ててる可愛いな~
可愛いユキちゃんが、寛人に可愛いこと言ったらしいからねぇ
僕には聞かせて貰えないのかなぁって思って
連れ出したのさ」
あ、やっぱり、社長のことであってたんですよね
可愛いこと???社長とちゃんと向き合うってのが
可愛いことなのかなぁ?
「ユキちゃんと街中で有って、あいつより一歩リードしたかなぁって
思ってたのに、本人によって挽回
いや、むしろ向こうにリードを許したって感じかなぁ」
でも、篠山さんと出会って良かったって思ってますよ
だって、あの時篠山さんに出会って無かったら
私、今日会社に来れたかすら怪しいですし、
イベントや、兎の穴ので、頑張れ無かったと思いますもん
「そ、そんなことないですよ
篠山さんには、一杯助けて貰ってますから」
そう、私が言うと、それはそれ、これはこれ・・・と言って
信号待ちで、止まった時、篠山さんは
私をちらりと見た
その表情が、男の人の真剣な表情でどきっとした
ちらり、と見られてるだけなのに
私は、その視線に縫い止められたように
周りに沢山の糸があるようで、それに絡み付くようで
私は、動けなかった
「これって面白くないよね」
ぼそりと呟いて、車を発車させる篠山さん
私の心拍数を標準に戻してくたさい!
お腹一杯+幸せα波堪能で帰って来た主人公ですが、いきなりさらわれちゃいましたねぇ、いやはや、やるもんです、篠山さん、さて、今夜の夕食は、おにぎり+ポークピカタ+レタスと胡瓜とトマト添え+破竹と根昆布炒め+ごま豆腐でしたー、うまうまー、さーて、ごりごりかきますよー、サイトは放置ですよー・・・しょぼん、また明日!