当たり前の日常4
仕事はいつも通り、忙しくもないし、暇でもない
カタカタ打つキーボードと、電卓もリズム良く
計算も、2回でぴたりと有った
伝票も切り間違いもないし、クレームや、営業の電話も無し
そんな、いつもの日常が、気楽で嬉しい
岡崎先輩とも変わらずで、お昼一緒してイベントの話しと
兎の穴で、服を飾ってることを話ししたりと楽しかった
「私も、ユキちゃんに渡すものがあるの」
そう言って、渡されたは
厚めの白い封筒
角にエンボス加工されただけのシンプルな封筒
「私に手紙・・・ですか?」
あれ?何かしたっけ、私
「良いから開けなさいよ、じれったいわねぇ~」
そう言って、笑う岡崎先輩は楽しそう
でも、じれったいと言うだけ有って
ちょっと、いらっとした表情をしたから
私は慌てて封筒を開けた
するりと引き抜くと、
縦二つ折りのハガキ
表面上部には、水色とピンク、
そして金の蔦と花が絡み合った柄があってる
あ、これ、招待状なんだ!!!
水色とピンクは新郎と新婦の色
金色や花は、輝かしい未来でも表してるのかな
箔押しと、エンボス加工されてて、その立体感がすごく綺麗
でも、一番凄いのは蝶
色は、同じく水色とピンクと金
ハガキの表面に模様を書いてるだけじゃなくて、
留めになってるのが凄いの
下の紙にくっついた蝶は、羽をたたむと
手紙を開くことが出来るようになってて、
そういう遊び心にうっとりしそうになる
「いやぁーん、先輩趣味良い~」
私がそう言うと、にかっという風に笑った
「あったりまえでしょぉ~
一生に一度だから、作らせてやったわ」
・・・え゛?
今、作らせてやってわって言いましたよね
「だって、それ、会社で作ったやつよ
元は、他の人のデザインなんだけどね~」
なんて、カラカラ笑ってる
え゛ー、デザイン窃盗罪ですよね~
まぁいいですけど、可愛いから
元が有るんだ、これ
「オタクなもんばかり作ってないで
人生の門出祝いなさいよって作らせてたら
あっさり作ってきて、それはそれで腹立ったわ~」
え゛え゛え゛え゛ー、出来たんだから良いじゃないですか
むしろ、出来なくて、四苦八苦して欲しかったんですか?
「やぁねぇ~、何、びっくりしてるの
できると思ったからさせたに決まってるでしょ
でも、ここまで早いとは思わなかったし
ちゃんとアレンジも加えて来てるものね~
あいつら、意外とやるわよ」
そう言って、先輩も、まんざらじゃ無さそうに笑って
蝶の羽を指でなぞった
中は、おきまりの、ご出席とご欠席の文字
私のには、もう、○がついてる
当然、出席に・・・
「許可貰ってるから、良いでしょ?」
そう言って人の意見を聞かないのは岡崎先輩らしいし
もともと行く予定にはしてたので、それはいいけど
わざわざ、ご出席のごは、斜め線で消してるし
やることが細かい
もー、工房の人たちのこと笑えませんよ
先輩も凝りすぎですっ
って言ったら、いっしょにしないで頂戴
って怒られちゃいました
やっぱり、作る物は違うけど、職人さんは凄いし
先輩も、印刷なんて興味ないのかと思ったら
会社で作れるものが解ってて、かつそれを任せちゃうんだもん
信頼してるんだなぁって思うし
それを任せた、未来の旦那さまの懐の深さも素敵
先輩は、来たパスタを綺麗にフォークに巻いて食べてる
私が見てるのが解ると
ほら、あんたもさっさと食べなさい
なんて、言うけど、その言い方は優しくて
先輩を包む空気が柔らかくて、
本当に幸せそうで、楽しそうでとっても素敵だった
良い見本だよね
よーし、私も頑張るよー
ただいまー、岡崎先輩からの蝶の招待状は、海外ものですがリアルにあります~、胸下切り替えリボンの、服っぽいのもあったけど、岡崎先輩なら蝶かなぁとおもってこっちにしましたー、遊べる印刷会社って素敵ね!では、次の更新は9時半頃かな・・・おやすみなさい