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嵐の後の世界3

ぱちりと目が開いて見えたのは

白い世界だけど、いろんなものが溢れてて

竜の国じゃない事を知る


やっぱり戻れないのかな

嫌いなんて言ってごめん、感情で話しちゃった

でも、おかーさんじゃないって言われて

今までの事、全部を否定された様で

売り買い言葉じゃないけど、気がつけばそう言ってた


みんな、泣いてないといいけど・・・


ベットから体を起こすと、

急に現実味が増してきて

べたべたする体と汗をかいた頭が気持ち悪い


ソファーを見ると、篠山さんが寝てる

そうだよね、ベット1つしかないのに、私が取っちゃったから

眉間にしわがよって、ちょっと疲れた顔をしてる

いつも、柔和な顔で、そんな辛そうな顔をみるのは初めて


竜の国から帰って来て

ううん、はじき出されて部屋じゃなく

外での帰還

篠山さんが丁度居てくれたから、助けてくれたけど

居なかったらどうなったんだろう


しがみついて、わんわん泣いて

訳の分からないこと言っちゃった気がする

でも、言わずにはいられなかった


もし、一人で家の中に帰って来てたら

どうなったんだろう

こんな風に倒れて、熱出して、久々に吐いて

前後不覚になるぐらい泣いて

鬱々しちゃったのかな


誰かがいるっていうのは

こんなに心強いものなのかな・・・


そっと、篠山さんの眉間のしわを撫でてみる


瞼がぴくりと動くけど、まだ目覚めない

心配して、夜もあんまり寝られなかったのかな

優しい人、

まだ明るいから、本当はお仕事中な筈だよね

休んでくれたのかな?


机の上にある携帯電話の時刻は13時27分

何日なのかな・・・人の携帯触るわけにもいかないし

新聞もないね


きょろきょろと辺りを見てると

髪に違和感を覚えた


「大丈夫?」

少し掠れた声が色っぽい


「はい、有り難うございます

 少し元気になりました」

そう言うと、掴んでた髪を放して、体を起こした


「良かった、街で見つけてから

 泣いてるし、熱出すし、意識朦朧としてたからね

 何があったか詳しくは解らないけど

 今は、詳しく聞かない

 元気になって、話したくなったら話して

 僕に解る事じゃないかもしれないけど、

 話すって結構、良いだよ」


そういって、にこりと笑ってくれた

その笑顔が優しくて泣きそうになる


「シャワーぐらい浴びる?

 汗かいて気持ち悪くない?

 服は、たぶんユキちゃんのだと思うの拾ってきたよ」

そう言われて、汗だくでべたべたの体と髪を再認識して

気持ち悪さが倍増した


そして指さされる方向には、竜の国で作った服


「空からね、ばさばさ落ちてきたよ

 ビルの上からでも落とされたのかなぁ」

不思議な現象ですよね・・・


手に取って、何枚か見ると

イベントに出す用として作った服ばかり

私が着てた日常用の服も、かぼちゃパンツもないし

針も釦もない


「ユキちゃんのだった?」

そう聞かれて頷いた

「はい、私のです、向こうで作った服なんです」

ほっとしたように息を吐き出した


「凄い量だし、綺麗だよね」

そう言って1つ手にとった篠山さんが

まじまじと見る

慣れて上手くなったとはいえ、やっぱりまじまじと見られると

ちょっと恥ずかしい


「有り難うございます」

そう言うと、お世辞じゃないんだけどなぁと言われちゃった

うん、解ってますが恥ずかしいんです


「あ、もしかして恥ずかしいのかな

 この出来だったら、恥ずかしがることないのに」

そう言われても、ね

やっぱり恥ずかしいですよ


「ふふ、赤くなった

 着替えの服はあるけど下着とかはないから

 家に一度帰るかい?」

それもそうですね、いつまでもお世話になってる場合じゃないですし


「迷惑、だなんて思ってないからね」

そう言われて、はっとした

そう、迷惑だよなぁってちょっと思ってました


「あの時、会えてよかったって僕は思ってる

 もし、他の誰かや知らない人に出会って

 無防備なユキちゃんを見られなくて良かったし

 一緒に居られて嬉しかったよ」

そう言う篠山さんは、嘘も偽りもない表情と言葉で

私に語りかけてくれる


「でも、流石に、服変えたりとか

 体拭いたりとか、お風呂入れちゃうとか

 そんなこと出来ないしね~」

なんて、言うものだから、もぅ・・・って言うしか無くなっちゃう

気すら使わせてくれない


「本当に有り難うございます

 私もあそこで出会ったのが篠山さんで良かったです」

そういうと、ちょっと赤くなった


「はいはい、とりあえずシャワー浴びて

 家行こう、あんまり遅くなると

 まだ本調子じゃないんだから、気分悪くなっちゃうよ」


そう言って、お風呂場に連れて行かれた

照れた様子は見られたくないのかな

ちょっと可愛い一面も見られて嬉しいかも


肌に当たる温かい水とその刺激が気持ちいい

シャンプーお借りしますー


ちょっと復活した主人公ですねー

と、いうことで、ただいま、そしてごちそうさまです、お腹一杯の時に注文するとどうしてキャパ以上の注文しちゃうんでしょうねー、と言うことで外食でした、本格中華久々で美味しかった!

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