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しばらくは竜の国6

「いるかぃ?」

あ、ルアンさんだ


「はーい、居ますよー」

そう言ったら、みんなごろごろしてたのに

ルアンさんの気配で、ざっと立ち上がった

ふわりと、白い砂が舞い上がって

ちょっと噎せそう


「入らなくていいよ」

そう言ったのは、たんぽぽちゃん?

「ん?」

そう言いながら、入ろうとしたルアンさんに

殴りかかったのは、ときわちゃん

ルアンさんは、さらりと受け流すけど、

若干驚いたように、目を見開いた

うん、驚くと思うよ・・・


「入らなくていい」

るりちゃんが、ルアンさんを見据えて言う


え?みんなどうしたの?

ぴりぴりと緊迫した空気が出来ていく


私と、ルアンさんに隔てる壁のようにみんなが立つ

今は、もうルアンさんの表情も見えない

ただ、そこにルアンさんのいる気配と

その方向に流れる気配が解る


くるりと振り返ったのは、こくちゃんとはくちゃん


「今日は、ここにいてね」

「下、来なくていい」

2人の口から紡がれる言葉が

理解できるのに、解らなかった


「ど、どうして?」

完全なる拒絶が痛い

何かを言っても、聞き入れてくれない

そんな雰囲気で、聞こえてきたのはルアンさんの声


「じゃぁ、私は下行くよ

 姫も、またねぇ」


明るい声、とがめても怒ってもないような声

足音が遠ざかっていく


「誰か、来ても入れないでね」

ぎゅっと抱き締められて言ったのはべにあかちゃん

すりすりと、頭をすりつけてるのは

匂い付けしてるから?


「じゃ、行ってきます~」

きゅっと抱き締めたり、ほっぺたにちゅうをしたりして

みんなが挨拶をして、次々に降りて行っちゃう


「駄目、だよ」

そう言ってにっこりわらったのはあやめちゃん

ついていこうとしちゃう、私をそうやって押しとどめる


みんなの足音も聞こえなくなる


ぽつん、と部屋に残されると急に不安になった

置いてけぼりはやだなぁ・・・


それも誰もいないところに・・・


ルアンさん、避けたけど殴られちゃった

やっぱり、前回の事が尾を引いてるのかなぁ

もう触ったりしないし、触らせないよ?

そう言っても、きっと信じてはくれないんだよね・・・


「いろいろ悩んじゃうだろうけど

 あの子らもみんないい子に育ってるし

 あんたは、あんたがやりたいように

 していけばいいんだよ

 困ったことがあれば、いつでも言いな、ね」


そう言ってくれたルアンさんの言葉が浮かぶけど

ルアンさんにすら相談できない


何かしてないと、堂々巡りの感情が

頭の中をぐるぐるしちゃうから、

縫い物してもちっとも進まない・・・


どうして?

何故?

そればっかりが、頭の中でぐるぐるしちゃう


「あ・・・」

そうだ、水の王さま

相談に乗って貰おう、うん、それが良い


針と布を片付けて、ぱさぱさと服を脱ぐ

そういえば、最近水の王さまとお話する暇無かったかも・・・

きっと教えてくれるよね


私も残念な日、ゆきちゃんも残念な日ですね、今日の夕食は、かつおとまぐろのたたき(できあい)と大根とレタスのサラダ、庭の菜っぱの卵とじ、茄子とブロッコリーの炒め煮、今スイカ食べたー、ちょっと甘さがたりなかったなぁ・・・でもさっぱりさっぱり♪

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