しばらくは竜の国3
「あ、今回、ゴム買って持ってきたんですよ
後で渡しますね」
練習が開始したので、邪魔にならないように
定位置の切り株で、ブロージュさんに言うと
いつもの綺麗に微笑みではなく、満面の笑みで
「流石、姫様です」
と褒めてくれた
うーん、約束は守りますよ、ちゃんと見せるっていったし
とりあえず、半端なく嬉しそうです
ルアンさんと、ヴェルデさんに教わってる
みんなは真剣そのもの
今日みたいに、みんなで取っ組み合いしちゃうんだもんなぁ
それで、それが喧嘩じゃないって・・・
う゛ーん、ここに居るなら慣れなきゃ、なんだろうなぁ
「何、考えこんでんだよ」
頭の上から降ってきた言葉に、顔を上げると
ロートリアス
いつの間にか、ブロージュさんは、
ルアンさんたちの方に合流してた
「んー、ここに居るなら
こういう戦いってのにも、
慣れなきゃ・・・なのかなぁって思って」
ちょっと、嫌だけどね・・・
「あんたは、こういうのがキライなのか?」
ちょっとびっくりした顔、そう言えば、ロートリアスと
ゆっくり話しするのって始めてかも
「うん、ちょっと苦手・・・
喧嘩とか、血とかは、全然駄目で
話聞くだけでも駄目だったもん
でも、こっちに来てから、少しは強くなったんだよ」
肉とか肉とか肉とかのおかげで・・・
「オレからすると、信じられないな
戦わないで居られるのが」
くすり、と笑うロートリアスの顔は
いつもの意地悪な顔と違って、ちょっと優しかった
「うん、私も逆にびっくりした
挨拶とか交尾・・・する前にも戦うんだって
お互いがよく解るんだよ~ってルアンさんに聞いても
痛い、の方が先に来ちゃうの」
そういうと、ああ、そういう事か、と納得した顔
「たしかに、あんたは他の物を傷付ける事を厭うよな
むしろ、育てる方が好き」
そうだろ?という表情のロートリアス
うん、その通り、作るとか、育てるの方が向いてると思う
ここでは、服作りと、紫の木しかまだ育ててないけどね
「あんたのおかげで、世界がバランスがましになった
ありがとな」
そういったロートリアスの笑顔が、眩しかった
嬉しい、と顔に書いてあるような笑顔
純粋でとっても優しい笑顔
「ううん、少しお役に立てて嬉しい」
なにかしてる方が、居てもいいって気分になる
「あんたは、欲がねぇな」
そういうと、ロートリアスは、
私の頭をぐしゃぐしゃって風に撫でた
「もー、折角まとめてるのにー」
そう言ってロートリアスを見ると、
いつも見たいな意地悪な顔
「あんたは、下ろしてる方が似合ってるっつーの」
そう言われて、顔が赤くなったのが解る
熱い、顔が熱いです
っていうか、そんな事いきなり言わないで下さい
心の準備が出来てませんよ
「ばーか、本気にすんなよ」
にやにやした顔でいうロートリアスだけど
あんただって、ちょっと赤い顔してるじゃん
「う、うるさーい」
そう言って、ロートリアスにお返しとばかりに
髪をくしゃくしゃーってかき混ぜた
よしっやってやった!
ふふーん
「おまっ何するんだよ!」
そう言って、ロートリアスがもう一度と手を伸ばしかけた時
「何、してるのかなぁ?」
近くにいるのはべにあかちゃん
むっとした顔をして、ロートリアスをにらむ
「人のに触らない、触らせない」
そう言って、髪を撫でてぎゅっと抱き締めてくれるけど
いつもみたいに、優しい雰囲気じゃない
「ごめんね、べにあかちゃん」
そう言うと、ふぅ・・・とため息
「他の竜みない」
こつん、と額を額を合わせれて、じっと私を見る
私もじっと見返すけど、べにあかちゃんからは
何にも読みとれなかった
「はい」
そう言って、押し込まれるのは、家への入口
「待ってて」
そう言うべにあかちゃんの始めて見る冷たい表情
いやってことなんて、言えない雰囲気
「解った」
そう言うしかなくて、階段に足をかけて部屋に戻る
ぐるぐる続く階段
ぐるぐる回る思考
けんか、しちゃった
叱られちゃった・・・
ぽたぽたと涙が出てくる
ロートリアスと、始めて仲良くなれそうで
はしゃいでたのは自分でも解ってる
触らしたし、触っちゃったから
それも嫌なのは解る
でも、こんな、怖いぐらい
拒絶されたのは始めてで
私は、もう泣くしかなかった
はじめて、怖い・・って思った
いつも、べったりくっついてきて、
甘えてくるべにあかちゃんなのに
ひとかけらの甘さも優しさも無かった
あれが、竜の本質・・・なのかな
「ふっ・・・ぅ・・・く・・・」
部屋に着いて、布団を抱えていつの間にか泣き寝していた
ただいまー、ちょっと遅くなりましたー徐々にころころ転がってきました「転」が、え?転ってそういうものじゃないと(笑)アンケート沢山答えてくれてありがとー、またコメント拾ってかえしまーす、まずは、ごりごり書き溜めしまーす