しばらくは竜の国2
「姫!帰って来てたのかぃ」
そう言って、いきなりの浮遊感
ル、ルアンさーん、凄く吃驚するので
いきなり抱き上げるのはやめて下さいな
「はい」
かろうじて頷きながら返事をするけど
ルアンさんは聞いてないみたい
私をぎゅっと抱き締めて、幸せって顔してる
あれ?堪能されてます?
「今日は授業の日ですか?」
「姫が居なかったからねぇ、いろんな所に連れてってたんだよ
まぁ、今日は授業にしてもいいね」
ああ、そっか、練習と実践するとか、なんか言ってた気がする
嫌かもしれないけど、必要だからねぇ
それに、相手にも必要だから
とのことだったけど、聞かないふりしてたっけ・・・
「あの子たち、少しは強くなったよ」
さすが、姫が育てた子だねぇって
ルアンさん、なんかベタ甘ですよ?私に
でも、そう言われて悪い気はしないんだけどね・・・
ふふふ、良かった、いい感じにみんな育ってるってことよね
「ほら、下行くんでしょ」
そう、るりちゃんに言われて、
ルアンさんは、そうだねぇとそのまま移動
あれ?階段降りなくていいのは楽で良いけど
抱っこのままですか
下に降りると、夏らしく、紫の木の葉っぱは濃い緑
そういえば、この子たちに、育てーしたらどうなるんだろう
みんなが頑張ってる時にしてみちゃおっかな
今回、種は、置いてけぼりにしてみんなにお任せ
今は私が、袋に入れて持ってるけど
ちょっとふっくらしたぐらいで変化はなし
まだまだ、硬い種
頑張って育ってね
「お帰りなさい」
にこり、と笑いながらブロージュさんが言う
「お帰り、姫さん」
そう言いつつ、ルアンさんを見てるヴェルデさん
ん?抱っこですか、そうですよね
いい大人が抱っこされてちゃ
変ですよね、はい
「そろそろ、降りますよ?」
そう言うと、ぎゅっと抱き締めて、すりすりっとされたあと
下ろしてくれた
なんか、ほんと、ルアンさんの娘みたいな気分
ルアンさんがおかーさんなら
私、かなりの甘えたちゃんになっちゃいそう
居なかったら泣いちゃいそうなぐらいの・・・
だって、それぐらい甘やかしてくれるんだもん
兄弟多かったから、こういう経験ってあんまりないから
ちょっと嬉しいかも
「ただいま」
そういって、ブロージュさん、ヴェルデさん
ロートリアスに挨拶する
「もっと早くに帰ってこいよな」
あれ?ロートリアスに突っかかられました
「これでも急いだんですよ」
うん、かなり急いだ、だって夕食も食べずに
さっさと帰ってきたもん
だから、ちょっとお腹が空いてる
お風呂も入らなかったし、これが終わったら
水の王さまに挨拶して、温泉に入るんだもーん
「ねぇ、やらないの?」
みんなが、口々に言う
大人井戸端会議してる場合じゃなかったね
「あぁ、ごめんごめん
始めようか」
そう言って、ルアンさんの下ろしていた髪が
ふんわりと風が吹いたようになびいたと思ったら
精霊たちが集まって、何かをして行く
「ルアンさんの髪の毛って精霊たちが結んでるんだ・・・」
「竜はそれほど器用ではありませんからね
精霊でなくては、あれほど細かな文様は出せませんよ」
呟きをとらえて、ブロージュさんが教えてくれた
うん、実は不思議に思ってました
細かな三つ編みとか、複雑に編み込みしてるのって
どうやってるんだろうって、ずっと思ってましたから
でも、今すっごく納得出来ました
細かい仕事は、精霊さんにおまかせって事ですね
ブロージュさんの布といい、ルアンさんの髪といい
ヴェルデさんの空気の膜といい
竜と精霊ってものすごく密接に関わってるのね
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