地球にこんにちは1
マーキングのあと、穏やかで、
のんびりとした暮らしが続き
季節はいつの間にか冬
今年の冬は、精霊の宿籠もりの年らしく
室内は色とりどりで華やか
そんな中、みんなも、重そうな瞼で
寂しいけど、行ってらっしゃいって見送ってくれた
たぶん、そんなに立ってないはずだし
地球でもいろいろしたいから、と
5月23日の昼をイメージして眠ったら
ちゃんとその時刻に帰れた
ぎゅっと抱き締められた感覚は、
体に残ってるのに
今は、一人で、なんかぽつんと、
マンションの1室に居るのが
不思議な感じよね
向こうでいる時、考えると
こっちの世界を軸に生活してるって思ったのに
こっちに帰ってきたら、竜の国が懐かしく思っちゃうのは
何でだろう
夏が来たら、冬が恋しくて
冬が来たら、夏が恋しい、みたいなものかしら
でも、困ったなぁ、どうやって決めたら良いんだろう
考えてても、仕方ないか、メールでもチェックしようと
携帯を手にしたら、振動とともに、流れ出す音楽
表示は、りっちゃん
わーい、イベントの話と、服の事いおーっと
「はーい、りっちゃん」
1年ぶりぐらいのりっちゃんの声が聞きたくて
私のテンションはマックス
「ユキちゃん・・・?」
だけど、電話の向こうから聞こえて来たのは
びっくりしたようなりっちゃんの声
あれ?電話したのりっちゃんだよね?
「うん、私だよ?」
それ以外に誰がでると・・・それとも、1日の間に
誰かが侵入して、携帯使われたとか?!
着信履歴と、通話記録が見たい・・・
なんかあったらどうしよう
「よかったぁっ」
そう言ったかと思うと、りっちゃんは突然泣き始める
え?どうしたの?
1日の間になんか有ったの?
嫌な先輩にいじめられたとか、りっちゃん可愛いから
変な人に付きまとわれてるとか?
「どうしたの?何があったの?!」
慌てて聞くけど、電話の向こうからは
嗚咽が聞こえるだけ
「今から、そっち行こうか?
大丈夫????」
帰ってきたばかりだけど、かぼちゃパンツでノーブラだけど
行くよ!私!!!
「なんで・・・?」
なんでって、そりゃぁ、りっちゃんの事が好きだからに
決まってるじゃない!
私がそう言うと、嗚咽は酷くなるばかり
うーん、電話じゃやっぱり駄目みたい
「今から行くから、待ってて!」
そう行って私は電話を切って部屋を飛び出した
久々に履く硬い靴の感触にちょっと戸惑ったけど
そんなの構ってられない
ちょっと儲けたし、それに今から儲けられるってことで
タクシーに乗り込む
「急いでどうしたんだい?」
なんて、言う運転手さんに
親友の大ピンチなんです、と答えたら
おっちゃん、男前に、途中でメーター止めて
飛ばしてくれた
「ありがとうございます!」
頭を下げて、そう言うと
「困った時にゃ、友の優しさってのが一番嬉しいもんさ」
そう言った、おっちゃんは男前だった
うん、普通のおっちゃんだけどね
「りっちゃん!開けて!」
ピンポーンと扉を叩いて、せかす
「ユキちゃん・・・」
かちゃりと扉を開けたりっちゃんはまだ泣いてた
私は、何も言わず抱き締める
りっちゃんも私を抱き締めてくれた
そして、号泣
何が有ったのかは、この後聞こう
誰よ、私の親友泣かしたやつは!
久々の地球だよー、一瞬書けなくてびっくりしたよー、でも書けたよーな話でした、そろそろ暑くなってきましたねぇ




