みんなとの再会2
「次は、どこいくのー?」
今回は、起きてるたんぽぽちゃんがのんびりと聞く
「んー、どこだろう・・・」
私も知らない
「この方向だったら、あやめの所じゃね?」
んー、と目を凝らすように前を見ると
なんか薄煙の遙か彼方に紫と緑のブロッコリーが見える気がするけど
気のせいにしか見えない・・・
「種は?」
腰につけたいつもの袋を、たんぽぽちゃんが指す
「たんぽぽちゃんの所出た時には、まだだったけど」
そう言いながら、ごそごそと出すと
まだっぽい
「たしかに、まだだ
でも、もうチョットだ」
手をかざして、ときわちゃんが様子を探ってるのかな
「じゃぁ、みんなで育てー、そだてってしたら
向こうに着くまでに生える?」
「どうだろう」
くすくすと、笑いながら、2人が答える
でも、前と違って、かなり好意的
しかたないから、やるじゃなく
さすがに、数時間で生えるのは無理かもしれないけど
やってみようよ、という感じ
3人で、車座になって、真ん中に種を置く
手をかざして、種よ育て歌を歌う
ルアンさんが仲良しだねぇ、なんて言いながら
単調なメロディと歌詞なので、その内一緒に歌ってくれた
歌い始めるとどこからともなく、精霊さんたちも集まって
きらきら輝いてる
「あ、すげぇ」
ときわちゃんが、びっくりした顔で、1つの種を見てる
すると、ぴよりっという感じで、
1本ふわっとした毛が生えたかと思うと
そこが震源地のように、ふわふわっと周りに広がっていく
「精霊たちのおかげだねぇ」
たんぽぽちゃんがにこにこして言う
『精霊は、力のそのものだからねぇ
それに愛でられちゃ種も、生えるしかないって感じなのかねぇ』
楽しそうなルアンさんの声
1つ目が生えると、次々に伝播して、
5つともふんわりとした毛に覆われた
うん、生えるのはいいけど、子猫状態にはなってないけど
ちょっとやばめ?
「うわーん、紫竜さーん」
私は、ちょっと泣きたい、これは、シリーズ急げってことよね
『あと、もうちょっとで着くし飛ばすよ』
ルアンさんもちょっと慌ててる
ぶわりと、風が吹いたので、ときわちゃんがびっくりした顔をした
「・・・ルアンでも苦手あるんだ・・・」
そう言うと、すっと手で丸を書いたかと思うと
ぽんっという感じで空気の膜ができた
ふぅ、助かった・・・
さすがにこのスピードと、風量では息苦しかったし
涙が浮かんでた
びゅんびゅんと飛ぶように景色が変わるのに
中は、穏やかな風が吹き抜けていく
うーん、ときわちゃん魔法が上手になったよね
ルアンさんができないのが不思議なのかな
「完璧、じゃないからみんながいて丁度いいんだと思うよ」
私がそういうと、
あ、そっか、という顔して抱き付いてきた
「たしかに、そうかも
完璧だとつまらないよね」
あれ、なんか含みがあるのは気のせいですか?
ふーん、どうせ私は完璧からほど遠いですよー
でも、いいんだもん、ルアンさんも
これでいいんだよ、私らしくいたらいいんだよ
って言ってくれたし
ときわちゃんも、悪い意味で言ったんじゃないもんね
ふふふ、抜けてるおかーさんだけど、よろしくね
「見えたよ」
たんぽぽちゃんが指さす方向には、私でも見える紫竜の里
ルアンさんが、ぐわぁぉぉぉぅと鳴くと
向こうからも、帰ってくる
「飛び降りるから、ね」
にこり、とときわちゃんが笑う
え゛ーーー、それだけは勘弁して
ぎゅっとときわちゃんに抱き付くたんぽぽちゃん
「うん、一緒に行こう!」
いやいや、そこでもう会話成立しないで下さい
私後からゆっくり降りたいんですけど
「じゃぁ、ルアン行ってくる」
眼下に見える、と思った瞬間そう言って、
私は、落下
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
もう、下までノンブレス、
オールシャウトよ
「ようこそ、姫様、またしてもすごい声ですの」
ふぉっふぉっと笑いながら、紫竜のおじぃさんが出迎えてくれる
「大丈夫?」
あやめちゃんが、心配そうにのぞき込んでくれるけど
私はそれどころじゃない
涙は溢れるし
立ってられないぐらい、がくがく震えてる
あれは、ないっ
今後もないっ
「うわーん、あやめちゃんー怖かったよぉー」
ぎゅっと抱き付いて泣きますよ
おかーさんは、そういうアクティブな動きはいりませーん
と言うところで、本日おしまいです、今日は、食べ過ぎましたよ、急遽お好み焼きよくね?とか言われて、いいねぇ~なんて言っちゃいまして、もんぐり食べて+生姜焼き+小松菜の煮浸し+3種の茸の揚げ出しどうふ食べたら、動きたくありません、げふぅー、ということでネットでもするか(現在進行形ですが!)