黄竜の里6
黄竜の里を出るから、ご挨拶をと思って
一歩外に出た時、私はびっくりした
何故って、それは、地形が変わっていたからです
地震があったのは、知ってたけど
こんなにすごい地震だと思わなかった
お風呂場所と、たんぽぽちゃんの居場所
そして、私たちのいた水晶の間は
まったく問題無かったから、えええ???という気分
「姫~、行くよー」
私が、ぽかーん、としてたら、ルアンさんが不思議そうに
声を掛けてきた
「ルアンさん、地形が変わってます」
そういうと、ルアンさんは、あっはははと笑って
「そりゃぁ、繁殖時期だったからねぇ、地形も変わるよ」
あれ・・・なんか、よく分からない事を言われた気がしますよ
「黄竜の力は、地の力だからねぇ、魔法使えば地形も変わるよ
ちょっとした繁殖行動をとってたからねぇ
あの2人は」
えっと、繁殖中危ないってこういうことですか・・・
「なんで、魔法を・・・」
「そりゃぁねぇ、一回は戦うからねぇ」
ええええ、戦うって、繁殖って戦いだったんですか・・・
「パートナーが決まってるから、これだけで済むけど
決まって無くて、力比べなら、これじゃぁ済まないよ
今回のは、会話みたいなものさ
私これだけ強くなったよ、オレもこれだけ強いぞ
ってね」
はい?
はぁ・・・繁殖の時ですら、それですか・・・
うううう、竜の本質が戦いでできてるっていうけど
そこまでなんですか・・・
「黄竜は、魔法主体じゃないから、ね」
ぼそり、とたんぽぽちゃんが言う
そんな、怖いこと、さらりと言わないでくださいっ
「ま、邪魔しないのが一番さ
さっ行くよ、私らの気配が消えることなんて
十二分に解るんだからさ」
そういうルアンさんに、たんぽぽちゃんも
こくりと頷く、
あれ、まだちょっと眠そう
「眠たいの?」
「うん、眠い」
こてりと、頭を肩に乗せてきた
「まぁ、起きたばっかりだからねぇ
次まで、寝てたらいいさ
ほれ、2人とも乗った乗った」
はーい、といいながら、もそもとと、ルアンさんの上
髪もまとめたし、今回は、最初から、たてがみの中
「準備いいかぃ?」
「はーい!」
大きな声で返事
久々の太陽の下は、なんだか目が眩む
たっぷり作れた服は、たんぽぽちゃんが持ってくれてる
持つって言うか、枕にされてる?
ぷくくくく・・・なんて、寝言?言いながら
たんぽぽちゃん早くも沈没
「ありがとうございましたー」
とりあえず、お礼が言いたい
ぐわぉぅっと、中から返事があった
「じゃ、いこっか」
どすどすっと、2.3度走ったら、ルアンさんはばさりと
羽ばたいて、ぐんっと空に舞い上がった
うわぁ・・・眩しい
太陽が目に入って、一瞬視界が白くなった
ばさばさと当たる風が、気持ちいい
なんか、歌いたい気分になってくるよね~
そう思ってたら、自然に歌がこぼれた
何故か、ラピュタの曲だった
一人リサイタル状態で、思い切り歌ってみた
目をつぶってると、大きな声なのに
聞こえにくいぐらいのスピード
次々と、風に飛ばされていく言葉とメロディ
それが、踊っているようで、楽しくなる
ふぅっと息を吸って吐いて終わるとルアンさんが
上手いもんだねぇと、言ってくれた
『目、開けてご覧よ』
言葉が、飛んでいくのが楽しくて
ずっと目を瞑って
ふわふわするたんぽぽちゃんの頭を撫でながら歌ってた
ぱちりと目をあけると
周りは緑と白い光
それが、くるくるちかちか、優しく瞬きながら
ルアンさんを包み込んでる
「わぁ・・・綺麗」
『精霊たちがあんたの歌声に集まってきたねぇ』
嬉しそうなルアンさんの声
それに呼応するよう、精霊たちのざわめき
「もっと・・・てさ」
たんぽぽちゃんが、寝ぼけまなこで言う
もっと・・・ですか、そう言われるとなんだか、歌えなくなる
みんなに歌ってあげてたから、慣れてるけど
知らない人?の前で歌うのはちょっとねぇ
なんて、考えてると、催促するようにくるくる回る
『歌っておくれよ』
ルアンさんもねだる
「うたって、聞かせて」
たんぽぽちゃんもねだる
くるくるちかちか、精霊さんもねだってる?
「じゃぁ・・・」
そう言って私は歌い始める
ゆったりと大気に溶けるような歌を
光に、風に、雲になるような歌を・・・
じ○り登場・・・明日からは、みんなを迎えにいくよー!今日のごはーんは、さぼってできあいのコロッケをかって、チーズオムレツとハムと昨日ののこりのスパサラのせて、豚汁と、もずくとレタスの酢の物でしたー、今日もうまー、しかし、コロッケの選択間違ったかな、えだ豆とコーンのコロッケ、冷凍じゃなく生のなんだけど、なんか、ミックスベジタブルな気分になりましたヨ、はい